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第3章 配信でイチャついていいんですか?
第25話 カップル配信①
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蓮と結乃は初めてのカップル配信のため2階層へ向かう。2階層に上がる階段は1箇所しかない。必然、同業者たちとすれ違うことも増える。
さっきの【りりさく】のように、無遠慮に接近こそしてこないが、
「あっ、あの子……」
「アイビスの新人じゃね?」
「スタンピードの――」
「ひっっ!?」
「一緒に写真撮ってくんないかな? 企業勢だし無理かな?」
「隣の誰あれ?」
などとヒソヒソ話す声が聞こえてくる。
「蓮くん、やっぱり人気者だね」
中には、先日のスタンピードに居合わせたのか蓮のことがトラウマになっている配信者もいるようだが、とにかく注目を集めているのは間違いない。
2階層はスタンピードで蓮があらかた『掃除』してしまったせいで、モンスターたちは静かなものだった。遭遇する数も少なく、まだリスポーンを果たしていない個体もいるのだろうと推測された。
ちなみに、モンスターの死体も血痕も、時間が経つと魔力に変換されて消え去ってしまうので、迷宮内は汚れているということもない。
そんな2階層を結乃と進みつつ、配信向きのスペースを確保する。
「はー、配信前ってこんな気分なんだ。指とか冷たくなってきた」
「…………」
蓮だってまだ3回目の配信だ。人気《ひとけ》のないスペースを選んでいることもあって、静かな迷宮の中にポツンと佇むこの瞬間は、自分の心音すら聞こえてくるくらい緊張する。
けれど今日はパートナーがいるし、ここでは蓮のほうが先輩だ。先輩らしく、そして戦闘レッスンの師匠らしく振る舞わないと。
「……手、貸して」
「どしたの?」
首をかしげつつも素直に差し出された結乃の両手を、蓮の両手が左右からギュッと包む。
「えっ、蓮くん!?」
「い、いや。冷たいって言ってたし――」
急に恥ずかしくなってパッと手を離す。よく考えたら女子の手を勝手に握るなんて痴漢行為だ。完全にやらかしてしまった……。
「あ、あはは。逆に熱くなってきちゃった」
しまった。結乃の声だって、こんなに上ずっている。彼女も話題を逸らそうとしたのか、
「――配信前なのに、チャット欄すごいね」
展開済みの空中ウィンドウに配信準備中を知らせる動画と、リスナーたちのチャットだけが流れている。
<チャット>
・待機
・わくわく
・今日の蓮くんだぁああああ
・初見です
・運営の匂わせ投稿って何なんだろ?
・待機
◎頑張ってください!応援してます!
・ギフチャも来た
・「あの人物」って誰だ
・バトルが見たいです
◎武器代
・塾なければリアタイできるのに!
・私も部活だ~
・1日空いただけで蓮くん成分が不足している…早く…早く…
・今日のガチガチ蓮くんを見られるのはここですか?
「うわーこんなに早いチャット欄、読むの大変だよね」
「うん、まあ……」
蓮の動体視力を持ってすれば1行たりとも逃さずに視認できるのだが、そのせいで余計に混乱してしまう。先日のアンチみたいにはっきりした敵対コメントなら叩きのめせばいいが、普通のコメントにはどう対応したらいいかよく分からない。
球状カメラを起動し、アプリを立ち上げる。普段はソロ配信用の設定だが、今日は複数人に対応する設定にして、メインは蓮に。
こうすると、通常は2人とも画角に入れつつ、いざというときには蓮を追うようになる。カメラを操作するAIはプロカメラマンの挙動を学習しており、機械的すぎない、自然な画づくりができるようになっている。
いよいよだ。
結乃が顔を合わせてうなずき、カウントダウンを口にした。
「3、2、1……スタート!」
声に合わせて、蓮が配信開始のボタンをタップする。
・きちゃああああああああ
・はじまた!
・今日の蓮くん!
・あれ?
・おいおいw
・え待って⁉︎
・マジか!w
・女子高生だぁあああああああ
・予想大正解やんけ!
・知ってたww
ただでさえ大量だったチャットがさらに高速で流れ出す。
「はじめまして――」
さっそく結乃が発言する。
「……じゃないか。一回映っちゃったから、二回目の人も居ますよね」
・ですね!!
・はいかわいいいいいい
・胸でっか
・あの子か!
・誰?
・蓮くんが助けた子や
・女子高生だぁあああああああああ
「ゆの、って言います」
配信ではフルネームではなく、下の名前だけでいこうと決めてある。どの道、顔も出しているのですぐに身元はバレるし隠すつもりはないが。
「知っている人もいると思いますが、前にモンスターに襲われているところを蓮くんに助けてもらって。ね、蓮くん?」
「う、うん」
・相変わらずガチガチw
・『蓮くん』か~
・声やさしいな
・蓮くん、もっと寄ってあげてw
・姉弟かな?
・初々しいなこいつら…っていうか特に蓮くんw
「それで色々あって、蓮くんのアシスタントとして出してもらうことになりました」
・色々(意味深)
・くわしく
・アイビス所属ってこと?
・もともと関係者だったんかやっぱ
「いいえ、違うんです。あの時はたまたま学校の行事で来てただけなんです。そのあと、本当に偶然再会して――」
助けてくれた蓮に憧れて、戦闘を教えてもらうことになって、マネージャーを交えて相談したところアルバイトとして参加させてもらえることになった――
という経緯を、かいつまんで淀みなく説明する結乃。やっぱり、蓮のトークよりよっぽど上手だ。
・カップルチャンネルになるってこと?
・『れんゆの』だ
「あ、2人で配信させてもらうこともあるんですけど、私はアシスタントで蓮くんの弟子っていう感じで……」
チラリ、と結乃からの視線。彼女ばかりがしゃべっていてはバランスが悪い。
「僕だけのソロ配信はこれからもやる予定だから……バトルがメインになるかもだけど」
・おおマジか!
・良かった
・助かる!
・両方見たいな
・2人でも探索してくれ
「やっぱりみんなも、蓮くんの戦闘が見たいんですね」
・ですね!
・ゆのちゃんも見たいっす
・ゆのさん何歳ですか?
・蓮くんの戦闘は万病に効くんよ
・戦闘中の蓮くんさんはカッコいいしな
・普段は頼りないけどw
「え」
結乃は首をかしげて、
「蓮くんはいつもカッコいいですよ?」
・はぁあああ!?w
・言うねぇww
・おいおい誰か式場持ってこい
・早速のろけてて草
「あ、ああっと、今のなしで……いやなしじゃないよ、蓮くん!?」
・照れとる照れとるww
・ゆのちゃんいいね
・れんゆの推し決まったわ
「えーっと、何でしたっけ! 私の年齢? 聞いてる人もいましたね。いま16歳で、高校2年生です」
・ガチ女子高生だぁああああああ
・4歳差か、それ以上にも見えるな
・ママ味あるからしゃーない
・この胸で16歳は無理がある
・年上ええやん、蓮くんにはピッタリな気がする
・てかゆのちゃん、話題そらしたねw
「私のほうが学年は上だけど、ダンジョンでの経験とか戦闘とか、蓮くんには全然敵わなくて。だから皆さんと一緒に蓮くんの強さをたくさん知れたらいいなって、そう思ってます」
・ええやん、一緒に蓮くん推してこ
・俺は2人を推すぞ
・ダンジョンデート配信見てみたいです!
・私もカップル配信好きー!
・蓮くんさんのバトル、勉強になるから助かる
一度しどろもどろになったのに、見事に立て直す結乃。ほどよくコメントを拾って回答し、たまにあるセクハラ気味なコメントは自然にスルー。
リスナーとの対話はこうやるのかと、結乃を間近で見ながら勉強する。戦闘は蓮が教える側だが、こういうコミュニケーション能力は結乃から学んでばかりだ。
結乃のトークのおかげで、配信の滑り出しは今までになく好調。カップル配信への拒絶反応も、チャットを見ている限りはそれほどではない。
大多数のリスナーが好意的なので、アンチコメントを打ちづらくなっているせいもあるだろう。そういう連中は得てして、あとから見えないところで吠えるもの――と、衛藤は言っていた。
それは覚悟しているし、ある程度は仕方ない。それも感想のひとつだ。
……だが。
中には、看過できないコメントもある。
・いやブスじゃん
・全然可愛くないが
「…………は?」
爆速のチャット欄でも、蓮は見逃さない。見逃せない。
「いまなんて書いてた?『ブス』?」
「蓮くん?」
・あ
・やべ
・スイッチ入ったぞww
・スイッチ入るの早すぎだろw
・目つき変わったw
・蓮くん戦闘モードきちゃ?
「どこ見て言ってんの? アンタだよ、アカウント名も見えてんだけど?」
・この高速チャット拾えてんのかw
・一瞬で垢名まで覚えてんの草
・蓮くんさんだぞ? そんなの余裕に決まってんじゃねーか
「『ブス』とか、ふざけてるでしょ。具体的に言ってみてよ、否定してやるから」
・蓮くんステイ!!w
・リスナーに全力でケンカを売る配信者の鑑w
・信じられるか?これでまだ配信3回目なんだぜ?
・あーあアンチコメさん終わったな
・こうなった蓮くんは止められないぞw
・自分からカメラに寄ってくる蓮くんレア
・ガチ恋距離助かるw
・なるほど、怒らせたら近寄ってくるのか
「れ、蓮くん……!」
配信用カメラを掴んで睨みつけていた蓮の肩に、結乃の手が添えられる。
「私は平気だから、だから落ち着こ?」
「結乃が良くても僕が良くない。許せない」
・ん?
・ゆのって呼んだ?
・おっともう呼び捨てか!?
「ありがと蓮くん、怒ってくれて。でもね、本当に大丈夫だから」
至って優しい、いつも通りの声音で結乃は微笑む。
「蓮くんがそう思ってくれてるだけで、私は嬉しいよ? そうじゃないって、思ってくれてるんだもんね?」
「それは……もちろん」
「他の人にどう思われても、蓮くんがそう言ってくれるだけで私は嬉しいの。ありがとう」
「…………。うん」
・おい大人しくなったぞw
・スン…ってなったw
・これ師匠と弟子じゃなくて狂犬と飼い主だな?(名推理)
・もう調教されとるw
◎てぇてぇ代
・はよ結婚せぇ!w
チャット欄は、今日一番の盛り上がりを見せた。
さっきの【りりさく】のように、無遠慮に接近こそしてこないが、
「あっ、あの子……」
「アイビスの新人じゃね?」
「スタンピードの――」
「ひっっ!?」
「一緒に写真撮ってくんないかな? 企業勢だし無理かな?」
「隣の誰あれ?」
などとヒソヒソ話す声が聞こえてくる。
「蓮くん、やっぱり人気者だね」
中には、先日のスタンピードに居合わせたのか蓮のことがトラウマになっている配信者もいるようだが、とにかく注目を集めているのは間違いない。
2階層はスタンピードで蓮があらかた『掃除』してしまったせいで、モンスターたちは静かなものだった。遭遇する数も少なく、まだリスポーンを果たしていない個体もいるのだろうと推測された。
ちなみに、モンスターの死体も血痕も、時間が経つと魔力に変換されて消え去ってしまうので、迷宮内は汚れているということもない。
そんな2階層を結乃と進みつつ、配信向きのスペースを確保する。
「はー、配信前ってこんな気分なんだ。指とか冷たくなってきた」
「…………」
蓮だってまだ3回目の配信だ。人気《ひとけ》のないスペースを選んでいることもあって、静かな迷宮の中にポツンと佇むこの瞬間は、自分の心音すら聞こえてくるくらい緊張する。
けれど今日はパートナーがいるし、ここでは蓮のほうが先輩だ。先輩らしく、そして戦闘レッスンの師匠らしく振る舞わないと。
「……手、貸して」
「どしたの?」
首をかしげつつも素直に差し出された結乃の両手を、蓮の両手が左右からギュッと包む。
「えっ、蓮くん!?」
「い、いや。冷たいって言ってたし――」
急に恥ずかしくなってパッと手を離す。よく考えたら女子の手を勝手に握るなんて痴漢行為だ。完全にやらかしてしまった……。
「あ、あはは。逆に熱くなってきちゃった」
しまった。結乃の声だって、こんなに上ずっている。彼女も話題を逸らそうとしたのか、
「――配信前なのに、チャット欄すごいね」
展開済みの空中ウィンドウに配信準備中を知らせる動画と、リスナーたちのチャットだけが流れている。
<チャット>
・待機
・わくわく
・今日の蓮くんだぁああああ
・初見です
・運営の匂わせ投稿って何なんだろ?
・待機
◎頑張ってください!応援してます!
・ギフチャも来た
・「あの人物」って誰だ
・バトルが見たいです
◎武器代
・塾なければリアタイできるのに!
・私も部活だ~
・1日空いただけで蓮くん成分が不足している…早く…早く…
・今日のガチガチ蓮くんを見られるのはここですか?
「うわーこんなに早いチャット欄、読むの大変だよね」
「うん、まあ……」
蓮の動体視力を持ってすれば1行たりとも逃さずに視認できるのだが、そのせいで余計に混乱してしまう。先日のアンチみたいにはっきりした敵対コメントなら叩きのめせばいいが、普通のコメントにはどう対応したらいいかよく分からない。
球状カメラを起動し、アプリを立ち上げる。普段はソロ配信用の設定だが、今日は複数人に対応する設定にして、メインは蓮に。
こうすると、通常は2人とも画角に入れつつ、いざというときには蓮を追うようになる。カメラを操作するAIはプロカメラマンの挙動を学習しており、機械的すぎない、自然な画づくりができるようになっている。
いよいよだ。
結乃が顔を合わせてうなずき、カウントダウンを口にした。
「3、2、1……スタート!」
声に合わせて、蓮が配信開始のボタンをタップする。
・きちゃああああああああ
・はじまた!
・今日の蓮くん!
・あれ?
・おいおいw
・え待って⁉︎
・マジか!w
・女子高生だぁあああああああ
・予想大正解やんけ!
・知ってたww
ただでさえ大量だったチャットがさらに高速で流れ出す。
「はじめまして――」
さっそく結乃が発言する。
「……じゃないか。一回映っちゃったから、二回目の人も居ますよね」
・ですね!!
・はいかわいいいいいい
・胸でっか
・あの子か!
・誰?
・蓮くんが助けた子や
・女子高生だぁあああああああああ
「ゆの、って言います」
配信ではフルネームではなく、下の名前だけでいこうと決めてある。どの道、顔も出しているのですぐに身元はバレるし隠すつもりはないが。
「知っている人もいると思いますが、前にモンスターに襲われているところを蓮くんに助けてもらって。ね、蓮くん?」
「う、うん」
・相変わらずガチガチw
・『蓮くん』か~
・声やさしいな
・蓮くん、もっと寄ってあげてw
・姉弟かな?
・初々しいなこいつら…っていうか特に蓮くんw
「それで色々あって、蓮くんのアシスタントとして出してもらうことになりました」
・色々(意味深)
・くわしく
・アイビス所属ってこと?
・もともと関係者だったんかやっぱ
「いいえ、違うんです。あの時はたまたま学校の行事で来てただけなんです。そのあと、本当に偶然再会して――」
助けてくれた蓮に憧れて、戦闘を教えてもらうことになって、マネージャーを交えて相談したところアルバイトとして参加させてもらえることになった――
という経緯を、かいつまんで淀みなく説明する結乃。やっぱり、蓮のトークよりよっぽど上手だ。
・カップルチャンネルになるってこと?
・『れんゆの』だ
「あ、2人で配信させてもらうこともあるんですけど、私はアシスタントで蓮くんの弟子っていう感じで……」
チラリ、と結乃からの視線。彼女ばかりがしゃべっていてはバランスが悪い。
「僕だけのソロ配信はこれからもやる予定だから……バトルがメインになるかもだけど」
・おおマジか!
・良かった
・助かる!
・両方見たいな
・2人でも探索してくれ
「やっぱりみんなも、蓮くんの戦闘が見たいんですね」
・ですね!
・ゆのちゃんも見たいっす
・ゆのさん何歳ですか?
・蓮くんの戦闘は万病に効くんよ
・戦闘中の蓮くんさんはカッコいいしな
・普段は頼りないけどw
「え」
結乃は首をかしげて、
「蓮くんはいつもカッコいいですよ?」
・はぁあああ!?w
・言うねぇww
・おいおい誰か式場持ってこい
・早速のろけてて草
「あ、ああっと、今のなしで……いやなしじゃないよ、蓮くん!?」
・照れとる照れとるww
・ゆのちゃんいいね
・れんゆの推し決まったわ
「えーっと、何でしたっけ! 私の年齢? 聞いてる人もいましたね。いま16歳で、高校2年生です」
・ガチ女子高生だぁああああああ
・4歳差か、それ以上にも見えるな
・ママ味あるからしゃーない
・この胸で16歳は無理がある
・年上ええやん、蓮くんにはピッタリな気がする
・てかゆのちゃん、話題そらしたねw
「私のほうが学年は上だけど、ダンジョンでの経験とか戦闘とか、蓮くんには全然敵わなくて。だから皆さんと一緒に蓮くんの強さをたくさん知れたらいいなって、そう思ってます」
・ええやん、一緒に蓮くん推してこ
・俺は2人を推すぞ
・ダンジョンデート配信見てみたいです!
・私もカップル配信好きー!
・蓮くんさんのバトル、勉強になるから助かる
一度しどろもどろになったのに、見事に立て直す結乃。ほどよくコメントを拾って回答し、たまにあるセクハラ気味なコメントは自然にスルー。
リスナーとの対話はこうやるのかと、結乃を間近で見ながら勉強する。戦闘は蓮が教える側だが、こういうコミュニケーション能力は結乃から学んでばかりだ。
結乃のトークのおかげで、配信の滑り出しは今までになく好調。カップル配信への拒絶反応も、チャットを見ている限りはそれほどではない。
大多数のリスナーが好意的なので、アンチコメントを打ちづらくなっているせいもあるだろう。そういう連中は得てして、あとから見えないところで吠えるもの――と、衛藤は言っていた。
それは覚悟しているし、ある程度は仕方ない。それも感想のひとつだ。
……だが。
中には、看過できないコメントもある。
・いやブスじゃん
・全然可愛くないが
「…………は?」
爆速のチャット欄でも、蓮は見逃さない。見逃せない。
「いまなんて書いてた?『ブス』?」
「蓮くん?」
・あ
・やべ
・スイッチ入ったぞww
・スイッチ入るの早すぎだろw
・目つき変わったw
・蓮くん戦闘モードきちゃ?
「どこ見て言ってんの? アンタだよ、アカウント名も見えてんだけど?」
・この高速チャット拾えてんのかw
・一瞬で垢名まで覚えてんの草
・蓮くんさんだぞ? そんなの余裕に決まってんじゃねーか
「『ブス』とか、ふざけてるでしょ。具体的に言ってみてよ、否定してやるから」
・蓮くんステイ!!w
・リスナーに全力でケンカを売る配信者の鑑w
・信じられるか?これでまだ配信3回目なんだぜ?
・あーあアンチコメさん終わったな
・こうなった蓮くんは止められないぞw
・自分からカメラに寄ってくる蓮くんレア
・ガチ恋距離助かるw
・なるほど、怒らせたら近寄ってくるのか
「れ、蓮くん……!」
配信用カメラを掴んで睨みつけていた蓮の肩に、結乃の手が添えられる。
「私は平気だから、だから落ち着こ?」
「結乃が良くても僕が良くない。許せない」
・ん?
・ゆのって呼んだ?
・おっともう呼び捨てか!?
「ありがと蓮くん、怒ってくれて。でもね、本当に大丈夫だから」
至って優しい、いつも通りの声音で結乃は微笑む。
「蓮くんがそう思ってくれてるだけで、私は嬉しいよ? そうじゃないって、思ってくれてるんだもんね?」
「それは……もちろん」
「他の人にどう思われても、蓮くんがそう言ってくれるだけで私は嬉しいの。ありがとう」
「…………。うん」
・おい大人しくなったぞw
・スン…ってなったw
・これ師匠と弟子じゃなくて狂犬と飼い主だな?(名推理)
・もう調教されとるw
◎てぇてぇ代
・はよ結婚せぇ!w
チャット欄は、今日一番の盛り上がりを見せた。
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