転生先は意地悪な継母の娘で娼婦、からの王子様溺愛コース

その23

噂どおり、本土から男たちがやってきた。まさか、今更娼館の娘に会いにきた、なんてことはないだろうと思った。

集団の頭と思しき男が、私たちの前にやってきて、

「本日は大変お日柄がよく……」

などと挨拶を始めた。

「あらあっ……！」

母親は懲りずに色気を燃やしてみた。

「よく見たらいい男じゃないの！」

たしかに、私もそう思った。しかしながら、母親ではなく私の方が相手としては適任だった。たぶん。


「私どもはあなた様を救出しに参ったのです」

あなた様というのは、どうやら私のことみたいだった。

「令嬢マリー様。あなたを私どもの仲間に加えたいと思います」

仲間……その意味がわからなかったが、とりあえず母親と一緒に牢屋送りにはならずに済みそうだったので、すごく安心した。やっぱり神様を信じてよかったと思った。