最年少ダンジョン配信者の僕が、JKお姉さんと同棲カップル配信をはじめたから

タイフーンの目

文字の大きさ
上 下
33 / 116
第3章 配信でイチャついていいんですか?

第33話 反響:海外リスナー

しおりを挟む


◆米国ロサンゼルス 現地時間 15:09


「やあリスナーのみんな……」

・やあニック
・元気がないね?
・知らない人が多いようだ、昨日ニックはトラブルに巻き込まれていたのさ

「その通りだ……」

 ダンジョン配信をノリノリで紹介しているときとは、あまりに落差のあるテンションで彼――ニックはリスナーに向かって語りかける。

「昨日、【シルバーレイク・ダンジョン】の周りで友人とライブストリームの準備をしていたのさ……そうしたら、向こうから2人組の警官がやって来たんだ……」

・ほう、それがトラブルの元かい?
・警官とニック……相性は悪そうだね

「……彼らは僕たちに尋ねたのさ。『撮影の許可は得ているのか?』ってね。僕はすぐさま友人のほうを見た。彼が申請しているはずだったからね。ところが――」

・まさか
・話が見えてきたよ

「――そう、許可なんて取っちゃいなかったんだ! とはいえ、僕らも撮影する気マンマンだったからね。逆に言ってやったよ、『君たちこそ、誰の許可を得て僕たちのカメラに入って来てるんだい?』ってさ」

・またケンカを売ったのか
・恐れ知らずだ

「そこから言い合いになっちゃってね、友人がついカッとなって手を出したものだから……僕らはカメラどころかスマートフォンさえ取り上げられて、一晩中、ネットからも隔離された狭い部屋に拘留されたんだ!!」

・それで落ち込んでいるのか
・ニックらしくない

「いやそんなことはどうでもいいんだ! ファ●キンポリスのことなんて、どうでもね!!」

・落ち着くんだ、ニック
・そんな調子ではまた警官の厄介になるぞ

「でもそのせいで、見逃してしまったんだよ!」

・??
・ああ、察しがついたよ
・なるほどね、例のライブストリームか
・どういうことだ? 何を見逃したんだい?

「アイビスの【レン】さ! 昨日は彼の配信があったんだ!! 釈放されてからアーカイブで見ざるを得なかったんだけれど…………あんなエキサイティングな配信を、生で! 見逃してしまったんだ!! フ●ッッッック!!!」

・あまり叫ぶとまた通報されるぞ
・気持ちはわかるよ、僕だって仕事で見られなかったからね!
・あれは実に驚きだった、あんなユニークスキルを隠し持っていたなんて

「そうだ、【ヘカトンケイル】! 重力魔法をあそこまで見事に操るなんて! 信じられない!! しかも12歳の少年がだぞ!?」

・ヘカトンケイル……彼はギリシアにゆかりのある人物なのかい?
・いいや、おそらくスキル名を名付ける際に参考にしただけだろう
・日本にはあるのさ、一定の年代の少年少女が、そういったネーミングに凝ることが。神話の創造物をスキルや武器に付けたがるような、ね。
・我々も身に覚えがあるんじゃないか?
・どこの国でも共通なんだね

「あああ、僕は自分の見込み違いを謝罪しなければならない!」

・見込み違い?
・謝罪とはどういうことだ

「前の配信での彼を見て、実力の70%ほどで戦っている――なんて見当違いの発言をしてしまったのさ! 僕が間違っていた! 彼の実力はそんなものじゃない!」

・なるほどそういうことか
・確かに、凄まじいポテンシャルを秘めていそうだね

「ヘカトンケイルにも興奮したが、彼はそれだけじゃない! あのスタンスティールの熟練具合、いくつものバトル・ストリームを見てきたが、あれほど華麗に決めてみせたのは彼が初めてだ!」

・剣を振るっていた、パートナーの少女が素人だったからでは?
・彼女もキュートだったね

「それを差し引いても、だよ! あらゆる属性の魔法を操り、一流の戦闘技術を持ち、パートナーのためならその行使をいっさい厭わない……!! レンこそ、次の時代を引っ張って行くストリーマーになるね、断言する!!」

・うん、異論はないよ
・ダンジョンの構造体を崩壊させるほどだった。その点も注目だね。

「…………、決めたよみんな! 僕は東京へ行く!」

・!?
・彼に会いに行くのか?

「まさにそうだ! レンに会って、謝罪をし、一緒に写真を撮って、サインをもらうんだ!!」

・lol
・それが目的か
・ただの熱狂的なフォロワーだ
・いいね、ぜひその様子を配信してくれ
・今度はきちんと〝許可〟を取るようにしたまえ

「そうと決まったら僕は行くよ! 次の配信を楽しみにしていてくれ!!」

・ああ、楽しみだ!
・よい旅を、狂犬ニック
・レンによろしく!


 そうして彼は早速、日本行きのフライト予約を入れたのだった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

削除予定です

伊藤ほほほ
ファンタジー
削除します

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...