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本編
24 一旦休憩して昼食にします
しおりを挟む書庫の本を見て回ったが、有用な情報はあまり得ることができなかった。
お互いが調べた情報をまとめてみると
① 無属性についてはまだよく分かっておらず、無属性の者自体も数が少ない為研究がほとんど進んでいない
② 各属性は一般的には精霊の力を借りて行使するものと言われているが、無属性は精霊の力とはまた別の力を元に行使されるのではないか
③ 無属性を持つものはスキルや加護に解読不能な文字がある
という事が分かったが、それ以上の事は分からなかった。
というのも無属性に関することが書かれている本自体が少なく、書かれていたにしても同じような記述が多かった。
なのでとりあえず書庫の探索は切り上げ、お昼ご飯を食べた後禁書庫へと行く事になった。
ということで持ってきたお弁当を広げる。
今回料理長に頼んで作ってもらったのは見た目も味も楽しいサンドイッチだ。
私がたくさんのサンドイッチを頬張っていると、目の前で同じようにサンドイッチを頬張るライムントと目が合う。
私の顔を見るや否やライムントは吹き出しむせ始めた。
「ゴホッ、ははっ!病気がちで滅多に顔を出さない大人しい姫さんってイグナに聞いてたのに、メシは頬張ってオレと同じくらい食ってるし、全然聞いてた話と違う面白い姫さんじゃねえか!」
「トルーデ様の面白さが分かるとは・・・中々やりますねえ・・・」
なんだ面白さとは。
人をおもしろ生物扱いした言い方をしやがって。
「でもアンタ・・・カリーンさんだったか?何か得体の知れない、そんでもって強者って感じのにおいがするなァ。もしかしてオレの父ちゃんより強い、いや確実に強いだろ?」
「えっ、ライのお父様って騎士団長・・・それも一番強い王国騎士団の団長さんですよね?」
首をこてんと可愛らしく傾げ、エルネストはライムントに問う。
いちいち動作があざと可愛いすぎる。
なんなんだこの美少女は。
「いや、前に父ちゃんが言ってたんだ。オレより少し歳が上くらいのすごいヤバイ奴が居るって。流石に嘘だろって思ってたけど今日確信した。それってカリーンさんの事だろ?なあなあ、オレを弟子にしてくれよ!オレ誰よりも強くなりたいんだ!」
興奮して身を乗り出しカリーン先生に詰め寄るライムント。
やったねカリーン先生!モテ期だよ!
「えぇ~嫌ですよぉ。バトルスタイルって奴が違いますし、私弟子は1人しかとらないって決めてますもん。ねぇ、トルーデ様」
なぜこっちに振るのだ。
ライムントがしゅんと項垂れながら羨ましそうにこれでもかというくらいこちらを見てくる。
なんだか捨てられた仔犬に見えて良心が痛む気がしてならない。
「では譲歩案として、今度トルーデ様のお相手をしてくださいませんか?そこでの鍛錬について気づいた事でいいならアドバイスでもしますから」
「ほ、本当か!?というか姫さん戦えんのか?ますます病気がちで引きこもりって話から遠くなってきたな・・・イグナお前情報古すぎるぜ」
「いや、だってコイツ、食事の時くらいにしか顔合わせる事無いし。それに殆どグッタリした感じで、たまに具合悪いって言って食事にも来なかったりしてたし・・・」
やれやれといった表情のライムントに言い訳をする兄貴。
なんかコイツらメッチャ仲良いな。
兄貴の言葉に関してはそうだね、いつも鍛錬の疲れで死にそうな顔してたし、疲れ過ぎor修復が十分にできなかった時とかは食事も部屋に持って来させてたからなあ。
鍛錬もカリーン先生が結界を張って、人が立ち入れないようにしてたしね。
「まあいいや。姫さん、今度勝負を申し込みに行くからよろしくな!イグナも最近鍛錬があまりできてないようだし姫さんと一緒にやったらどうだ?」
「はあ・・・まあいいですけど」
「それでは王子殿下は私と手合わせをしましょう。私の事を欠陥品と仰られたのです、当然私に勝てるのでしょう。あぁ、そうです、私に勝てたならば謝罪はいらないという事でどうでしょうか?」
なんか話が大きくなってきたぞ。
というかユディやっぱり欠陥品って言われたの結構根に持ってるな・・・煽る煽る。
兄貴が本気で言ってんのかという感じの驚いた表情を浮かべ、ユディを見、助けを求めるかのように私に視線を移す。
私を見られても困る。
私にも止める事は出来ないという意思を込めて首を横に振ると兄貴は項垂れる。
今のうちに謝ったら許されるだろうし早いとこ謝っとこ、ね?
友人2人もおそらく私と同じような事考えてるよ?
「分かった、その勝負受けよう」
どうしてそこでその答えを出してしまうんだ!
友人2人と私の3人、絶対同じような顔してる自信あるよ今。
まさか勝ったなら謝らなくて済むし、負けたなら負けたからって理由をつけて謝る事が出来るからって感じなのか!?
どんだけ素直になりたくないんだよコイツ。
何故か最後には対戦の話になってはしまったが、楽しく(?)友好を深めながら食事を終えた。
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