君を抱く夜

長い夜

　今晩が最後だとしたら？

　笑って送り出したい？

　僕は不器用だから出来ないな……。

　君と一緒に泣いちゃうかな……。

　空が……輝きすぎてるね……。

　お星さまに免じて赦してほしい……。

　何もできないけど……。

　こんな形じゃ可笑しいけれど……。

　僕を好きでいてくれてありがとう……。

　こうやって……裸になって君と一緒に寝るなんていつ以来だろう？

　小学生以来かな？

　あの時もこうやってお星さまを眺めていたっけ？

　君は僕のお嫁さんになってくれるって言ったね？

　僕は凄く嬉しかった。

　こうやって君を包み込むのが素敵だと思った。

　子供って面白いね……。

　今だと……これだけじゃ足りないかも……。

　愛してる……。

　そんな言葉じゃ足りないかな？

　君は僕を求めてくれるかな？

　全てを君に捧げるよ？

　君の声を聴かせてほしいんだ……。

　そっか。

　いいんだね……。

　分かった……。

　大好きだよ……。

　ほら、口を出してごらん……。

　クチュクチュって……君の味がするね……。

　甘苦い夏の味だ……。

　さてさて……。

　あらあら……。下の方は凄く濡れてるよ？

　僕のが……欲しいの？

　いいよ……。入れてあげる……。

　よいしょっ……ごめんね、僕も初めてだから下手だと思うけど……痛かったら言ってね……。

　うぅっ……はぁっ……入ったね……。

　あぁっ、大丈夫？

　ごめんね、痛かったら言ってね……。

　本当？大丈夫？

　少し動かすからね……。

　ゆっくりゆっくり……出し入れして……気持ちいいかい？

　分からない？

　そうかそうか。分かった。大丈夫だよ。

　ほら、僕が抱っこしてあげる。

　ほら、怖くないよ。一緒に空を見よう。

　君の瞳がもうじきお星さまみたいに輝くんだよ。

　僕の元から離れて……遠い空を旅するんだ……。

　放したくない……。このまま君と繋がっていたい……。

　ダメかな？

　ダメだよね……。

　ごめんね。わがままな僕で。

　最後に一つだけお願いを聞いてほしい。

　このまま動いてもいいかな？

　ごめんね。本当に。

　動かすよ？

　ほら、君のも僕のもとっくにずぶ濡れだ……。

　このまますれば……。

　痛くないでしょう？

　あぁっ、終わりかな？

　僕も……一緒にね……？

　ありがとう。

　さぁっ、行ってらっしゃい。

　さようなら。