16 / 20
16
しおりを挟む
この数週間で、目覚めた時に隣に温もりが居ることが当たり前になった。愛しくて愛しくて堪らない温もりだ。隣で眠るこの世の何よりも愛しい存在を微睡みの中で抱き締める。
陽射しを遮る分厚いカーテンによって閉じられている部屋では、朝日が既に昇っているのかどうかが分からない。けど、惰眠をむさぼると予め執事に伝えている今日は、時間なんてものを気にする必要はない。
全身で素肌が触れ合って、優しい気持ちよさに包まれる。もうしばらくはこの心地よさにただ浸っていたい。
とは言っても、腕の中の愛しい温もりの顔はやっぱり見たい。
昨夜はとうとうアルグと身体を繋げた。快感にとろけるアルグは最高に可愛くて、俺も最高に気持ちよかった。
ただやっぱり懸念していた通り、俺よりアルグの方が体力があるようだった。昨夜はもしかしたらアルグは本当は物足りなかったかもしれない。
このために俺も鍛えてきたが、長年剣術で鍛えてきたアルグには及ばなかったようだ。アルグが満足出来るまで応えれるように、まだまだ鍛える必要があるな。
「ん・・・らぷすさま?」
「おはよう、アルグ。身体は辛くないか?」
「あ・・・はい、大丈夫だと思います」
「ならよかった」
「はい。あの、ラプス様がしっかり、その、色々と、丁寧にしてくださったので、痛みとかは全くなかったです」
暗がりで、アルグの顔をなんとなくでしか捉えられないのが口惜しい。絶対に今、アルグは可愛い顔をしている。
アルグは顔が見たい。というか、全てを見たい。
「カーテンを開けてくる。外は明るくなっているかもしれない」
「あっ・・・」
起き上がってベッドから出て、部屋のカーテンを開けていく。寝起きの状態が常にそうだからか、最近は室内を裸で歩き回ることにも慣れてきた。
部屋に光が射し込み、絨毯の模様もよく見えるようになる。
振り返って、ベッドのアルグを見ると、頬を微かに染めて欲が滲んだ表情をしている。こうやって肌を晒したまま動いていると、アルグの欲情を誘えるから堪らない。
「これでアルグの顔がよく見える」
「ラプス様、早くこっちに」
アルグが毛布を広げ、俺に早くベッドに戻るよう焦れる。露わになったアルグの肌には、無数に口付けの痕が残っていて、昨夜の情事がありありと思い起こされ、更に興奮が沸き立つ。
ベッドに足を踏み入れれば、すぐにアルグに腕を引かれ、抱き込まれる。
「アルグ?」
「離れちゃ嫌です」
「同じ部屋にいたぞ?」
「嫌です。今日はずっとこうして触れていてほしいです」
「嗚呼、可愛い」
なんて可愛いんだ。やっぱりカーテンを開けたのは正解だったな。可愛いアルグの顔が、全てがよく見える。
アルグの額や頬、鼻に瞼にとあちこちに口付けを贈り、最後に深いキスをする。与えられるものをもっとと強請るようにアルグの手が、腕が、声が、脚が、唇が、舌が応えてくる。
「今日はベッドから離れられそうにないな」
「今日くらいいいんじゃないですか?」
「そうだな。アルグ、もっと」
「ラプス様も」
お互いに溢れてくる欲動に素直に従い、全身で絡み合って、時間も気にせず、再び二人でベッドに沈んでいった。
陽射しを遮る分厚いカーテンによって閉じられている部屋では、朝日が既に昇っているのかどうかが分からない。けど、惰眠をむさぼると予め執事に伝えている今日は、時間なんてものを気にする必要はない。
全身で素肌が触れ合って、優しい気持ちよさに包まれる。もうしばらくはこの心地よさにただ浸っていたい。
とは言っても、腕の中の愛しい温もりの顔はやっぱり見たい。
昨夜はとうとうアルグと身体を繋げた。快感にとろけるアルグは最高に可愛くて、俺も最高に気持ちよかった。
ただやっぱり懸念していた通り、俺よりアルグの方が体力があるようだった。昨夜はもしかしたらアルグは本当は物足りなかったかもしれない。
このために俺も鍛えてきたが、長年剣術で鍛えてきたアルグには及ばなかったようだ。アルグが満足出来るまで応えれるように、まだまだ鍛える必要があるな。
「ん・・・らぷすさま?」
「おはよう、アルグ。身体は辛くないか?」
「あ・・・はい、大丈夫だと思います」
「ならよかった」
「はい。あの、ラプス様がしっかり、その、色々と、丁寧にしてくださったので、痛みとかは全くなかったです」
暗がりで、アルグの顔をなんとなくでしか捉えられないのが口惜しい。絶対に今、アルグは可愛い顔をしている。
アルグは顔が見たい。というか、全てを見たい。
「カーテンを開けてくる。外は明るくなっているかもしれない」
「あっ・・・」
起き上がってベッドから出て、部屋のカーテンを開けていく。寝起きの状態が常にそうだからか、最近は室内を裸で歩き回ることにも慣れてきた。
部屋に光が射し込み、絨毯の模様もよく見えるようになる。
振り返って、ベッドのアルグを見ると、頬を微かに染めて欲が滲んだ表情をしている。こうやって肌を晒したまま動いていると、アルグの欲情を誘えるから堪らない。
「これでアルグの顔がよく見える」
「ラプス様、早くこっちに」
アルグが毛布を広げ、俺に早くベッドに戻るよう焦れる。露わになったアルグの肌には、無数に口付けの痕が残っていて、昨夜の情事がありありと思い起こされ、更に興奮が沸き立つ。
ベッドに足を踏み入れれば、すぐにアルグに腕を引かれ、抱き込まれる。
「アルグ?」
「離れちゃ嫌です」
「同じ部屋にいたぞ?」
「嫌です。今日はずっとこうして触れていてほしいです」
「嗚呼、可愛い」
なんて可愛いんだ。やっぱりカーテンを開けたのは正解だったな。可愛いアルグの顔が、全てがよく見える。
アルグの額や頬、鼻に瞼にとあちこちに口付けを贈り、最後に深いキスをする。与えられるものをもっとと強請るようにアルグの手が、腕が、声が、脚が、唇が、舌が応えてくる。
「今日はベッドから離れられそうにないな」
「今日くらいいいんじゃないですか?」
「そうだな。アルグ、もっと」
「ラプス様も」
お互いに溢れてくる欲動に素直に従い、全身で絡み合って、時間も気にせず、再び二人でベッドに沈んでいった。
103
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです
空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。
※オメガバースの設定をお借りしてます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。
春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。
新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。
___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。
ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。
しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。
常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___
「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」
ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。
寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。
髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
どこにでもある話と思ったら、まさか?
きりか
BL
ストロベリームーンとニュースで言われた月夜の晩に、リストラ対象になった俺は、アルコールによって現実逃避をし、異世界転生らしきこととなったが、あまりにありきたりな展開に笑いがこみ上げてきたところ、イケメンが2人現れて…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる