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再び目を覚ますと?

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これで本当に死んだ……と思った。マルサスの聖剣は、王家に代々伝わる最強の武器で、どんなものでも破壊する……剣一本を振りかざすだけでなんたる恐ろしさ!

いくら、魔法使いが味方にいたってさすがに……とは思ったのだが、なんだ?ツンツンツンツンと、木の棒で突かれている……くすぐったい!

「本当に……生きているのか?」

マルサスは驚きを隠せなかった。ツンツンツンツン……やめろ!

「痛いんだよっ!」

私は少し怒りを込めて叫んだ。

「おおっ!素晴らしいじゃないか!」

マルサスは感動した。そして、回れ右した。

「皆の者!よく聞け!」

マルサスは全軍に聞こえるように叫んだ。

「私は永久の勝利を確信したぞ!こちらにいらっしゃる聖者を、私は一生崇め奉るだろう!」

すると、私は聖者なのか?随分と都合のいい人だな……この前まで私を殺そうとしていたのに、それで実際に殺しておいて、今度は聖者認定とか……本当に都合のいい男。

でも、優遇してくれるなら、悪い話ではない。皆、私の前にひれ伏すんでしょう?私、死なないから。怖いよね?マルサス、あなたも……?

「ユフィーよ!」

はいはい、ご用件は何でしょうか?

「この聖剣を……地下にしまってきてくれ」

はあっ?いきなり雑用ですか?

「マルサス……なにを言っているのかさっぱり分かりませんが……」

「なに?分からないだって?そんなことはないだろう!」

マルサスは急に怒り出しました。

「君は私の臣下であることを忘れるな!この世界に生きる以上、人も神もみな、私の臣下なのだ!」

……そんな勇ましいことを言うものだから、軍人たちも血気盛んに、

「えいえい、おおっー!」

なんて叫んでるよ。ああっ、これなら死んだ方がましじゃないの……?もう生きたくないよ……。


とそのとき。

「マルサス様!」

軍人の群れをかき分けて、金色の冠を誇らしげに輝かせている将軍格の男が慌ててやってきました。

「どうしたんだ?」

「敵の襲来です!」

「敵……だと?」

「はいっ!」

へえっ、マルサスに挑んでくる兵がいるんだ……なんて、感心していたのもつかの間。私は次の会話で敵の正体を知ることになった。

「兵の数はいかほどだ?」

「それが……驚くことに一人なのです……」

「一人だって!?」

「はいっ……しかしながら、我が軍は壊滅的な影響を受けております……」

「どういうことだ?」

「攻撃が全く聞かないのです……剣も矢も砲弾も……全て効果が無いのです……。相手の攻撃は目を見張るほど恐ろしいもので……言葉に出来ません……なんでも、お姉様とかいう人を探しているようでして……見つかるまで殺し続けるそうです……」

あっ、そういうことか。しかし……なんて強さだ……。私は生き返った自分が少し怖くなった。
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