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その1
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「スーザンは悪名高い令嬢として有名……エックスデイは迫っている……はあ、ゴシップの質も落ちたものだなあ……」
第一王子のフィガロは、自分の妻であるスーザンが、悪役令嬢として有名になっていることを、非常に残念に思った。
「フィガロ様。この際でございますから、離縁という選択肢もあるのではないでしょうか???」
フィガロの側近たちは、王子の権威が危ぶまれることから、離縁という選択肢が妥当ではないかと、判断した。
「そう簡単に言うけどな……証拠がない以上、離縁はできないだろう?」
「ですが、フィガロ様。噂と言うのは、必ず根拠があるものです。私どもが探してまいりますから、どうぞ、遠慮することはございませんぞ???」
「うーん……もう少し考えることにしよう……」
フィガロは、中々すぐに対応できなかった。
一方のスーザンはと言うと……。
「スーザン様。今日の予定はいかがいたしましょうか???」
そうですねえ……とりあえず、フィガロ様に吸い付く虫けらどもを排除しましょうか???」
「かしこまりました!!!」
スーザンが悪役令嬢と言われる所以……それは、スーザンがこのように、邪魔者をとことん排除する癖があったからだ。心底、フィガロのことを愛していたスーザンは、フィガロの元に近寄る気配を示す女には容赦しなかった。例えば、パーティーで、フィガロの近くにやって来た令嬢を名指しで批判することがあった。
「あなたのような虫けらがフィガロ様とお話するだなんて、100億万年早いのよ!!!」
そんなことを言って、近くにある花瓶を持ってきて、それを上から降りかけた。そして、令嬢は水浸しになって、スーザンは、
「ざまぁ見なさい!!!」
なんて言って、喜んでいたのだった。フィガロは、
「スーザン。少しやりすぎじゃないのか???」
なんて言っても、スーザンは、ちっともフィガロの話を聞こうとしなかった。
「フィガロ様???全ては、あなた様のためにやっていることなのです。そこらへんについて、ご理解のほど、よろしくお願いいたしますわ!!!」
だが、スーザンに反発する令嬢がいないわけではなかった。もちろん、表立って妃を批判することはできない。だから、裏社会の力、あるいは、ゴシップネタを用いて、スーザンの評判を下げようと奔走する令嬢たちも、それなりにはいた。そして、そのリーダー的存在だったのが、公爵令嬢で、古くからスーザンのことを知っているキャサリンだった……。
第一王子のフィガロは、自分の妻であるスーザンが、悪役令嬢として有名になっていることを、非常に残念に思った。
「フィガロ様。この際でございますから、離縁という選択肢もあるのではないでしょうか???」
フィガロの側近たちは、王子の権威が危ぶまれることから、離縁という選択肢が妥当ではないかと、判断した。
「そう簡単に言うけどな……証拠がない以上、離縁はできないだろう?」
「ですが、フィガロ様。噂と言うのは、必ず根拠があるものです。私どもが探してまいりますから、どうぞ、遠慮することはございませんぞ???」
「うーん……もう少し考えることにしよう……」
フィガロは、中々すぐに対応できなかった。
一方のスーザンはと言うと……。
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「かしこまりました!!!」
スーザンが悪役令嬢と言われる所以……それは、スーザンがこのように、邪魔者をとことん排除する癖があったからだ。心底、フィガロのことを愛していたスーザンは、フィガロの元に近寄る気配を示す女には容赦しなかった。例えば、パーティーで、フィガロの近くにやって来た令嬢を名指しで批判することがあった。
「あなたのような虫けらがフィガロ様とお話するだなんて、100億万年早いのよ!!!」
そんなことを言って、近くにある花瓶を持ってきて、それを上から降りかけた。そして、令嬢は水浸しになって、スーザンは、
「ざまぁ見なさい!!!」
なんて言って、喜んでいたのだった。フィガロは、
「スーザン。少しやりすぎじゃないのか???」
なんて言っても、スーザンは、ちっともフィガロの話を聞こうとしなかった。
「フィガロ様???全ては、あなた様のためにやっていることなのです。そこらへんについて、ご理解のほど、よろしくお願いいたしますわ!!!」
だが、スーザンに反発する令嬢がいないわけではなかった。もちろん、表立って妃を批判することはできない。だから、裏社会の力、あるいは、ゴシップネタを用いて、スーザンの評判を下げようと奔走する令嬢たちも、それなりにはいた。そして、そのリーダー的存在だったのが、公爵令嬢で、古くからスーザンのことを知っているキャサリンだった……。
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