最年少ダンジョン配信者の僕が、JKお姉さんと同棲カップル配信をはじめたから

タイフーンの目

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第7章 ハーレム旅行ってマジですか?

第113話 ハーレム夜配信

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 ■ ■ ■


 蓮が女性配信者に囲まれてハーレム旅行を送っていると知ったリスナーたちは――特に男性リスナーは、その企画を楽しみつつも羨ましく思っていた。

 そしてそんな彼らに今夜、追い打ちを掛けるような配信枠が蓮のチャンネルに立ち上がった。タイトルは――


【緊急!】浴衣のお姉さんたちと夜更かしトークコラボ!果たして僕は眠れるのか!!???【雑談枠】


 蓮を待つチャット欄は、昼にも増して大騒ぎだった。
 画面には旅館(ホテル?)の一室らしき広い和室と、そこに敷かれた布団だけが映っている。


・うおおおおおおい!?
・ナニが始まるんです!?
・これは全裸待機(配信者が)
・てかタイトルのテンション高くない?蓮くんパリピ状態?
・こういうタイトルのときはマネージャーが作ってるらしいよ
・あれ?もしかしてマネージャーも旅行に同行中?

 
 そこへ画面端からおずおずと蓮が登場する。

・蓮くん浴衣じゃん!?
・こんばんは!
・お昼ぶりです、こんばんは
・湯上がり蓮くんは私たちの心を潤ませてくれるよね←

「えーっと、……ここ、ホテルです……」

・でしょうねw
・知ってるw
・ホテルなのに和室なんだ
・意味深に敷かれている布団は何なんです?

「ここで寝る予定だから、もう敷いておこうって……衛藤さんが」

・衛藤さんってマネージャーだっけ?
・衛藤さん! 来てるのか!?

「……うん。入って来ていいよ」

 蓮が視線を向ける画面の左から、メガネの美女がやっぱり浴衣姿で現れた。

・うぉおおおおおおおお!?
・初登場か!?
・ガチ美人じゃん!
・おいおい蓮くん、年上キラーすぎるだろ……
・え?湯上がり?スッピンでこれ……うそでしょ?

 長い髪を下ろした彼女は、落ち着いた雰囲気ながらもやや緊張気味に、

「リスナーの皆さんこんばんは。いつもうちの遠野蓮がお世話になっています。アイビスマネージャーの衛藤です」

・衛藤さぁあああああああん!
・うちの!うちの蓮!
・顔出しOKなの?
・配信に出ていいのか

「えー、実はですね。配信に出させていただくつもりはまったくなかったのですが……業務命令で」

 ふっと、悲しい目をして頬を引きつらせ、

「弊社の社長が『せっかくだから衛藤さんも出たらいいんじゃない?』なんて、軽いノリで――」

・二ノ宮社長か
・言いそうだなw
・めっちゃフランクな社長だよね

 メディアにもよく顔を出しているので、社長の二ノ宮はアイビスリスナーの中では知名度が高い。

「――あの人は炎上とか本当に無頓着なんですよ、配信者事務所の社長なのに」
「……うん、僕でも心配になるくらい適当だし」

 蓮が相づちを打つ。

「僕が結乃と暮らすことになったのもあの人の手配だし――」
「社長はホントに! 凄い人ではあるんですけど、部下の心臓に悪いんですよ!」

・お?愚痴モードか?いいぞww
・衛藤さんちょっと酔ってる?
・顔赤いね
・社長の悪口言いまくろうぜ!
・おまえら煽るなw他人事だと思ってw

「気づいたら新規事業はじめてるし! それがことごとくヒットしちゃうし!」

・経営の天才
・感覚派だと聞いた

「社員は大変なんですよ!? 残業増えるし!」

・わかるー
・うちも社長がワンマンで……

「でもしんどくなる直前に声をかけてくれて、社長みずから業務量の調整してくれるし、無理にでも休暇を取らせてくれるし! そのせいでトラブルが起きても無駄に高い交渉能力と謎の人脈で一夜にして解決してくれたり……! ワケわからないんですよ!」

・お、おおう?
・あれ? 愚痴じゃないぞw
・キレながら褒めてるw
・社長無双やんけw

「蓮さんをスカウトして来たのも社長なんですよ!? おかげで私は、最高のポジションに付けましたし!!」

・それはそうでしょうねw
・社長がいなかったら蓮くんはデビューしてなかったのか
・それ考えたらマジで感謝です

「……衛藤さん、飲み過ぎじゃない?」
「仕方ないじゃないですか! 蓮さんと旅行に来てるんだし、ハメを外したくなるんですよ! 社長は許可してくれます、絶対!」
「まあ僕も……衛藤さんにはいつも感謝してるよ」
「ふぇっっっ!?」
「今回の旅行も色々やってくれたし。衛藤さんがマネージャーで良かったっていうか――」
「ふへぇええええええッッッ!?!?」

・変な声出てますよw
・綺麗なお姉さんが出していい声じゃないw
・放送に乗せたらヤバイ声!
・蓮くんの攻撃力が相変わらず高すぎるんよ

 ゆでダコのようになる衛藤の横から、修羅が姿を見せた。

・イケメン!?
・いや女の人だ!
・この人あれじゃん、前回のクエストで蓮くんを手伝ってた
・アイビスの配信者?

「いえいえ。ボクは……うん、サキの保護者みたいなものかな」

 言いながら衛藤に寄り添う。

「サキの体……熱くなってるね?」

・あら^~
・そういう関係!?

「修羅さん、顔出していいの……?」
「心配ありませんよ、マスター遠野。顔や名前が公開されたくらいで支障が出るような、そんな生ぬるい仕事はしませんから」

・何者だこの人w
・蓮くんとは違うタイプの風格があるな

 美女2人+浴衣男子1名の画面に、さらに美少女3人が顔を出す。

「「こんばんは~」」
「……ばんわ……」

・浴衣のゆのちゃん!
・うっわ可愛い
・梨々香待ってたぞ!
・シイナ様の浴衣姿……神々しい……!

 総勢5人が蓮を囲んだ。
 
・なにこの絵面ww
・成功者だけに許されるハーレム仕草
・めっちゃいい匂いがしそう
・するでしょ確定で
・画面越しに感じるぞ!せっけんの匂いを!
・大丈夫? 年齢制限かからない!?

 なにせ、湯上がりらしい浴衣の美女たちが布団の上でほほ笑んでいるのだ。

 ただしトーク内容は、昼間の結乃のテイマー練習の裏話や、リスナーからの質問チャットに答えていくといった至って健康的なものだ。

・昨日もそこでみんなで眠ったんですか?

「うん、そうですよ」

 結乃が答える。

「みんなで仲良く布団を敷いて。でも結構夜更かししちゃったなぁ。ね、蓮くん?」
「う、うん……っ」

・顔赤くなってる?
・ナニがあったんだ蓮くん!?

「夜通しみんなで。蓮くん、凄く強かったよね」

・夜通し!?
・みんなで!?
・ヤバイですよ! チャンネルBANされちゃう!

「だよねー、レンレン強すぎ☆ 梨々香がさぁ~『もうやめて! もう無理!』って泣いてお願いしても許してくれなくてぇ~」

・ガチで何したんだ蓮くん!?!?w

「ぼ、僕たちは……! UNOウノしただけだから、UNO!」

 シイナも恨めしそうな目で蓮を見て、

「……遠野蓮……いっぱい出してた……、早すぎ……」
「手札! カードをね!?!?」

「今夜もがんばろうね蓮くん――あ、別の遊びもしよっか? カッコいいところ、たくさん見たいな」
「と、トランプとか!」

「朝はまたボクがお相手するよ、マスター遠野」
「こ、コーヒー! また淹れてくれたら嬉しいよ……!!」

・蓮くん忙しいw
・みんなボケなのか天然なのか
・ゆのちゃんは天然っぽいなw
・シイナ様もね
・梨々香ちゃんはメッチャ笑っとるがw
・衛藤さんまだエンストしとる
・はよ蘇って蓮くんを助けてやってw

 かつてないほど賑やかな夜配信で、旅行の夜は更けていった。


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