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その28

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一人ぼっちになったら、後は死ぬ場所を探すだけと決めていた。それなのに、なかなか勇気を出せないんだね。お花がきれいだった。この子たちの命ももう少しで終わってしまう……。飛び火がやってくる。私の服もすっかり焼けこけてしまった。

さて……このまま火の中へ駆け込めば、自分の意志とは関係なく、神様が導いてくださる。私はこの世に生まれない方がよかったのかしら?私は結局名ばかりの令嬢で、名ばかりの婚約をして、そして捨てられて。

ああ、空が青いわよ。あの時も……ツァイス様が少しだけ笑った時だって、空は変わらず青かったのよ。

私が小さいころ、あのときは確かに愛されていたのかも。こんな私でも愛してくれた人々に感謝……私のために死んでいった人々に感謝します……。

「エリーナ…………」

そう……いまもどこかで私の名前を呼んでくれる人が……どうしているのかしら?
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