高い女の婚約破棄計画

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その3

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 そんな私の元に朗報が舞い込んだ。

 つまり、妹が隣国の王子と結婚するということである。ちょうどフィニッシュを迎えるところだった。陽気な郵便やがのこのこと入ってきて、ベッドの横の机に置いていった。

「ありがとう……今度いらっしゃいな……あっ、でももう必要ないか……」

 隣国の王子と言えば……順当にいけばそのまま国王になって……噂によると、相当の財産持ちらしいから……。


 勝った


 私はそう思った。完全な勝ち組には今更なれない。それでも、負け組という烙印をリセットして、普通の生活を送ることができる。

 私はすぐさま妹にお祝いの手紙を書いた。こういう時に家族って大事なんだ……捨てるのが簡単だから、拾うのも簡単……おまけに妹はお子様だから何にも分からないし……。

 王子様……妹の相手は大変ですぜ……。

 いや、止めろとは申しません。どうぞ、末永くお幸せに。でもね、相当に扱いづらいと思いますよ……。

「あの……よろしいですか?」

「うるさいなあっ……お前はカス以下か?とっとと失せろや!」

 こんな感じで次のお客さんを追い払ってしまった。リーダーは怒るかと思ったが、案外普通だった。

「というわけでして……お世話になりました……」

 別れ文句をいっちょ前に告げて、館を去りました。目指すは、目と鼻の先にある我が家。そして……新しい人生がスタートします!
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