上 下
39 / 52

その39

しおりを挟む
「おい!!!こいつらは一体何なんだ!!!」

王子様は叫びました。

「あなた様には分からないでしょうが……精霊です。彼らもまた、あなた様に対して怒っております。何故かと言えば……この世界を乱すリスクが非常に高いからです!!!」

そう言って、本当に精霊たちもいつになく険しい表情をしておりました。

「皇帝陛下……この者を処刑しても宜しいのですね???」

ロンメル伯爵は皇帝陛下に確認を取りました。

「仕方ないだろうな……」

皇帝陛下は最後にそう言いました。

「父上!!!なんてことをおっしゃるのですか!!!」

「いまさら、お前の言い訳は聞きたくない。自業自得だ。さあ、ロンメル殿。後は御存分に……」

「かしこまりました……」

ロンメル伯爵は深々と頭を下げました。最初は緊張していたのですが、自分の信念から外れたものはとことん排除するという、彼なりの方法を持って、とうとう、王子様を攻撃し始めました。

「精霊の皆さんに命じます。そこにいらっしゃる男を処分してください……」

ロンメル伯爵自身が手を下すことはなく、依頼を受けた精霊たちが攻撃を始めました。小さいながらも、王子様一人を確実に死に至らしめるのに十分な攻撃だったと記憶しております。

結局、王子様は何も言葉を発することなく、消えてしまいました。

そうです。死んだというよりも、跡形もなく消滅してしまったのです。

精霊たちの力はなんとも恐ろしいと思いました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷たい婚約者が「愛されたい」と言ってから優しい。

狼狼3
恋愛
「愛されたい。」 誰も居ない自室で、そう私は呟いた。

前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。

夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。 陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。 「お父様!助けてください! 私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません! お父様ッ!!!!!」 ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。 ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。 しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…? 娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)

気弱な公爵夫人様、ある日発狂する〜使用人達から虐待された結果邸内を破壊しまくると、何故か公爵に甘やかされる〜

下菊みこと
恋愛
狂犬卿の妻もまた狂犬のようです。 シャルロットは狂犬卿と呼ばれるレオと結婚するが、そんな夫には相手にされていない。使用人たちからはそれが理由で舐められて虐待され、しかし自分一人では何もできないため逃げ出すことすら出来ないシャルロット。シャルロットはついに壊れて発狂する。 小説家になろう様でも投稿しています。

異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました

ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】 ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です ※自筆挿絵要注意⭐ 表紙はhake様に頂いたファンアートです (Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco 異世界召喚などというファンタジーな経験しました。 でも、間違いだったようです。 それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。 誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!? あまりのひどい仕打ち! 私はどうしたらいいの……!?

売られていた奴隷は裏切られた元婚約者でした。

狼狼3
恋愛
私は先日婚約者に裏切られた。昔の頃から婚約者だった彼とは、心が通じ合っていると思っていたのに、裏切られた私はもの凄いショックを受けた。 「婚約者様のことでショックをお受けしているのなら、裏切ったりしない奴隷を買ってみては如何ですか?」 執事の一言で、気分転換も兼ねて奴隷が売っている市場に行ってみることに。すると、そこに居たのはーー 「マルクス?」 昔の頃からよく一緒に居た、元婚約者でした。

妹に婚約者を取られてしまいましたが、あまりにも身勝手なのであなたに差し上げます

hikari
恋愛
ハワード王国の第二王子セレドニオと婚約をした聖女リディア。しかし、背が高く、魔法も使える妹のマルティナに婚約者を奪われてしまう。 セレドニオはこれまで許嫁の隣国の王女や幼馴染と婚約を破棄していたが、自分の母方祖母の腰痛を1発で治したリディアに惚れ込む。しかし、妹のマルティナにセレドニオを奪われてしまう。 その後、家族会議を得てリディアは家を追い出されてしまう。 そして、隣国ユカタン王国へ。 一部修正しました。

(完結)姉と浮気する王太子様ー1回、私が死んでみせましょう

青空一夏
恋愛
姉と浮気する旦那様、私、ちょっと死んでみます。 これブラックコメディです。 ゆるふわ設定。 最初だけ悲しい→結末はほんわか 画像はPixabayからの フリー画像を使用させていただいています。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

処理中です...