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その20

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「それは、精霊さんたちのたむろする世界でした……」

そこに幸せがあるのでしょうか?あるいは、本当に私は恋をしたのでしょうか?

「人間なんて、全部駆逐したって足りないくらいだよ……」

「そうだな……それだと、やっぱり、駆逐するしかないのかな?」

「僕はそう思うよ。ポートさんはどう思う?」

精霊さんたちと、ポートさん(?)のやり取りを、私は見守っていました。

それにしても、さきほどからポートさんの声が聞こえるのですが、その姿は見当たりませんでした。いや、随分と物騒な話をしていますね。ポートさんが人間嫌いだということは、先ほど知りました。でも、だからと言って、人間を全て排除するという話は、また別物なのではないかと思いました。

「まあ、お前たちの力を全て結集すれば、それは可能になるわけだよな……」

「当たり前じゃない!!!僕たちは強いんだから!!!」

「そうだよな……そうやって、胸を張って、自分は強いって言える奴は、本当にすごいと思うよ……」

「ポートさんだって、すごい力を持っているじゃない???」

「私が???どんな力だ???」

「あれ、ひょっとして、気付いてないの???ほら、連れてきたお嬢さんのことだよ!!!」

「お嬢さん……アマネのことか???」

「そうだよ、アマネさん。あの人はね、きっと、ポートさんに恋をするんだよ!!!」

「お前、バカか???私を好きになる人間なんて、この世界に存在しないだろうが……」

「そんなことはないんだよ!!!僕たちは分かる。だてに1000年も生き続けたわけじゃないんだ。僕たちは人間の歴史を知っている。そして、魔法使いがどのようにして新しい世界を作り上げていくのかを!!!」

「ほお、そうなのか……」

新しい世界を作る……ああ、新しい夢物語としては非常に面白い話でした。
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