転生先は意地悪な継母の娘で娼婦、からの王子様溺愛コース

その6

母親のイジメは、ずっとずっと続いた。しまいには、これほど愚かなことはないだろう、と思うようなことまで要求するようになっていった。

「マリー……あなたは、私よりも大部美しいわね！」

母親は珍しく、私のことをほめてくれた。いや、一言だけ言わせてもらおう。正直言って、私の今の容姿は、転生前と比較すると、大部素晴らしい。転生前の未来に帰ったら、きっと、何人もの男性を虜にすることができると思った。まあ、それはいいとして、問題は母親だ。彼女はお世辞にも美人とは言えない。私の転生前よりも、ひょっとしたら酷いのではないか、と思うくらいだった。加えて、性格が悪かった。私に対するイジメは言うまでもないが、それ以外でも、つまり、父親に対しても、時々怒っていた。父親はそういうことに鈍感だったので、いくら怒られても、

「すまないねー」

と謝るだけだった。

「ありがとうございます」

私は母親に礼を言った。

「別に褒めているわけじゃないよ。あなたは……娼婦の器があるわね……」

娼婦……それは間違いなく、体を売る女のことだった。母親が私のことを娼婦にしようとしている？

私は、いくらなんでもそんなことはないと思った。そんなことは……。