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あさのゆめ
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ねえ、紫苑ちゃん。
ねえ、ほら。
ぼくは君をまってるよ。
ずうっと、君をまってるよ。
────はっ。
紫苑はぱちりと目をさましました。
「…ゆめ…?」
あれはだれかしら。
あの声は、だれだったのかな。
「ふしぎなゆめ…」
こんなふしぎなゆめを見たのははじめてのことでした。
ふと、空を見あげます。
きょうも、空はきれいな青色です。
「おはよう。おひさま」
へんじはありません。
そのはずです。
だって、おひさまはおはなしすることはできないのですから。
そっと空に手をのばします。
やはり、きらきらするおひさまにふれることはできません。
「…まぶしい、な」
つぶやく紫苑は、ほんのすこしだけ、目をほそくしました。
けれどまた、紫苑は空へ手をのばしました。
「……おひさま。わたしがしんだら、あなたにとどくかな」
いつだったか、お医者さんがいっていました。
もう、ながくないでしょうと。
生きていられて、あと────。
「あと、半月……」
せまり来るそのとき。
小さなしょうじょの、大きすぎるものは、さけることのできないげんじつでした。
「お手紙、かいてみよう」
つくえのひきだしから、紙とペンを出しました。
それをひろげて、紫苑はペンを動かしはじめます。
────はいけい。
はいけい、あなたへ────。
ねえ、ほら。
ぼくは君をまってるよ。
ずうっと、君をまってるよ。
────はっ。
紫苑はぱちりと目をさましました。
「…ゆめ…?」
あれはだれかしら。
あの声は、だれだったのかな。
「ふしぎなゆめ…」
こんなふしぎなゆめを見たのははじめてのことでした。
ふと、空を見あげます。
きょうも、空はきれいな青色です。
「おはよう。おひさま」
へんじはありません。
そのはずです。
だって、おひさまはおはなしすることはできないのですから。
そっと空に手をのばします。
やはり、きらきらするおひさまにふれることはできません。
「…まぶしい、な」
つぶやく紫苑は、ほんのすこしだけ、目をほそくしました。
けれどまた、紫苑は空へ手をのばしました。
「……おひさま。わたしがしんだら、あなたにとどくかな」
いつだったか、お医者さんがいっていました。
もう、ながくないでしょうと。
生きていられて、あと────。
「あと、半月……」
せまり来るそのとき。
小さなしょうじょの、大きすぎるものは、さけることのできないげんじつでした。
「お手紙、かいてみよう」
つくえのひきだしから、紙とペンを出しました。
それをひろげて、紫苑はペンを動かしはじめます。
────はいけい。
はいけい、あなたへ────。
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