VRハケン社員斗夢 1st.season〜バーチャル男子のエロスな日常〜

MIKAN🍊

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16、ペットにしたい男の子

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色違いのTシャツにタイトなジーンズを着たポニーテールの女の子達が賑やかにフードコートを通り抜けていく。
僕は何となく彼女達の後ろ姿を目で追った。
あの日、前を歩く桜蘭オーランの黒いランニングシューズと細い足首を見つめたように。
桜蘭の腰から下げたキットソンのポーチが軽やかに揺れる。
「俺のケツになんかついてっか?」

「Hエリアって知ってる?」
艶子さんがもう一度訊いてくる。あなたいったい何処を見てるのって顔をして。
「あーはい。知ってますよ。ピッキングエリアでしょ?」
「トム君行った事ある?」
「行った事はあるかなー。僕は出荷エリアなんであんまりわかんないですね」
僕はトボケた。桜蘭とのコトは艶子さんには知られたくない。
「違うのよ。最近女子の間でちょっと噂になってて。あそこね、男の子が男の子をピックして連れてっちゃうんだって」
「へえ!何処に?」
「何処って、秘密の場所よ。そこでKissしたり抱き合ったり、それ以上のコトをね、するんだって。それ以上のコトよ?わかる?」
なんかハーマイオニーみたいな喋り方だ。
「何が?」
「何がって。やっぱりトム君は知らないわよねー。そうだと思った。顔もスタイルも良いのに奥手だからなー」
アレアレ。勝手に自己完結してる。
「男同士でってコト?」敢えて混ぜ返してみる。
「男と女。女と女もあるらしいよ」
「ふーん。なんかスゴイね」
「トム君はそういうトコ行っちゃだめよ?」
「ダメって言われても!てゆーか、仕事なら行くでしょフツーに」
「そうよね。私、今度言ってみようかな!ピッキングやらして下さいって」
「艶子さんはリーチフォークを操作してる方が似合ってますよー」
「アレもさー、飽きちゃうのよ」

「よぉ~。エンコ。お疲れー!」
「あ、桜蘭!お疲れ様ぁ!」
桜蘭は向かいのテーブルから椅子を引いて僕と艶子さんの前に腰掛けた。
「よ。斗夢。何食ってんの?」
「お疲れさん。んーテキトーに」
本当に適当な返事しか思いつかない。
「また鳥のエサみたいなの食ってるナ。エンコまた胸が太ったな。わはは!」
「それは太ったって言わないのよ」
僕は居住まいを正した。地震でも来ないかな?
いったい何なんだ、この展開は?これが僕の潜在意識だってのか?
徐々に先が読めなくなってくのは人工知能Alのせいなのか。この微妙なスリルも僕が望んでいる事?
「桜蘭は知ってる?Hエリアの事」
「ナンパラインだろう?そんなのあちこちにあるさ。なぁ、斗夢」桜蘭はチラリと僕を見た。僕は目を逸らす。
「そうなの?」
「一日に何百人もスポットのハケンが出入りしてるんだ。自然とそうなるよ。何だ、エンコ興味あるのか?」
「無いけどォ…、お二人さんはいつも仲良いけどソッチ系には興味ないって感じね!」
「どっち系よ?そーんな事ないぜ?俺、こいつのチンコ舐めてえ~!」
桜蘭がふざけて僕に抱きつく。
「おい!ちょいヤメロよ!」
「ヤバ~!」艶子さんはケラケラ笑ってるけど、僕はやや真剣な眼差しで二人を交互に見る。
「ぜ~ったいないよー!」
「だーから!離れろって!」
「はいはい。俺もー行くわ。邪魔してワリーな!」
立ち上がりざま桜蘭は正面から僕の口をKissで塞いだ。
「ちょ…!?」
何を考えてんだ!僕はチョー焦った。
桜蘭の去り行く尻をペシっと叩いて振り向くと、艶子さんはケータイで誰かと話してる最中だった。

「あ、ごめんなさい!作業場ワークデスクからだったの。あれ?桜蘭は?」
「行っちゃいましたよ」
「忙しい人ねー」
よかった!見られなかった!
「もっと色々聞きたかったのに。あの子付き合ってる人いるのかなぁ。イケメンだからトーゼンいるよねぇ」
「いるんじゃないですか。あ、艶子さんまさかの桜蘭狙いですか?」
「えー!ナイナイ!それはナッシング!ちょっと違うのよね~。でも桜蘭がタイプってコ、知り合いの中に結構いるのよー」
「へえ!今度言っときますよ。艶子さんはどんなタイプの人が好みなんですか?」
「うーん。私かー。私ねー。そだねー」
艶子さんはしばし考え込む。
「あ、ほら!あそこ見て」
艶子さんが指差した方向。
「ポニーテールの茶髪?」
「ちがくて!その2つ隣。一人で立ってる…今ヘルメット取って拭いてる子!」
「オトコでしょー?どこー?ウォーターサーバーの所ですか?」
「そっちじゃなくってあそこよー。ダボっとしたユルユルのTシャツ着てるちっちゃいコー!」
「はあ?あのワンショルダーの?」
「そうそう!白レギンスにホットパンツのコ!あーいうのがタイプかな~♬」
「えー?女の子じゃないですかー。艶子さんてアッチ系だったんですか?」
「何言ってんだかー!あのコ、男よ?どお?男の子に見えるぅ?」
「えっ!嘘ぉーっ!?」
僕は艶子さんをマジマジと見つめ返した。
「すっごい綺麗でしょ?あーいう男の子が今人気なのよ。ペットにしたいんだって!」
「首に鎖を繋いで?」
「そうそう!ンなわけないでしょ!」
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