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その9

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「その言い分だと、あなたはこう言いたいわけね?このまま引き下がって、指をくわえていろ、と?」

「私だって、お嬢様のために申し上げているのでございます。このまま裁判なんか開きましたら、エリーナ様の不名誉が、世間に広まってしまいますぞ。そうすると、お嬢様だけでなく、この家自体が崩壊しかねないのです!!」

「グラハム!家のことなんてどうでもいいから、私のことを心配してちょうだいよ!もう一度聞くけれど、あれは事故で、私たちに責任はないの。そうよね?」

「はい、そう思いますとも。しかしながら、ツァイス様は信じていらっしゃいませんが……」

「そんなことはどうでもいいのよ!!!」

エリーナは何度も何度も叫んだ。

「あのバカがああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!」

「とっとと死んじまえ!!!」

「ちくしょうちくしょうちくしょう!!!」


「お嬢様も変わられてしまった……」

嘆くグラハムに、エリーナは言った。

「私は昔からじゃじゃ馬なのよ!!!」

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