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その47

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「私は元々捨てられた女でございました」

キャシー様は、このように言って、話を始めました。

「そんな私を、引き取ってくれたのが、他ならぬフィンゴリモド様だったのです」

話によれば、キャシー様は、元々貧しい農民の出身で、家族が金を稼げなくなると、その度に彼女をどこかの貴族に派遣して、彼女に身体を売らせていたということになるわけでございます。

まあ、なんとなくは予想通りでございます。

「そして、私のために、フィンゴリモド様は色々と尽くしてくれたのです」

やはり、美しい女は生きるだけで得をする……これは全てに通じる哲学なのですが、キャシー様も例外ではなかったようです。それに引き換え、私といえば……まあ、嘆いても仕方のないことでしょう。

私は私。そのような価値観はとっくに捨てました。ですから、最初に彼女にあった時、私は一度だけ彼女のことが羨ましいと思いました。これは事実です。でも、逆に言えば、何度も顔をあわすうちに、そういう風には考えなくなりました。

私は自分の感情を麻痺させることが得意でしたから。
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