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旅立ち
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ディーノが大きくなって、学校に入るようになりました。貴族社会の学校は、おおよそ6歳から始まり、それから10年間寄宿舎生活を送るのが普通です。ディーノの場合も同じでした。そのくらいの子供ですと、普通は親との別れを悲しむものですが、ディーノの場合は、特に何も感じなかったみたいです。
父親であるアントニー様に対しては、少しは悲しみを感じたのかもしれません。しかしながら、アントニー様もほとんどディーノの面倒なんて見ませんでしたから、結局のところ、ディーノが親と認識する人間はおそらくいなかったのでしょう。
ディーノが学校に入学する前日のこと、私とアントニー様、そして、その他王家の方々が出席して、ディーノの新しい門出を祝いました。
「ありがとうございます」
ディーノは機械のようにお辞儀を繰り返しました。その目に希望も温かさも、ほとんど残っていませんでした。
「ただ新しい皇帝になることを望んでいるだけ……大人たちは僕に責任を押し付けるだけだ……」
私がディーノと同じように育ったら、恐らくこう感じたはずです。子供は大人よりもある意味、世界を分かっていますから。
父親であるアントニー様に対しては、少しは悲しみを感じたのかもしれません。しかしながら、アントニー様もほとんどディーノの面倒なんて見ませんでしたから、結局のところ、ディーノが親と認識する人間はおそらくいなかったのでしょう。
ディーノが学校に入学する前日のこと、私とアントニー様、そして、その他王家の方々が出席して、ディーノの新しい門出を祝いました。
「ありがとうございます」
ディーノは機械のようにお辞儀を繰り返しました。その目に希望も温かさも、ほとんど残っていませんでした。
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