マッチ売りと坊や

tartan321

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お友達

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 お母さんと坊やはお友達を探しました。でも、いくら見回してもお友達はどこにもいません。

 そういうときは……。

「お母さん!」

「はいっ!今日は少ないけれど!」

 お母さんは残りのマッチを束にしました。ペンキのはがれた小さなビルのかべにこすりつけると、すぐに大きくて温かいともしびが生まれました。

「こんにちは!ファイヤー!」

 ファイヤーは坊やのお友達の一人でした。

「クリスマスイブに会えてよかったわね」

 お母さんはファイヤーを消さないように、周りの草花を集めました。マッチの灯がどんどんどんどん大きくなりました。

「おおっ!今日はいつもより元気だね!」

「坊やに会うのを待っていたのね」

 坊やとお母さんは、ファイヤーがいなくなるまでお話を続けました。気がつくと夜になっていました。自分たちの声と、ファイヤーがパチパチと燃える音しか聞こえませんでした。

「すてきなクリスマスを。もうおそいからお休み」

 ファイヤーは最後にそう言い残して空に消えていきました。

「ありがとう!お休み!いいクリスマスを!」

 坊やは言いました。








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