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その2

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全てがめんどくさい……率直な感想だった。私が何を唄っても、人の心に届くわけないのだ。

だが、そんな私の元へ、一人の青年がやって来た。

「とても素晴らしい歌でした。ありがとうございました」

と、私に礼を言ってきたのだ。

「ああ、こちらこそ、どうもありがとうございます」

と、私は答えた。

青年は、私が思うに複雑な悩みを抱えているようだった。それは恐らく……私と同じ類の話だと思った。絶賛失恋中とでも言えばいいのだろうか。別に茶化すつもりはない。ある種の現実なのだ。厳しいかもしれないが、決して目を背けることはできないのだ。

だから……私は青年に詰め寄って、

「今夜は暇かしら???」

と質問してみた。すると、青年は、

「まあ、暇ですね」

と呆気なく答えてしまった。こうなったら、私が青年を寝取ってしまえばいいのではよくないか???

そう思ったのだ。

でも、私は神様とやらに背く気がした。

今さら、そんな心配が何になると言うのだろうか???そんなことを心配しても、もはや何も意味がないのだ。


今夜はエンジョイ……そんなハイカラな気分を背負って、私は夜を迎えることになった。



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