○○系男子

ツンデレ系男子

髪よしメイクよし服装よし！

今日こそはアイツに可愛いって言わせてやる！



そう意気込んで待ち合わせ場所に向かうと、既に待っていたらしい様子で「やっと来た。」とため息をついてるのが離れた場所からでも見て取れた。


「待たせてゴメン」


駆け足で近付きそう言うと


「別にいーけど。」


と、冷たく言い放つ。
まぁ、いつもの事だから、言い方1つで傷付いたりはしないけど。慣れって怖いなー、なんて。


「それはそうと！今日はどう!?結構可愛いんじゃない？」


あんなに確認したし、今回は自信あるぞ！


「別に。普通じゃね。」


今回もダメだったかぁ…。
もぅ可愛いって言わせるのは諦めようかなぁ。

いつもと変わらない評価で少し肩が下がる。
小さくため息なんてついてしまう始末で、それでもデートはデート！と楽しもうと気持ちを切り替える。


「……い、いつもよりは…かわ、い……マシだと思う！」


その様子を知ってか知らずか、亮平りょうへいがポツリと言った。


え、可愛いって言った？
嘘。信じられない。


「可愛いって思ってくれたんだ？」


ニヤつきが抑えられず、多分気持ち悪い顔で、そっぽ向く亮平の顔を覗き込んだ。

あ、少し顔が赤い。
照れてるんだ。素直じゃないなぁ。

そう思ってクスッと笑った。


「何笑ってんだよ。可愛いなんて言ってねぇから！マシだって言ったんだ！」

「ムキになっちゃってー。はいはい、マシに見えるくらいには可愛い、と！」

「だから言ってねぇ」


全く…。素直じゃない彼氏は、大変だなぁ。
でも、こういうたまーに見せてくれる照れ顔は、貴重だからこそ、私にとっては最高の愛情表現に感じるんだ。