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その2
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私の旦那様は貴族議員というものをやっておりまして、それはそれは、非常に高名なのです。というのも、旦那様は、王家一族の遠い親戚にあたる血筋でございますから、私にしてみると、これほどハイスペックな旦那様と婚約できたことは、非常に喜ばしいことだったわけでございます。
さて、貴族委員は、お城の中の議会で仕事をするわけでございますけれども、その議会の横には、この世界の全ての著作が納められている王立図書館というものがございまして、そこで、貴族議員の皆様は勉強などをするわけでございます。さて、その王立図書館には、私の王立学院時代からの知り合いで、管理人をしているマリーという令嬢がいるわけでございまして、私はマリーと会う、という名目で、随分と久しぶりに登城することにしました。
まあ、私くらいの身分になりますと、特に問題はないわけでございますが、それでも、一応は緊張するわけでございます。そんな緊張を適度にコントロールしながら、マリーのいる王立図書館に向かいました。
入館すると、すぐさま本の整理をしているマリーを見つけることができたので、私はすぐさま声をかけました。
「マリー……久しぶりね????????」
「あれま、随分と珍しいお客さんがいるものね。去年の同窓会以来かしら??????元気にしてた?????アンナ???????」
「ええ、おかげさまで。あなたも元気そうね……」
挨拶を適当に済ませて、私は本題に入ることにしました。
「実はね……あんまり大きな声では言えないんだけど……どうやら、私の旦那様がね、不倫しているかもしれないのよ…………」
私は小さな声で話したのですが、そのとたんに、マリーは、
「なんですって!!!!!!!!!!!!!」
と大声をあげて驚きました。
「静かに!!!!!!!!!!!!!他のお客さんに迷惑でしょ!!!!!!!!!!!!!」
「アンナ…………それは私のセリフ……………………」
「まあ、それは置いておいて……。ねえ、ここは議会の横じゃない。だからさ、私の旦那様の様子とか、たまには見えるんでしょ???????????最近、変わった感じとかないかしら?????????」
図書館の管理室と議会は真横で、互いに仕切りがないものですから、管理室の住人は、常に議会の様子を見ることができました。最も、普通に傍聴することも出来るわけでございますが……。
「あのね……私はあなたが思っているほど暇じゃないの。この図書館に何冊の本が所蔵されているか知ってる????????60000000冊よ!!!!!!!!!もちろん、私一人の力では手に負えないし、何よりも、本の整理はものすごく大変なのよ。分かるでしょう??????だからね、呑気に議会の様子なんか見てる場合じゃないのよ!!!!!!!!」
マリーはそう言いました。なるほど、確かにその通りだと思いました。
「でもさ、昼くらいは休憩するでしょ。その時さ、議会の様子が見えるんじゃない??????????」
私はなんとかして聞き出そうとしましたが、マリーは、
「だからさ、仮にそうだとしても、あんな下らない会議なんて見る気しないわよ!!!!!!!!」
と大声で言いました。またもや、図書館の注目の的になってしまったようでした……。
「あら、そうなの。それは仕方なわね……。だったら、一つだけ頼みたいことがあるんだけど……よろしいかしら???????????」
「まあ、大体言わなくても想像はついてるけど……。どうせ、ファンコニー公爵様を偵察しろって言うんでしょ??????いやよ、そんなの。めんどくさいわ!!!!!!!!!!」
「もちろん、お礼はするわよ。何がいい??????やっぱり、お金かしら??????????」
私はそう言って、カバンから、札束を出しました。恐らくですが、マリーの一カ月分くらいの給料にはなる額だと思いました。めんどくさいとは言っても、流石は貴族の血が流れているマリーでありまして、札束を見るなり、目の色を変えたわけでございました。
「どうする??????????????協力してくれたら、毎日これくらいは払ってもいいんだけどな……」
私がこう言いますと、マリーは、
「是非ともやります!!!!!!!!!!!!!!!」
と言いました。これにて、契約は完了しました。つまり、マリーはこれから私の旦那様の行動を逐一観察し、何か重大な出来事が生じた場合は、すぐさま私に連絡をよこす体制を整えたわけでございました……。
続く
さて、貴族委員は、お城の中の議会で仕事をするわけでございますけれども、その議会の横には、この世界の全ての著作が納められている王立図書館というものがございまして、そこで、貴族議員の皆様は勉強などをするわけでございます。さて、その王立図書館には、私の王立学院時代からの知り合いで、管理人をしているマリーという令嬢がいるわけでございまして、私はマリーと会う、という名目で、随分と久しぶりに登城することにしました。
まあ、私くらいの身分になりますと、特に問題はないわけでございますが、それでも、一応は緊張するわけでございます。そんな緊張を適度にコントロールしながら、マリーのいる王立図書館に向かいました。
入館すると、すぐさま本の整理をしているマリーを見つけることができたので、私はすぐさま声をかけました。
「マリー……久しぶりね????????」
「あれま、随分と珍しいお客さんがいるものね。去年の同窓会以来かしら??????元気にしてた?????アンナ???????」
「ええ、おかげさまで。あなたも元気そうね……」
挨拶を適当に済ませて、私は本題に入ることにしました。
「実はね……あんまり大きな声では言えないんだけど……どうやら、私の旦那様がね、不倫しているかもしれないのよ…………」
私は小さな声で話したのですが、そのとたんに、マリーは、
「なんですって!!!!!!!!!!!!!」
と大声をあげて驚きました。
「静かに!!!!!!!!!!!!!他のお客さんに迷惑でしょ!!!!!!!!!!!!!」
「アンナ…………それは私のセリフ……………………」
「まあ、それは置いておいて……。ねえ、ここは議会の横じゃない。だからさ、私の旦那様の様子とか、たまには見えるんでしょ???????????最近、変わった感じとかないかしら?????????」
図書館の管理室と議会は真横で、互いに仕切りがないものですから、管理室の住人は、常に議会の様子を見ることができました。最も、普通に傍聴することも出来るわけでございますが……。
「あのね……私はあなたが思っているほど暇じゃないの。この図書館に何冊の本が所蔵されているか知ってる????????60000000冊よ!!!!!!!!!もちろん、私一人の力では手に負えないし、何よりも、本の整理はものすごく大変なのよ。分かるでしょう??????だからね、呑気に議会の様子なんか見てる場合じゃないのよ!!!!!!!!」
マリーはそう言いました。なるほど、確かにその通りだと思いました。
「でもさ、昼くらいは休憩するでしょ。その時さ、議会の様子が見えるんじゃない??????????」
私はなんとかして聞き出そうとしましたが、マリーは、
「だからさ、仮にそうだとしても、あんな下らない会議なんて見る気しないわよ!!!!!!!!」
と大声で言いました。またもや、図書館の注目の的になってしまったようでした……。
「あら、そうなの。それは仕方なわね……。だったら、一つだけ頼みたいことがあるんだけど……よろしいかしら???????????」
「まあ、大体言わなくても想像はついてるけど……。どうせ、ファンコニー公爵様を偵察しろって言うんでしょ??????いやよ、そんなの。めんどくさいわ!!!!!!!!!!」
「もちろん、お礼はするわよ。何がいい??????やっぱり、お金かしら??????????」
私はそう言って、カバンから、札束を出しました。恐らくですが、マリーの一カ月分くらいの給料にはなる額だと思いました。めんどくさいとは言っても、流石は貴族の血が流れているマリーでありまして、札束を見るなり、目の色を変えたわけでございました。
「どうする??????????????協力してくれたら、毎日これくらいは払ってもいいんだけどな……」
私がこう言いますと、マリーは、
「是非ともやります!!!!!!!!!!!!!!!」
と言いました。これにて、契約は完了しました。つまり、マリーはこれから私の旦那様の行動を逐一観察し、何か重大な出来事が生じた場合は、すぐさま私に連絡をよこす体制を整えたわけでございました……。
続く
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