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第四章 二人の皇女編
人の身の反撃
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勢いよく視界の隅に消えていく皇女。
ベッドの寝る部分から床下までは、膝丈ていどの高さがある。
猫であれば軽やかにくるんっ、と空中で一回転してすとんっと床上に降りただろう。実際、彼女は猫耳族だし身体能力は高く宙返りしようとした。
しようとして、支点を失った。
サラがぱっ、と膝下に抑え込んでいた尾を解放したからだ。
いきなり力の作用が反転し、皇女は体勢を崩す。ものの見事に、着地に失敗する。
ゴンっと鈍い音が室内にこだまする。それに呼応するかのように、
「みぎゃっ!?」
と情けない悲鳴が床下からのぼって来た。
多分、宙がえりをしようとして、尾を引かれ額から床に激突したものと思われる――。
恐る恐る覗き込んだサラにはそう見えた。
首の骨が折れなかっただろうか?
近習たちの、「ひいっ」やら、「姫様――っ」やら、「ティナ殿下っ!?」やら主人を案ずる声と心からの悲鳴が小さく漏れ出してくる。
生きているかしら?
このままくたばって――いやいや、なんでもない。
邪魔者が懲りてさっさと尻尾をまるめて逃げ帰ってくれたら、一つの問題は解決する。だた、猫だけでなく多くの尾を持つ動物は、それを握られたら牙をむき出しにして攻撃してくる。それは鉄則だし、本能による防御行動だ。
まあ、次に来るのが何かは分かりやすい。
「殿下―?」
サラはわざと間延びした声で問いかけてみる。
まだ目の下にある長く豊かなふさふさとした真紅の尾の先を握り締めると、端から手のうちにくるくると巻き上げてやる。もう片方の手に寝ていたときに羽織っていた毛布を引き寄せ、それを持って左膝をベッドの上に立て、背を伸ばした。
内股があわらになり、婦女子には相応しくない恰好になる。
皇女としてはしだれない格好だが、いまはそんなことに構っている暇はない。
すぐそこに迫る危機があった。
「――――ッ!」
一呼吸。
痛みから覚めたのだろう。
獣が放つ怒気が低くうなりを上げる。
――来るッ。
飛び上がる赤銅色の肢体が真紅の大海を室内に作り出した。広がる豊かな長髪が、陽光を浴びてさらに美しくルビーのように輝いていた。
その向こうからぐるんっと人の足裏に膝、太ももと続き――上半身がその向こうに見えた。一瞬の早業――怒りと誇りを踏みにじられた屈辱に顔を歪めたティナが、レバードのような鋭い牙を剥きだしにしてこちらに飛び掛かって来る。
それはさっき落ちた態勢をそのまま逆転したものだったが、違うものはひとつだけあった。
ティナの心にはゆとりだの侮蔑だのというものはなく、そこにあるのは殺戮にはしろうとする獣のそれだった。
尾を返せ、愚かな人間っ!
多分、そう叫びたいのだろう。爛々と燃えたぎる憎しみが宿る深緑の瞳には、そんな思いが燃えていた。
そんなティナに向かい、サラは両手で毛布をふわっと投げかける。
敵意のないその行動に瞬き数回ほどの疑念が生じるのは、実家の猫とよく似ている。攻撃をしてくるハンターは、その真反対にある特に意味のない行動に、隙を衝かれて動けなくなる。
「はいっ……と」
瞬間、空中で硬直したティナは毛布に覆い被されたままだ。
サラが片手に巻き上げた彼女の大事大事な尾は、まだその手中から解放されていなないまま。
「ぎゃふっ」
皇女にしては、猫にしてはだらしない声をあげて、ティナは再度、激突する。
今度はベッドの上に。
柔らかいそれは先ほどの床から受けた冷たい衝撃とは違い、ダメージは少なかった。
また痛みが来る――そう目を閉じた皇女はほっとする。
警戒心と攻撃が失敗に終わり、あまつさえ反撃を受けたと知ったのは、尾をこれまで以上に巻き上げられて、絶え間ない筆舌しがたい痛みが尾てい骨あたりから、脊髄を伝い、脳裏に痺れをもたらしたからだ。
サラは長いロープを船乗りが巻き上げる要領で、肘を曲げ、右腕の肩から肘にかけてティナの尾を二巻ほど巻き上げたやった。
「いだだっァ!?」
「あら、だらしない……」
女とも思えない凄い腕力――というわけでもなく、全身を使えばティナ程度の重さなら背が低いサラでもこの程度は造作もない。
そういった作業に慣れていれば、たいして手間でもない。
貧乏貴族の娘に生まれたサラは、実家の馬を手入れしたり放牧してる家畜などを引くときにこういうことも習っていた。それがたまたま役立っただけなのだが……。
「はい、おしまい、ですね」
毛布を左端から巻き上げて右へと。
その中に手足をすくめたティナをすくい上げ、絡め取り、まるで優れた猛獣使いのようにサラはアリズンの動きを無効化する。
「なっ、お前――なんだっ」
「はいはい、見えないからそうなりますよね。さてっと」
「ひっ……」
形勢逆転。
それは皇女がパニックに陥っている今だけしか使えない魔法のような物だけど――サラはティナの襟元あたりに巻き付いている毛布をぎゅっと引き寄せ、動脈を圧迫する。
左腕辺りをがっちりと太もも部分で動けなくすると、さて――気道が締まるか。それとも腕を逆方向にねじりあげられて悲鳴を上げるか。
もしかしたら、関節が柔らかい獣人にはまったく通じない攻撃かもしれない。
「皆様、動かないで頂けますよう――さもないと……」
「うやっ!?」
「待っ、まて――早まるな」
「だめ、それは殿下のっ!」
そこいらから制止の声が入る中、抵抗しようとしてティナは金縛りにあったように全身を硬直させた。
ざらりとした硬い感触。
尾の半分ほどの部分に、ゆっくりと上下から差し込まれた生暖かくもその鋭利なモノ。
「動いたら嚙み切りますから。ね、ティナ様?」
「ああああっ――待てっ……」
脅しは効果的で、ティナは全身を震わせて抵抗をやめた。
人間の歯でどこまで噛み切れるかわからないけど、まあ、これも恫喝にはいいかもしれない?
人に武器が無いと思った相手が愚かなのだ。
咥内にべっとりと唾液に浸されたティナの尾の毛先が溜まる中、サラはさてどれくらい噛んだらいいのだろうかと奥歯に力を込めてみた。
脅しだと見透かされない程度には、力強く……。
ベッドの寝る部分から床下までは、膝丈ていどの高さがある。
猫であれば軽やかにくるんっ、と空中で一回転してすとんっと床上に降りただろう。実際、彼女は猫耳族だし身体能力は高く宙返りしようとした。
しようとして、支点を失った。
サラがぱっ、と膝下に抑え込んでいた尾を解放したからだ。
いきなり力の作用が反転し、皇女は体勢を崩す。ものの見事に、着地に失敗する。
ゴンっと鈍い音が室内にこだまする。それに呼応するかのように、
「みぎゃっ!?」
と情けない悲鳴が床下からのぼって来た。
多分、宙がえりをしようとして、尾を引かれ額から床に激突したものと思われる――。
恐る恐る覗き込んだサラにはそう見えた。
首の骨が折れなかっただろうか?
近習たちの、「ひいっ」やら、「姫様――っ」やら、「ティナ殿下っ!?」やら主人を案ずる声と心からの悲鳴が小さく漏れ出してくる。
生きているかしら?
このままくたばって――いやいや、なんでもない。
邪魔者が懲りてさっさと尻尾をまるめて逃げ帰ってくれたら、一つの問題は解決する。だた、猫だけでなく多くの尾を持つ動物は、それを握られたら牙をむき出しにして攻撃してくる。それは鉄則だし、本能による防御行動だ。
まあ、次に来るのが何かは分かりやすい。
「殿下―?」
サラはわざと間延びした声で問いかけてみる。
まだ目の下にある長く豊かなふさふさとした真紅の尾の先を握り締めると、端から手のうちにくるくると巻き上げてやる。もう片方の手に寝ていたときに羽織っていた毛布を引き寄せ、それを持って左膝をベッドの上に立て、背を伸ばした。
内股があわらになり、婦女子には相応しくない恰好になる。
皇女としてはしだれない格好だが、いまはそんなことに構っている暇はない。
すぐそこに迫る危機があった。
「――――ッ!」
一呼吸。
痛みから覚めたのだろう。
獣が放つ怒気が低くうなりを上げる。
――来るッ。
飛び上がる赤銅色の肢体が真紅の大海を室内に作り出した。広がる豊かな長髪が、陽光を浴びてさらに美しくルビーのように輝いていた。
その向こうからぐるんっと人の足裏に膝、太ももと続き――上半身がその向こうに見えた。一瞬の早業――怒りと誇りを踏みにじられた屈辱に顔を歪めたティナが、レバードのような鋭い牙を剥きだしにしてこちらに飛び掛かって来る。
それはさっき落ちた態勢をそのまま逆転したものだったが、違うものはひとつだけあった。
ティナの心にはゆとりだの侮蔑だのというものはなく、そこにあるのは殺戮にはしろうとする獣のそれだった。
尾を返せ、愚かな人間っ!
多分、そう叫びたいのだろう。爛々と燃えたぎる憎しみが宿る深緑の瞳には、そんな思いが燃えていた。
そんなティナに向かい、サラは両手で毛布をふわっと投げかける。
敵意のないその行動に瞬き数回ほどの疑念が生じるのは、実家の猫とよく似ている。攻撃をしてくるハンターは、その真反対にある特に意味のない行動に、隙を衝かれて動けなくなる。
「はいっ……と」
瞬間、空中で硬直したティナは毛布に覆い被されたままだ。
サラが片手に巻き上げた彼女の大事大事な尾は、まだその手中から解放されていなないまま。
「ぎゃふっ」
皇女にしては、猫にしてはだらしない声をあげて、ティナは再度、激突する。
今度はベッドの上に。
柔らかいそれは先ほどの床から受けた冷たい衝撃とは違い、ダメージは少なかった。
また痛みが来る――そう目を閉じた皇女はほっとする。
警戒心と攻撃が失敗に終わり、あまつさえ反撃を受けたと知ったのは、尾をこれまで以上に巻き上げられて、絶え間ない筆舌しがたい痛みが尾てい骨あたりから、脊髄を伝い、脳裏に痺れをもたらしたからだ。
サラは長いロープを船乗りが巻き上げる要領で、肘を曲げ、右腕の肩から肘にかけてティナの尾を二巻ほど巻き上げたやった。
「いだだっァ!?」
「あら、だらしない……」
女とも思えない凄い腕力――というわけでもなく、全身を使えばティナ程度の重さなら背が低いサラでもこの程度は造作もない。
そういった作業に慣れていれば、たいして手間でもない。
貧乏貴族の娘に生まれたサラは、実家の馬を手入れしたり放牧してる家畜などを引くときにこういうことも習っていた。それがたまたま役立っただけなのだが……。
「はい、おしまい、ですね」
毛布を左端から巻き上げて右へと。
その中に手足をすくめたティナをすくい上げ、絡め取り、まるで優れた猛獣使いのようにサラはアリズンの動きを無効化する。
「なっ、お前――なんだっ」
「はいはい、見えないからそうなりますよね。さてっと」
「ひっ……」
形勢逆転。
それは皇女がパニックに陥っている今だけしか使えない魔法のような物だけど――サラはティナの襟元あたりに巻き付いている毛布をぎゅっと引き寄せ、動脈を圧迫する。
左腕辺りをがっちりと太もも部分で動けなくすると、さて――気道が締まるか。それとも腕を逆方向にねじりあげられて悲鳴を上げるか。
もしかしたら、関節が柔らかい獣人にはまったく通じない攻撃かもしれない。
「皆様、動かないで頂けますよう――さもないと……」
「うやっ!?」
「待っ、まて――早まるな」
「だめ、それは殿下のっ!」
そこいらから制止の声が入る中、抵抗しようとしてティナは金縛りにあったように全身を硬直させた。
ざらりとした硬い感触。
尾の半分ほどの部分に、ゆっくりと上下から差し込まれた生暖かくもその鋭利なモノ。
「動いたら嚙み切りますから。ね、ティナ様?」
「ああああっ――待てっ……」
脅しは効果的で、ティナは全身を震わせて抵抗をやめた。
人間の歯でどこまで噛み切れるかわからないけど、まあ、これも恫喝にはいいかもしれない?
人に武器が無いと思った相手が愚かなのだ。
咥内にべっとりと唾液に浸されたティナの尾の毛先が溜まる中、サラはさてどれくらい噛んだらいいのだろうかと奥歯に力を込めてみた。
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