転生先は意地悪な継母の娘で娼婦、からの王子様溺愛コース

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その5

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実際、家事をやっていると、自分なりに上達したことがよくわかる。料理の味だって、最初の頃と比べれば、格段に良くなっていると感じる。しかしながら、母親は決して私の料理の上手いとは言わない。何かしら、難癖をつけてくる。

「マリー。あなたの料理はどうして、いつもいつもクドイ味付けなのかしら? 私をフォアグラか何かにさせるつもりなのかしら?」

この前は、味付けが薄いと言ったので、少しだけ濃くしただけなのに、これほど愚痴を言われるとは思ってもいなかった。

「申し訳ございません。お母様」

私はただ謝るしかなかった。

「まあ、今日のところはこれで我慢しといてあげるから、明日はもう少しましな料理を作ってね」

こんな感じで毎日毎日乗り切っている。母親がいなくなってから、私はようやく自分の作った料理を口にすることができる。母親の顔を思い出すと、なかなか食が進まないので、このときばかりは忘れるように心がけている。自分で言うのもなんだが、意外とおいしい。だから素直に、

「美味しい」

と、口に出してみる。すると、イライラも少し和らぐ。
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