転生してきた最高位モブ令嬢が離婚された王子からものすごく好かれる理由

パーティー 準備編

さてさて、いよいよパーティー当日を迎えた。侍従たちに衣装をチョイスしてもらうことになったのだが、これまたすごい。さすがは、最高位令嬢である。ちょっとした高級衣装屋一軒分くらいのドレスが備蓄されていた。

「私、この赤のドレスがいいわ！」

赤のドレスなんて派手すぎるから、前の私には似合わなかったが、この美貌とプロポーションならば、何も問題なかった。しかしながら、侍女たちがみな口を揃えて、

「それはいけません」

と言った。

「どうしてよ？」

当然、私は理由を尋ねた。

「それではお嬢様があまりにも目立ってしまいます。パーティーの主役でもない、単なるモブ令嬢が目立つ衣装ではいけないのです」

モブ令嬢……つまり、私は名もなき参列者の一人ということだろうか？別に出しゃばるつもりはないが、私は……少し特別ではないのか？

「家名は誇り高き最高位公爵でございますが……なにせ38点でございますから……」

私は、テストの内容が無性に知りたくなった。しかしながら、今更質問しても結果は変わらないだろうし、怪しまれるか、ますますバカになったと思われるのが嫌だったのであきらめた。

結局、全然目立たない灰色のドレスを着ていくことになった。