最年少ダンジョン配信者の僕が、JKお姉さんと同棲カップル配信をはじめたから

タイフーンの目

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第5章 夜も激しくなりそうです

第79話 反響:カナミ・麗奈

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「おー、帰ってきた帰ってきた」
「おかえりなさいですわ」

 聖華女子校の食堂は、夕飯の片付けが終わったら談話室としても使われる。

 蓮と結乃がフェアリーランドから帰ってくると、カナミと麗奈が食堂の一角に座っていた。

 ――結乃からナイトライセンス試験に合格したことを伝えたところ、2人は、蓮のことを出迎えるからとここで待っていてくれたのだ。

 花火を見たあとフェアリーランドでおみやげを買い、みんなでファミレスで夕食を済ませてから解散。ちなみに、シイナは梨々香に家まで送ってもらうことになり上機嫌のまま帰宅していった。

 蓮も、結乃と一緒の帰路に――それも夜道を歩いていくのを、なんだか夢見心地に感じながらの帰寮だった。

「ごめんね、遅くなって。はいこれ、おみやげ」

 結乃からキャラクターの絵柄で包装されたクッキーを2人に渡す。

「あんがと結乃」
「嬉しいですわ」
「……つーか、中1くん!」

 試験合格のことに触れられるかと思いきや、

「その格好! 高校生じゃん」
「え、ああ、うん」
「ギャルな柊さんと、高校生の遠野さん……は、はかどりますわ……!」
「なにが」
「うんうん、カップルだねー、ガチで」

 せっかくだからと、カナミも麗奈も2人のことを撮影し始める。

「あ、あとで私にも送って……?」
「結乃?」

 蓮と並びながらピースする結乃までそんなことを言う。

「私らとも撮ってよ、いいっしょ?」
「わ、わたくしもいいんですの?」

 今日、何度目かも分からない記念撮影。……結乃に、梨々香、シイナ、カナミ、麗奈。

 蓮のスマホのフォルダが、お姉さんたちとの写真で埋まっていく。

「そうだ、中1くんおめでと。ま、絶対合格だとは思ってたけどさ」
「遠野さんなら間違いありませんもんね」

 そう言いながらも、自分のことのように喜んでくれる2人――もし家族が、自分に『姉』がいたならこんな感じだろうか、なんて、ふと思ったりもする。

「んでさ、称号も付いた?」
「クラス気になりますわね」
「ああ、うん」

 蓮はスマホに送られてきたメッセージを2人に見せる。


 ――【ソード・セラフ】


「これ汎用クラスじゃないよね、ユニーククラスか」

 シイナに名付けられた【双銃の舞踏家】のように、型どおりのクラスには収まらない、上位者にのみ与えられる称号だ。

「セラフ……熾天使してんしという意味ですわね」
「なにそれ?」
「最高位の天使を示す階級です」
「あー、あの新装備!【黒翼】も使いこなしてたもんね」
「剣を自在に操る最高位の天使……遠野さんにピッタリですわ!」
「なんか闇堕ちしてるっぽい見た目だけどね」
「黒……いいじゃん」
「うん。格好良かったよ蓮くん」

【黒翼】はまだまだ応用できそうだし、装備自体にも改良の余地はありそうだ――今度、また工房に行ってみよう。ダメにしてしまったブロードソードのこともある。

「そんで中1くん、感想は?」
「みんなに応援してもらって、合格できて良かった。称号は――天使って言われてもピンと来ないけどカッコいいとは思う」
「そんでそんで? あっちは?」
「あっち?」
「そんなん決まってるじゃん」

 二ヒッとカナミは笑って、

「デート♡ 初めてのデートはどーだったんかなーって」
「「…………っ!?」」
「おっと? この反応はもしかして進展あった?」
「「な、なにもっ……!!」」
「どう麗奈? この2人の反応は」
「初々しいです! これはこれで最高のおみやげですわ~」

 こうして女子寮の夜は、今日も更けていった。

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