妹に婚約者を寝取られたので姉を辞めます～婚約破棄という運命に抗って～

その17

「旦那様が障壁になると思ったあなた様は……そのまま旦那様を葬り去ることに決めた……全ては、娘のため……ブラボー！！！！！！！！！いやあ、実に素晴らしい母親ですね、あなたは！！！！！！！！！！！」

ステロンが母親のことを称賛するのは、かえって、母親にとっては大きな重荷になるのだった。

「どうして……私は何も……」

「いちいち否定する必要なんてないじゃないですか？？？？？？？？？？？ねえ、レイナ様だって……あなたの大切なお母様があなた様を守ったのですから、お母様のことを責めないでしょう？？？？？？？？？？？」

どうして、ここまで全てを知っているのか……母親は緊迫した。

あるいは……本当にこのまま生かしておけないのだったら……。

「ああ、そして、あなたはまだ私のことを疑っていらっしゃるご様子ですね？？？？？？？？？？？？？？」

ステロンはやはり、全て分かっているようだった。

「そんな……疑ってなんか……」

「いやですね。娘さんの前で嘘をついても仕方ないじゃないですか？？？？？？？？？？？？？？」

ステロンはそう言った。

「さあ、取引を始めましょうか？？？？？？？？？？？？可愛いお嬢さんと、そして、そのお母様？？？？」

「取引……取引とはいったい何のことですか？？？？？？？？？？？」

「ああ、もうすぐわかることですよ。とりあえず…………よろしくお願いいたします……」

そう言って、ステロンは冷静に腰かけた。