王子は婚約破棄を泣いて詫びる

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新たな旅路 その4

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   キャシーの行方がなかなか掴めなかった。エドワードの勘はあまり当たらなかった。

「すっかり迷子になってしまった」

   私は迷子になることを恐れた。迷子になるのは人生だけで充分である。思考停止して死人になっている今迷子になってしまったら、私はいよいよ帰れなくなる。

「王様。もう少しだけご辛抱下さい。私が必ず手がかりを見つけますから」

   動物たちが行き交うだけで人の気配がない。近くに村人はいないのだろうか?

「猟に来るものならば入るかもしれません。この森の猪肉はうまいと評判なんですよ」

   うまい。そうだ、それは生きているからわかることだ。

「村人が来ればいいがな……」

   夜になっていた。遠い空の星が偶然にも私たちを照らしていた。彼らに尋ねれば、あるいはキャシーの居場所がわかるのだろう。しかしながら、彼らはお構いなしに消えていく。そう、まるで私のように。

「少し休憩しましょうか」

「こんな山奥で大丈夫か」

「王様の命は私が保証いたします」

   いつも頼もしいエドワードの額は汗でジメッとしていた。

「私は祈ることぐらいしかできないが、旅はなんとかなると信じている」

   私は静かに空を見つめた。
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