婚約者の隣には義理の妹がいて婚約破棄された令嬢は荒野に送られる

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その11

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「私はこの世界を支配するボスミンと申します。人間世界と隔絶した地に、独自の種の発達を遂げてまいりました。そして……ここにいるのが、私の血を引き継ぐ正統なる後継者です。人間の言葉を借りると……まだ子供ですね。私は恐らくもう長くは生きられないでしょう。ですから、あなた様に守って頂きたいのです……」

ボスミン氏の子供を見ていると……お父さんにベッタリくっついていました。ボスミン氏の深い愛情を感じ取ることができました。私も……あのままマルタイ様と婚約していれば、母親になることができたのでしょうか?

「お父様?この方は?」

「この世界を守ってくださる神様だよ」

ボスミン氏が、私のことを神様と紹介すると、子供は、なんだか楽しそうでした。

「神様なんですか?それはすごいですね。僕たちのことを守ってくれるんですか?ありがとうございます」

小刀が軽く反応していました。命の在処を示す緑色が灯っていました。

「小さいのに、えらいわねえ」

子供を褒めてあげました。これも一種の母性なのでしょうか?自分の子供ではないのに、どうしてだか、愛おしくてたまりませんでした。


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