ファンタジー小説向けの作品を作ってみる。

取材

第四話 テーマを分析する。その③

〇癒し系ほっこりファンタジー
『人々との心温まる交流や、愛くるしいモフモフの活躍など、異世界での賑やかな暮らしを微笑ましく描いた小説』

・不遇な生い立ちや不幸の連続から災難に見舞われてばかりの主人公が、人生を生きる環境を変えることによってそれまで感じることのなかったもしくは忘れ去ってしまっていた幸せというものを取り戻す物語。

・愛くるしいもふもふの活躍……。
　正直言って愛くるしいもふもふってなんだろうっていつも思うんですよね。
　だってどんなにふわふわなペットを抱きしめても、ふかふかであって、もふもふ、じゃないですか。
　日本語として何かおかしいよなって思っちゃうんですけど、まあそれはさておいて。

　聖なる獣、と獣人の少女、そして転生してきた人生に疲れたアラサーの社畜。
　この三角関係が男性向けのファンタジー小説だと多く見受けられるような気がします。
　あくまで筆者の実感です。個人的感覚です。

　女性向けのファンタジー小説だと主人公は可愛いらしい幼女。
　優しいお父さんとお母さんもしくは本当の家族じゃないけれど主人公を愛してくる守ってくれる存在が別にいて。

　この別の存在というのは例えば義理の父親だったり母親であったり師匠であったり。
　まあ何でもいいんですけど。

　それとは別に、王侯貴族や、優れた能力を秘めた特別な社会的立場を持つ権力者。
　……彼の庇護と、主人公の成長を見守りながら溺愛する、ヒーロー。

　まあ上記のものとは別に、ブラック企業の社畜として働いていたら過労死した主人公が、転生してみたら異世界の都会の家で、そこは大家族で。
　それとは別に険しい山岳地帯とか森林地帯とかで暮らしている親戚なんかがいて、そこから妻を迎えたりして。

　特別素晴らしい魔法が使えるわけではないけれども、前世の日本で生きた経験を活かしながら異世界で新しい経験をしつつ、都会と自然の厳しい環境下で生きる二つの文化圏の間で人間性を育むドラマを展開する。

　そんな物語でもいいような気がします。
　とはいってもアルファポリスの読者を対象としているから、流行のモフモフ系ストーリーに作品を沿わせるのが正解なのでしょう。


〇成り上がり令嬢
『悪役ヒロイン転生に婚約破棄――主人公が自らの力で絶望的な運命を変え、華麗にハッピーエンドを掴む物語』

・悪役令嬢物語は市場に溢れすぎている

　悪役ヒロイン天井に婚約破棄とありますが多分このジャンルこのテーマはよく言われる悪役令嬢系。
　それもRPGや悪役令嬢系と模される小説やマンガなどの世界へ、現代から転生して……。

　一概に、そんな感じの物語なのではないかなと思ってしまいます。
　けれどこれ系の物語って、いろんな物語のパターンが作られ過ぎていて、語り尽くされている感が大きいんですよね。

　特に男性向けではない物語傾向にあると思いますし、異世界ファンタジーというよりかは異世界恋愛に近しいジャンル構成になる気がします。

　例えばですが、気づいてみたら自分が通っている学院の下水路。
　傍には婚約者だった男性の死体があり、ヒロインはそこで本来の自分に覚醒する。

　ここはとあるゲームの世界で死んでいる彼は自分の婚約者で……あれ、どうして自分はこんなところにいるのだろう？

　婚約者が殺された謎も含めていきなり殺人事件に巻き込まれた主人公は、学院に戻り、その秘密を解こうとする。
　そこには、学生たちの間で闇取引される、違法ポーションの売買を巡り、有力貴族同士の派閥が争っていた。

　主人公は自分の力でその謎を解き、殺人事件の謎を暴いて、本当に自分を愛してくれる存在を見つけ、学院の問題を解決して新しい幸せを手にする。

　こんな感じの話だったらもしかしたら……？

　さて、どのテーマを選ぶべきなんでしょう。
　とても迷ってしまいますね。