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序章
第三話 姫騎士と王女と
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「あんな身分の卑しい者共のいうことなど、あてになるものか」
「はあっ? 王女殿下の肝いりですよ?」
「おまえと妹は仲がよいからな。どうにでも言い繕うことができるだろう。だから、あてにはならん」
「‥‥‥」
王子のあまりの物言いに、リオラは唖然とした。
自分の実妹が信頼を置いている部下たちのことをこうも嘲るようにいうなんて。
王女殿下がかわいそう、と思ってしまった。
「ハンナはクロノアイズ帝国に嫁ぐことが決まった。少女騎士団も引き連れていくそうだ。もう国境を越えている頃だろう。知らなかったのか?」
「そんな大事、どうして知らせてくれなかったのですか! 友人なのですよ! わかの一つも言わせてくれたって」
「決定したのは一月前だ。今回、帝国と盟約を結ぶにあたって決まった約束事の一つだった。それには彼女」
と、アイズは背中の後ろに隠れて顔を出そうともしない、小柄な少女の肩に手を回し、ぐっと抱き寄せる。
臆病な小動物のように、彼女は殿下の胸元あたりから、リオラのほうをちらちらと見ては視線が合うと目をそらした。
「彼女は魔法省長官のエンバス侯爵の長女、ティアナ嬢だ。エンバス興は帝国との良き橋渡し役になってくれた。同盟が結ばれ、結界も不必要になる」
「そうなのね、あなた。仲良さそうだから、てっきり妹のナターシャ様と見間違ってしまったわ」
たぶん、いま自分が浮かべている笑みはとてつもなく冷たいものなのだろうな、と思いながらリオラは手を差し伸べる。
アイズは紳士の作法として、その甲に軽くキスをした。
続いてリオラはティアナにも手を差し伸べる。
聖女は王族と同列の扱いを受けるから、侯爵令嬢であるティアナは臣下の礼を取らねばならない。
「あっ、えっと‥‥‥」
ティアナが隠れ場所からおずおずと出でて、リオラに近寄ろうとすると、それはなぜかアイズによって遮られた。
「君はしなくていい」
「え、でも」
「いいんだ。彼女はもうそうではないのだから」
そうではない、つまり婚約破棄を申し付けたのだから、特別扱いをする必要はない、リオラにはそう聞こえた。
「ですが、聖女様にあらせられます」
「結界を守る役割はもう必要なくなる。君の御父上のお陰だ。俺もめんどうくさい婚約者から解放され、君のような可憐な乙女を新たな婚約者に迎えられる。最高の日だ」
「殿下」
ティアナは小鹿のように大きな瞳をうるうると震わせた。
いまさっき、目の前で自分の婚約者を保身のために切って捨てた男と知りながら、よくそんな態度を取れるものね、と自分事ながらリオラは呆れた。
どうしようか。この不貞男を殴り倒してやろうか。
攻撃魔法で雷撃を加えてもいいし、水魔法で窒息させたところで、リオラの仕える女神フィンテーヌ様から文句は出ないはずだ。すこしだけ控えなさいとおしかりを受けるかもしれないが、それは事後。
すでに死んだ人間が、蘇生して文句を訴えるなんてきいたこともない。リオラは一瞬、目を閉じた。
数日前まで、戦場で魔獣を狩っていた光景が、瞼の裏にありありと浮かぶ。
「よしっ!」
「よしっ、じゃないわよ。何するつもりなの、貴方は」
アイズに向けて一歩を歩みだす。今日は裏切り者の王子が死んだ日として、後世に残ることだろう。
魔法を使おうとしたら、殺意を抱いていたのがバレたのか、後ろから肩に手がかかり、引き戻された。
「レイラ」
振り返るとそこにいたのは、炎の女神サティナの聖女、レイラだった。
同学年の彼女は真紅の髪をうねらせて、今日も凜前とした雰囲気で、周囲から一際目立った存在だった。
絹の長手袋に緑の羽扇をたずさえている。
「レイラ、じゃないの。貴方、お気づきですか? このような場で魔法なんて――それも、我々しか使えない神威魔法なんて発動させたら――」
「だってあの人でなしに怒りの祝福を‥‥‥」
「馬鹿なの? いい加減にして!」
制止しているにも関わらず、リオラが聖女や勇者、大神官など特定レベル以上の者にしか扱えない神威魔法を使おうとするものだから、レイラは慌てて鼻を軽くはたいた。
絹製の手袋で包まれた手にはわずかな魔力がこもっている。
それはリオラの鼻梁に触れた時、かすかにパチンっと破裂音をさせてはじける。
いわゆる指先で弾かれたのと同じくらいの威力で叩かれて、リオラは思わず鼻白んだ。
「痛いっ」
「当たり前です! 痛いようにしたのだから――落ち着きましたか? まともになりましたか? ならないよなうなら、今度は拳をその頭に――」
ごごごごっ、と一瞬、レイラの背後を炎のオーラが吹きぬける。
リオラはそれを見て、すぐに闘志や怒りといったものをひっこめた。
「うん、大丈夫。何もない。何もしない――はい」
しゅんっと大人しくなったリオラを睥睨しつつ、レイラはさっさと行け、と片手にした扇で、左うしろを示した。
「え、でもあれ」
「生徒会長として、こんな公衆の面前で婚約破棄をするなど、何事か? と生徒会を代表して糾弾しておきます」
ここにいると邪魔だからさっさと消えろ、とレイラは逃げ道を与えてくれたのだ。
炎の聖女であるレイナは、水属性の加護を持つリオラとなにかと仲が悪い。
普段からあれこれと難癖つけては絡んでしまうライバル?に塩を送られることなってしまい、なんとなくリオラはその場から去りがたい。
「ほら、貴方たち。運んで差し上げて。聖女様がお戻りよ」
「え、ちょっ。私の話はまだ終わってない――」
レイナが扇を一振りすると、普段から彼女の取り巻きをしている生徒会メンバーが、リオラの手を取り、背を押して正門へと引き出していく。
「はい、お疲れ様。ちょっとそこのカップル! 殿下、ティアナ嬢! 公衆の面前であのような侮辱的な行為を平然となされるなんて! 生徒を代表してお尋ねしたいことがあります! つきましては生徒会室までご同行‥‥‥」
神殿に戻るための馬車に詰め込まれた時、遠くでレイラが気炎を上げている声が聞こえた気がした。
「はあっ? 王女殿下の肝いりですよ?」
「おまえと妹は仲がよいからな。どうにでも言い繕うことができるだろう。だから、あてにはならん」
「‥‥‥」
王子のあまりの物言いに、リオラは唖然とした。
自分の実妹が信頼を置いている部下たちのことをこうも嘲るようにいうなんて。
王女殿下がかわいそう、と思ってしまった。
「ハンナはクロノアイズ帝国に嫁ぐことが決まった。少女騎士団も引き連れていくそうだ。もう国境を越えている頃だろう。知らなかったのか?」
「そんな大事、どうして知らせてくれなかったのですか! 友人なのですよ! わかの一つも言わせてくれたって」
「決定したのは一月前だ。今回、帝国と盟約を結ぶにあたって決まった約束事の一つだった。それには彼女」
と、アイズは背中の後ろに隠れて顔を出そうともしない、小柄な少女の肩に手を回し、ぐっと抱き寄せる。
臆病な小動物のように、彼女は殿下の胸元あたりから、リオラのほうをちらちらと見ては視線が合うと目をそらした。
「彼女は魔法省長官のエンバス侯爵の長女、ティアナ嬢だ。エンバス興は帝国との良き橋渡し役になってくれた。同盟が結ばれ、結界も不必要になる」
「そうなのね、あなた。仲良さそうだから、てっきり妹のナターシャ様と見間違ってしまったわ」
たぶん、いま自分が浮かべている笑みはとてつもなく冷たいものなのだろうな、と思いながらリオラは手を差し伸べる。
アイズは紳士の作法として、その甲に軽くキスをした。
続いてリオラはティアナにも手を差し伸べる。
聖女は王族と同列の扱いを受けるから、侯爵令嬢であるティアナは臣下の礼を取らねばならない。
「あっ、えっと‥‥‥」
ティアナが隠れ場所からおずおずと出でて、リオラに近寄ろうとすると、それはなぜかアイズによって遮られた。
「君はしなくていい」
「え、でも」
「いいんだ。彼女はもうそうではないのだから」
そうではない、つまり婚約破棄を申し付けたのだから、特別扱いをする必要はない、リオラにはそう聞こえた。
「ですが、聖女様にあらせられます」
「結界を守る役割はもう必要なくなる。君の御父上のお陰だ。俺もめんどうくさい婚約者から解放され、君のような可憐な乙女を新たな婚約者に迎えられる。最高の日だ」
「殿下」
ティアナは小鹿のように大きな瞳をうるうると震わせた。
いまさっき、目の前で自分の婚約者を保身のために切って捨てた男と知りながら、よくそんな態度を取れるものね、と自分事ながらリオラは呆れた。
どうしようか。この不貞男を殴り倒してやろうか。
攻撃魔法で雷撃を加えてもいいし、水魔法で窒息させたところで、リオラの仕える女神フィンテーヌ様から文句は出ないはずだ。すこしだけ控えなさいとおしかりを受けるかもしれないが、それは事後。
すでに死んだ人間が、蘇生して文句を訴えるなんてきいたこともない。リオラは一瞬、目を閉じた。
数日前まで、戦場で魔獣を狩っていた光景が、瞼の裏にありありと浮かぶ。
「よしっ!」
「よしっ、じゃないわよ。何するつもりなの、貴方は」
アイズに向けて一歩を歩みだす。今日は裏切り者の王子が死んだ日として、後世に残ることだろう。
魔法を使おうとしたら、殺意を抱いていたのがバレたのか、後ろから肩に手がかかり、引き戻された。
「レイラ」
振り返るとそこにいたのは、炎の女神サティナの聖女、レイラだった。
同学年の彼女は真紅の髪をうねらせて、今日も凜前とした雰囲気で、周囲から一際目立った存在だった。
絹の長手袋に緑の羽扇をたずさえている。
「レイラ、じゃないの。貴方、お気づきですか? このような場で魔法なんて――それも、我々しか使えない神威魔法なんて発動させたら――」
「だってあの人でなしに怒りの祝福を‥‥‥」
「馬鹿なの? いい加減にして!」
制止しているにも関わらず、リオラが聖女や勇者、大神官など特定レベル以上の者にしか扱えない神威魔法を使おうとするものだから、レイラは慌てて鼻を軽くはたいた。
絹製の手袋で包まれた手にはわずかな魔力がこもっている。
それはリオラの鼻梁に触れた時、かすかにパチンっと破裂音をさせてはじける。
いわゆる指先で弾かれたのと同じくらいの威力で叩かれて、リオラは思わず鼻白んだ。
「痛いっ」
「当たり前です! 痛いようにしたのだから――落ち着きましたか? まともになりましたか? ならないよなうなら、今度は拳をその頭に――」
ごごごごっ、と一瞬、レイラの背後を炎のオーラが吹きぬける。
リオラはそれを見て、すぐに闘志や怒りといったものをひっこめた。
「うん、大丈夫。何もない。何もしない――はい」
しゅんっと大人しくなったリオラを睥睨しつつ、レイラはさっさと行け、と片手にした扇で、左うしろを示した。
「え、でもあれ」
「生徒会長として、こんな公衆の面前で婚約破棄をするなど、何事か? と生徒会を代表して糾弾しておきます」
ここにいると邪魔だからさっさと消えろ、とレイラは逃げ道を与えてくれたのだ。
炎の聖女であるレイナは、水属性の加護を持つリオラとなにかと仲が悪い。
普段からあれこれと難癖つけては絡んでしまうライバル?に塩を送られることなってしまい、なんとなくリオラはその場から去りがたい。
「ほら、貴方たち。運んで差し上げて。聖女様がお戻りよ」
「え、ちょっ。私の話はまだ終わってない――」
レイナが扇を一振りすると、普段から彼女の取り巻きをしている生徒会メンバーが、リオラの手を取り、背を押して正門へと引き出していく。
「はい、お疲れ様。ちょっとそこのカップル! 殿下、ティアナ嬢! 公衆の面前であのような侮辱的な行為を平然となされるなんて! 生徒を代表してお尋ねしたいことがあります! つきましては生徒会室までご同行‥‥‥」
神殿に戻るための馬車に詰め込まれた時、遠くでレイラが気炎を上げている声が聞こえた気がした。
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