7 / 7
その7
しおりを挟む
私はとりあえず、取り留めもないような質問をトールにぶつけてみようと思いました。本当に、特に意味はなかったわけでございますが……そうでもしないと、私の腹の虫がおさまらないと言いますか、決して、ただ子供のように駄々をこねたいからそうしているわけではございませんで、これも正当な方法であると、そう心得て、私は全てのことをしているわけでございますから、そのあたりにつきましては、勘違いしないでいただきたいと思います。
「トール……どうして、私がこんなことになったのか……あなたには分かるかしら????????」
私がこう質問しますと、トールは非常に苦悶したようでございました。そんな質問が飛んでくること自体を、あまり予想していないと言いますか……これは私たち2人にとっては、非常に大きな問題でございます。ある種の主従関係を支える根幹のようなものでございますから、こういったものを蔑ろにしてはいけないわけでございます。それにしても……トールはどうして、明確に答えようとはしないのでしょうか???????????私がもう一度質問するのを待っているのでございましょうか?????????そうだとしたら……やはり、これ以上、主従関係を続けるのは難しいと判断するしかないわけでございましょう???????????????そうでなくても、この私はもうじきはち切れてしまいそうだと言いますのに……もしも、そのことについて、トールが何も感じないと言いましたらば、それ以上浅はかなメイドというものはいないわけでございますから……。潔く、この場で切り捨てるしか方法はないでしょう???????????????????私の言っていることに間違いがあると思いますか????このように殺伐とした空気の中では、こう短絡的に物事を考えても仕方のないことなのだと、私は結論づけます。それしか、私には道が残されていないわけでございますから…………。
「それは……恐れながら…………」
暫くして、トールはやっと、その重い口を開くことになるわけでございました。ここまでは非常に長かった……いいえ、それは全て私の戯言ということにして、全て水に流すことにいたしましょう。問題はこれからどうするか、ということなのです。仲間内で喧嘩をしても、それは全く意味のないことなのでございますから。トールが何を知り、そして、どのように考えているのか、私はこの点につきまして、非常に興味がありました。逆に言いますと、それ以外のことにつきましては、特に何も考えておりませんで……はっきりと申し上げますと、それは、どうでもいい事柄でございました……。そんな、私の気持ちに答えてくれたトールに、まずは称賛したいと思いました。こんな私のために…………ありがとう、トール!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
トールはやっぱり把握しているようでございました。その素振りから、私は全てを悟りました。
「ねえ、トール。もう隠さなくてもいいのよ???????????だって、私も全て知っているのですから」
「奥様……それは本当でございますか??????????」
トールは、私が旦那様の浮気を知っていることを、驚いていました。
「ええ、古い友達に頼んでね、色々調べてもらったの……そしたらさ、全部わかっちゃったんだ……」
私がこう言いますと、トールは、
「なるほど……そうでございましたか…………」
と言いました。
「それで……相談なんだけど……私はこれからどうすればいいと思う????????????あなたの考えを聞かせて欲しいのよ…………」
私は素直に、トールに頼んでみました。すると、トールはしばらく頭を抱えて…………。
「恐れながら、奥様。この度は婚約破棄を宣告されるのがよろしいかと思いますが……」
トールの口から出たのは、婚約破棄でした。
「トール……私もそれについては考えたのだけど……いや、私の名誉を回復するには、それしか方法がないということなのよね?????????」
私がこう言いますと、トールは、こくりと頷きました。
「ええ、分かっています。私も…………ですがね、婚約破棄を宣言したところで……旦那様は受け入れてくださいますでしょうかしら?????????????」
ここが一番の問題でした。旦那様に罪があることは、火を見るより明らかでございますが、その証拠を捏造だとか、言い出すのではないかと思いまして、それはそれは、非常に不安でございました…………。
「恐れながら、奥様。お友達から何を頂いたのかは分かりませんが……こちらの方にも様々な証拠は届いているわけでございまして…………」
トールはそう言いました。
「あら、そうなの?????????????あなたも、それじゃ、随分と前から気が付いていたのね????????????」
私がこう質問しますと、またもや、トールはこくりと頷きました。
「なるほど……。それだけ証拠があれば……婚約破棄は可能かもしれないわね…………」
私はそう思いました。しかしながら、実際には非常に難しい話でございました。仮に、婚約破棄を実行したところで、私の立ち位置はよくなることなんて、恐らくありません。かえって、この世界の居心地が悪くなるとでも言ったらよいのでございましょうか。ともかく、旦那様を敵に回すと、令嬢は大変な運命になるわけでございます…………。
「トール……どうして、私がこんなことになったのか……あなたには分かるかしら????????」
私がこう質問しますと、トールは非常に苦悶したようでございました。そんな質問が飛んでくること自体を、あまり予想していないと言いますか……これは私たち2人にとっては、非常に大きな問題でございます。ある種の主従関係を支える根幹のようなものでございますから、こういったものを蔑ろにしてはいけないわけでございます。それにしても……トールはどうして、明確に答えようとはしないのでしょうか???????????私がもう一度質問するのを待っているのでございましょうか?????????そうだとしたら……やはり、これ以上、主従関係を続けるのは難しいと判断するしかないわけでございましょう???????????????そうでなくても、この私はもうじきはち切れてしまいそうだと言いますのに……もしも、そのことについて、トールが何も感じないと言いましたらば、それ以上浅はかなメイドというものはいないわけでございますから……。潔く、この場で切り捨てるしか方法はないでしょう???????????????????私の言っていることに間違いがあると思いますか????このように殺伐とした空気の中では、こう短絡的に物事を考えても仕方のないことなのだと、私は結論づけます。それしか、私には道が残されていないわけでございますから…………。
「それは……恐れながら…………」
暫くして、トールはやっと、その重い口を開くことになるわけでございました。ここまでは非常に長かった……いいえ、それは全て私の戯言ということにして、全て水に流すことにいたしましょう。問題はこれからどうするか、ということなのです。仲間内で喧嘩をしても、それは全く意味のないことなのでございますから。トールが何を知り、そして、どのように考えているのか、私はこの点につきまして、非常に興味がありました。逆に言いますと、それ以外のことにつきましては、特に何も考えておりませんで……はっきりと申し上げますと、それは、どうでもいい事柄でございました……。そんな、私の気持ちに答えてくれたトールに、まずは称賛したいと思いました。こんな私のために…………ありがとう、トール!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
トールはやっぱり把握しているようでございました。その素振りから、私は全てを悟りました。
「ねえ、トール。もう隠さなくてもいいのよ???????????だって、私も全て知っているのですから」
「奥様……それは本当でございますか??????????」
トールは、私が旦那様の浮気を知っていることを、驚いていました。
「ええ、古い友達に頼んでね、色々調べてもらったの……そしたらさ、全部わかっちゃったんだ……」
私がこう言いますと、トールは、
「なるほど……そうでございましたか…………」
と言いました。
「それで……相談なんだけど……私はこれからどうすればいいと思う????????????あなたの考えを聞かせて欲しいのよ…………」
私は素直に、トールに頼んでみました。すると、トールはしばらく頭を抱えて…………。
「恐れながら、奥様。この度は婚約破棄を宣告されるのがよろしいかと思いますが……」
トールの口から出たのは、婚約破棄でした。
「トール……私もそれについては考えたのだけど……いや、私の名誉を回復するには、それしか方法がないということなのよね?????????」
私がこう言いますと、トールは、こくりと頷きました。
「ええ、分かっています。私も…………ですがね、婚約破棄を宣言したところで……旦那様は受け入れてくださいますでしょうかしら?????????????」
ここが一番の問題でした。旦那様に罪があることは、火を見るより明らかでございますが、その証拠を捏造だとか、言い出すのではないかと思いまして、それはそれは、非常に不安でございました…………。
「恐れながら、奥様。お友達から何を頂いたのかは分かりませんが……こちらの方にも様々な証拠は届いているわけでございまして…………」
トールはそう言いました。
「あら、そうなの?????????????あなたも、それじゃ、随分と前から気が付いていたのね????????????」
私がこう質問しますと、またもや、トールはこくりと頷きました。
「なるほど……。それだけ証拠があれば……婚約破棄は可能かもしれないわね…………」
私はそう思いました。しかしながら、実際には非常に難しい話でございました。仮に、婚約破棄を実行したところで、私の立ち位置はよくなることなんて、恐らくありません。かえって、この世界の居心地が悪くなるとでも言ったらよいのでございましょうか。ともかく、旦那様を敵に回すと、令嬢は大変な運命になるわけでございます…………。
0
お気に入りに追加
48
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
出来の悪い令嬢が婚約破棄を申し出たら、なぜか溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
学術もダメ、ダンスも下手、何の取り柄もないリリィは、婚約相手の公爵子息のレオンに婚約破棄を申し出ることを決意する。
きっかけは、パーティーでの失態。
リリィはレオンの幼馴染みであり、幼い頃から好意を抱いていたためにこの婚約は嬉しかったが、こんな自分ではレオンにもっと恥をかかせてしまうと思ったからだ。
表だって婚約を発表する前に破棄を申し出た方がいいだろう。
リリィは勇気を出して婚約破棄を申し出たが、なぜかレオンに溺愛されてしまい!?
攻略対象の王子様は放置されました
白生荼汰
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる