ファンタジー小説向けの作品を作ってみる。

取材

第六話 テーマを決めよう

　前回でテーマが決まりました。
　テーマというものは、作品を書き始めるときに決めておく必要性はありません。

　企画を考えていくうちに、自ずと決まって来るものもあります。
　その時々によって決まるものなので、必ずこれを決めてからしないといけないということはないのです。

　さて、選択した内容は

・読者が投影しやすい主人公で、周りのキャラの目を通して、異世界を楽しめるスローライフ。

　でした。
　でも、これって概要です。

　作品のイメージです。
　どんなものをどうやって語るか、までは決まっていません。

　そこで、もう一度、大賞に設定されたテーマを確認します。


・ユニーク異世界ライフ（☆）
　スローライフや成り上がりのようなお馴染みの異世界生活に、新しくて面白いキャラ・設定・世界観などを加えた作品。

・爽快バトル賞（☆）
　弱い立場の主人公が大逆転！　敵をなぎ倒して超無双！　などなど、スカッとするバトルが見どころの異世界譚。

・すくすく人生やり直し
　チート能力をフル活用した辺境開拓から、バブい赤ちゃん転生まで！？　新たな人生を悠々自適に送り直すファンタジー。

・癒し系ほっこりファンタジー
　人々との心温まる交流や、愛くるしいモフモフの活躍など、異世界での賑やかな暮らしを微笑ましく描いた小説。

・成り上がり令嬢
　悪役ヒロイン転生に婚約破棄――主人公が自らの力で絶望的な運命を変え、華麗にハッピーエンドを掴む物語。

　……どれでもいけるんですよね！
　困ったものです。

『成り上がり令嬢』以外は、男性主人公、と仮定しましたから、主人公は男です。
　周りの目を通して、と書きましたから、必然的に三人称。

　もしくは、サブキャラの一人称で、魅力的な主人公を語る必要があります。
　シャーロックホームズのように。

　そして上に挙げたテーマはほぼどれもすべて、明るい内容に偏っています。
　暗くて重たい物語は誰も読みたくないらしいですね。

　分かるでしょうか？
　この賞で求められている作品というのは異世界に行けば必ず素晴らしい物語が待っている。

　チートを使ったり自分の秘められた能力を磨くことでもしくはこれまでの経験を活かすことで、人生には必ずいいものが待っているんだよという物語しか、望まれていないということです。

　でも本当にそんなに都合のいい物語が待っているんでしょうかね？
　スローライフを選択したことにより、組織に所属するということはなくなります。

　また、辺境開拓を行う、チートを使ってバトルをする。
　これはスローライフの定義から外れるような気がします。

　この場におけるスローライフというのは、『のんびりと人生の余暇を楽しむこと』だと定義します。
　これまでの人生において一つの区切りをつけた人間が、忙しかった人生を止めて異なる環境でのんびりと暮らすことが重要ですよね。

　まあそうなると一番最初のテーマ。

・ユニーク異世界ライフ（☆）
　スローライフや成り上がりのようなお馴染みの異世界生活に、新しくて面白いキャラ・設定・世界観などを加えた作品。

　になってきます。
　スローライフはどんなものかというのを上に決めましたので、次に出てくるのは、『面白いキャラ・設定・世界観』のどれかの選択です。

　しかし大体の場合魅力的なキャラクターというのは面白い世界設定を背負って生きてるんですよね。
　というわけである程度の枠はできました。

　次の回では、物語のあらすじから考えていきたいと思います。