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手紙

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「まさか……お母様?手紙、読んでしまったのですか?」

「ええ、読んでしまいました!」

どうして……私は全身が真っ青になってしまって、その場に立つことも出来なくなっておりました。

「それで……内容は?」

確認するまでもありません。その内容はもちろん……。

「ええ、この度、アーサー公爵様は、娘のマリアに対して、婚約破棄を宣告したのです!!!」

ああ、とうとう言ってしまいました。お父様の前で、言ってしまいました。

まさか……こんなことになるとは……。

「婚約破棄?アーサー公爵が……そう言っているのか???」

お父様は、お母様に確認しました。

「ええ、その通りでございます!」

それにしても……お母様は何故だか楽しそうでございました。

「フーン……そうなのか……婚約破棄……なるほど?」

あれ……お父様の反応が少しおかしいと思いました。

「まあ……仕方ないかな???」

仕方ないですって???ええ、どういうことですか?

「お父様?驚いていらっしゃらないのですか?」

「うーん……なんとなく、想像はついていたからねえ。それにしても……そうか、このタイミングでこんな知らせがやって来るとはなあ……」

驚いているのか、それとも、単純に呆れているのか……どっちだかわかりませんでした。とにかく、お父様、そして、お母様は、私が想像しているほどには驚いていないようでした……。
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