妹に婚約者を寝取られたので姉を辞めます~婚約破棄という運命に抗って~

tartan321

文字の大きさ
上 下
87 / 98

その39

しおりを挟む
「それはさすがに嘘でしょう????????どうして、こんなことになってしまうのかしら???????」

「ああ、そうですよ!!!!!!!!!いくら何でも……それはひどすぎるでしょうが!!!!!!!」

「いいえ、あなたがたが何を言っても、私は聞き届けるつもりはございません。さあ、とっとと死んでください……と、この場で言いたいところではありますが、せっかくでございますから……どうでしょうか???????あなたの大嫌いなお姉様の前で死ぬ姿を曝すと言うのは????????????」

そう言って、ステロンは不気味に笑うのだった。

「お姉様の前で???????????冗談じゃありませんわ!!!!!!!!どうして、そう言うことになるのか、私には分かりませんわ!!!!!!!!冗談はやめて頂いて、早く、私どもは国に帰りたいのでございます!!!!!!!!」

「そうだ、国だ!!!!!!!!!!」

チャーリーもイコンに同調した。

「私たちは国に帰る責務があるのです。なぜならば、私は次期皇帝であり、そして、イコンは、私の妃になるのですから!!!!!!!いいですか、ステロン殿!!!!!!!」

チャーリーは急に改まった口調で、ステロンに対峙することになったのだった。

「もしも……あなたが私の祖国に対して、何も通告することなく、処刑するなんてことになりましたら、これは外交問題に発展することになるのですよ?????????そしたらば、どうなると思いますか。戦争ですよ、戦争!!!!!!!ええ、疑いなんてありません。それで……戦争が始まったら、一体どうするおつもりなのですか??????????ええっ???????????あなたの国が、戦争に巻き込まれたら、あなただけではなく、自国の国民たちもが、戦いの惨禍に巻き込まれることになるのですよ!!!!!!!!!」

雄弁な演説の背景にあるのは……それはまた、なんとも自己保身にひた走る貴族の性だった。

もちろん、ステロンは全て見抜いていた。だからこそ、このような事態をこれ以上先延ばしすることに意味はないと思った。

「あなたがたの国は既に消滅した……前にも申し上げたはずなのですが……やはり、信じられませんか?????」

「信じられるわけないでしょうが!!!!!!!!!!!!!」

「まあ、それはそうでしょうな……。しかしながら、これはやはり事実なのですから、仕方がありませんねえ」

「本当にそうなのですか??????????」

チャーリーは時間をなるべく引き延ばそうとした。絶望の中に光る一筋の魂をきちんとつかみ取るには、それしかなかった。なるべく、このステロンと言う男に取り入って、援軍が来るのを待つ……だが、ステロンの言う通り、援軍が2人を救済しにやって来る見込みなど、全くなかった。

国は完璧に崩壊し、そして、国民は皇帝の死に特段と悲しみを見せることなんて、全くなかったのだ。そして……立ち上がったファクターXの扇動する人々が、独立した国家を樹立したのだった…………。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。

BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。 何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」 何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います

菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。 その隣には見知らぬ女性が立っていた。 二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。 両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。 メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。 数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。 彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。 ※ハッピーエンド&純愛 他サイトでも掲載しております。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

処理中です...