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その4

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「しかしながら、令嬢ソフィーを愛していることは事実だし、婚約することもまた事実だ。筋としては、私の口からエリーナに詫びるべきなのだろうが、それは難しいね……」

「ソフィーと言うんですか?新しい婚約相手は?」

「そうだ」

「王子様!そんなことを言ってしまってよいのですか?」

「いいんだ。私の口から言ったわけではない。ここだけの話だ。それでよろしいかな?」

「承知致しました。満足でございます」

ケリーは帰りがてら、王子様にこう言い残した。

「忘れておりました。一言だけ付け加えます。我が主君エリーナは、この度修道院送りとなりましたわ」

「修道院だって!」

王子様は驚いた。修道院送りというのは、令嬢にとって、ゲームオーバーを意味した。

「それは、ひょっとすると私のせいなのか?」

「さあ?私には分かりかねますわ。ただの報告です……」

ケリーは王子様の招きを拒否して、家に帰った。





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