15 / 32
15.絶対的性的関係
しおりを挟む
唖然とする朝倉を押しのけて、カレンは蜜子に駆け寄った。
抱き起こして膝までずり落ちたパンティを履かせようとするが、うまくいかない。
蜜子のエレクトが治まらないのだ。
「カレンさん。なんてことを」理事長のアキラは溜息をついた。
「いいんだ、姉さん。カレンさん、困った事をしてくれましたね」洋介は院長らしい威厳を取り戻していた。
蜜子をいじるアキラの手つきを眺めていた時の惚けた眼差しではなかった。
カレンはハッと我に返った。
「申し訳ありません。ゲームを台無しにしてしまって。でもあんまり蜜子さんが可哀想で」
「カレンさん。これはただのゲームではないんですよ。お分かり頂けなかったとは残念です」
「え?」カレンは小首をかしげた。
「このクリニックには性的な問題を抱えた方達が訪れる。そう申し上げたはずですよね。最新の設備、行き届いたサービスはステージに過ぎないんです。そのステージで我々がしなくちゃならないのはゲストの方々を人生の幸福に導くこと、生きていて良かったと思って頂く事なんですよ」
「は、はい。でもそれとこれとは…」カレンには納得出来ない。
洋介は続けた。
「海風クリニックでは斬新で進歩的な療法を行ってます。この事も姉さんはお話しましたよね?」
「え、ええ。はい」
「その効果は今のところ抜群です。それはスタッフが一致協力しゲストの悩みに親身になって向き合っているからなんです。何故そんな事が可能かわかりますか?」
「いえ。私にはまだよく…」
「我々自身もまた性的な問題を抱えているからなんですよ。そしてお互いに日常的にケアし合ってるからなんです。ゲストに対する同じ認識、同じ苦労を経験する事によって絶対的な信頼関係が生まれるんです。性的な問題を解決する為の、絶対的性的関係と我々は呼んでいます」
理事長のアキラは指先についたティラミスを舐めながら、何度も小さくうなずいていた。
カレンは何か大変なミスを犯してしまったような気持ちになった。
抱き起こして膝までずり落ちたパンティを履かせようとするが、うまくいかない。
蜜子のエレクトが治まらないのだ。
「カレンさん。なんてことを」理事長のアキラは溜息をついた。
「いいんだ、姉さん。カレンさん、困った事をしてくれましたね」洋介は院長らしい威厳を取り戻していた。
蜜子をいじるアキラの手つきを眺めていた時の惚けた眼差しではなかった。
カレンはハッと我に返った。
「申し訳ありません。ゲームを台無しにしてしまって。でもあんまり蜜子さんが可哀想で」
「カレンさん。これはただのゲームではないんですよ。お分かり頂けなかったとは残念です」
「え?」カレンは小首をかしげた。
「このクリニックには性的な問題を抱えた方達が訪れる。そう申し上げたはずですよね。最新の設備、行き届いたサービスはステージに過ぎないんです。そのステージで我々がしなくちゃならないのはゲストの方々を人生の幸福に導くこと、生きていて良かったと思って頂く事なんですよ」
「は、はい。でもそれとこれとは…」カレンには納得出来ない。
洋介は続けた。
「海風クリニックでは斬新で進歩的な療法を行ってます。この事も姉さんはお話しましたよね?」
「え、ええ。はい」
「その効果は今のところ抜群です。それはスタッフが一致協力しゲストの悩みに親身になって向き合っているからなんです。何故そんな事が可能かわかりますか?」
「いえ。私にはまだよく…」
「我々自身もまた性的な問題を抱えているからなんですよ。そしてお互いに日常的にケアし合ってるからなんです。ゲストに対する同じ認識、同じ苦労を経験する事によって絶対的な信頼関係が生まれるんです。性的な問題を解決する為の、絶対的性的関係と我々は呼んでいます」
理事長のアキラは指先についたティラミスを舐めながら、何度も小さくうなずいていた。
カレンは何か大変なミスを犯してしまったような気持ちになった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる