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相手は?

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「それで……相手は誰なのですか?」

私は早く知りたくて、うずうずしておりました。でも、アーサー公爵は中々言いだそうとはしませんでした。まあ、当たり前のことでしょうけど。

アーサー公爵が有望株と言われているのは、この世界で最も利口であり、また、その家柄を考えますと、王家に次ぐ地位をほぼほぼ確約されていることにあります。そして……恥ずかしながら、我が家もそこそこの名門でございまして、お父様が上手い具合に画策なさいまして、確か10年前のことでありましたか、我が家とアーサー公爵家との婚約が秘密裏に成立致しましたのは。

ですが、実際のところ、公式に発表することはできませんでした。タイミングとしては、両人が成人を迎えた頃……つまり、私としましては、あと1週間くらいしますと、ようやく晴れて、アーサー公爵の婚約者として、デカい顔……いいえ、お淑やかなレディーになることができると言いますのに……どうして、このタイミングなのでございましょうか?

「ああ、そこまでしつこいんだったら……教えてやるよ!伯爵令嬢のアンネだ!!!」

アンネ……正直驚きました。まさか……私の古い友人であるアンネの名前が出てくるとは……夢にも思っておりませんでした。

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