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その2

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クロイツ様は、わざわざ、多くの人々が集まることになるパーティー会場で、今回の婚約破棄を宣告することになりました。私は……お陰様で大部恥ずかしくなってしまったのです。それはそうでしょう。

「さあ、マリア。私の意志は固いのだが……君にも何か言い分はあるかね????」

クロイツ様は一応、私に意見があるのか、確認を取ることにしました。まあ、私が何を言おうと、当然聞いてくれるはずはないのですが……とりあえず、何か言ってみることにしました。

「申し上げますが……私はそのいじめにつきまして、全く身に覚えがないわけでございます。つまり……妹のカレン様が勝手に話を作っているのではないかと……まあ、この様に思うわけでございますが……」

カレン様はニコニコ微笑んでおられますが、私を見る時は、まるで鬼の形相でございました。そして、お兄様である第一王子クロイツ様を見る時は、器用に表情を変えまして、今度はものすごく悲しそうな顔をするのでございました。

「なあ、マリア。カレンのこの表情を見ても、君は自分には何も罪がないと言い張るつもりなのか????ああ、ここまでくると、もはや呆れてしまって、何も言えなくなるなあ……」

そもそも、呆れる原因を作っているのは、お二人なのですから、私は何も言うことはできないのです。ですが……話が進むにつれて、ややこしくなっていくのでございました。
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