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その15

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しかしながら、保守的な獣たちも一定数いて、彼らは私が通りかかると、途端に唾を吐き始めました。

「お前たち人間のせいで、俺たちは隅っこに追いやられたんだ!」

ボスミン氏が、すぐさま力で制圧しようとしました。

「神様に向かって無礼だぞ!」

ボスミン氏の腕力は恐ろしく強く、一方保守的な獣たちはすっかり弱った年寄りだったので、腕や首の骨など、簡単に折れてしまいそうでした。

「いてててて……ボスミンさんよ……俺たちを殺すのは簡単だが、最後はあんたらが死ぬことになるんだぜ……。そのお嬢さんは見たところ、とんでもなく強い魔力を持っているみたいだ……この世界が滅ぶのも時間の問題だろうよ……」

私はこれ以上見ていられませんでした。

「ボスミン氏!止めてください!」

同じ種族で争うのは人間だけでよかったのです。

「私がいま、治してあげますから!」

「ほっといてくれよ!」

年老いた獣の反抗なんて、ちっとも気にしませんでした。ただ、この世界の安寧のために働くのが私の責務だと思っていました。
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