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パシュームのかおり
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鞠子に出会ったのは、正月が明けて知人の結婚式に招待された時だった。
新婦の友人ということで隣のテーブル席にいた。
何処と無く妖艶な感じがする女性だった。
一通り式が終わり、新郎の祐輔から近くのレストランでの2次会へ誘われて、その時隣の席に座ったのが鞠子との出会いだった。
隣の席に座ると何処と無く爽やかな香りが漂っていた。
2次会の乾杯をして「いい香りですね」そう言うと
「雪の香りという香水なんです。初めて使ってみました」
「私は新婦の麗さんの友人の宮脇鞠子といいます。よろしくね」そう言われ
「私は、新郎の祐輔の従弟の立花圭と言います。よろしくお願いします」
圭は「この香水、私は好きですよ。何となく気持ちが休まります」
鞠子は「良かったです。そう言われると、、初めて使うときは凄く気になるんです。回りにどんな反応があるか気になって、
圭さんからそう言われて安心しました」
レストランは貸しきりにしてあったことから、カラオケで盛り上がっていた。
二人で話していると、祐輔が来て「お二人さん仲良いですね」そう言われて鞠子さんは顔を赤くしていた。
圭は「まだ出会ったばかりですから冷やかさないで下さい。祐輔さん」
「招待されて良かったです。鞠子さんに出会えたんですから、、、」
祐輔は「まぁ、仲良くね、、、」と言って、新婦の麗さんの席に戻った。
一通りカラオケも終わり、2次会も打ち上げの頃になり、お開きとなった。
圭は「鞠子さんにまた会いたいですね、良かったら連絡先交換しませんか?」そう言われ、
鞠子さんは「そうですね、またお会いしたいですね」
「今度は二人だけで」と言われ、圭は「そうですね」といい、連絡先を交換した。
二人は新郎新婦に挨拶をしてレストランを後にした。
駅までは一緒に行き、そこで鞠子さんと別れて家に帰った。
帰ってから一風呂浴びていると携帯が鳴り、出てみると鞠子さんからで「今日はありがとうございました。次回会うのが楽しみです。
もし、よろしければ、今度の週末にでもお会いしましょう」そう言われ、
早くも鞠子さんからの電話が来たことに驚き同時に嬉しかった。
圭は「そうですね。週末の夕方に電話しますのでその頃に会いましょう」そういって電話を切った。
圭は翌日からは鞠子さんに会えることばかり考えて気分が明るくなっていた。
そして、週末になり、仕事を終わらせてから鞠子さんに電話をして6時頃に渋谷で待ち合わせて、レストランに向かった。
この店はピザの美味しい店で圭は以前にも何度か足を運んだことがある店だった。
ワインをグラスについでもらい再会の乾杯をした。
鞠子さんは結婚式とは違うエレガントな服装で来てくれた。ワインを飲みながら、お互いのことを語り合った。
「そういえば麗から昨日、新婚旅行から帰ってきてお土産もらいました。なんか羨ましいです。
二人とも南の島で過ごしていたので肌も大分焼けていました」
圭は「昨日帰っていたんですか?」
「仲のいい二人で羨ましいですよね。私もそろそろ結婚しろと親から言われています」
「鞠子さんはいくつですか?」
「私は26ですが圭さんは」
「28です。お互いいい年ですね」そう言われて鞠子さんは笑った。
「私も父親から早く嫁にいけと言われていますが、何しろ相手が居ないので…。
それを親に言うと見合いしろと言われるので父親には会わないようにしています」
「そうでしたか」
圭は「鞠子さん今月末に温泉に行きませんか?」
「湯西川温泉でかまくら祭をやっているので、湯西川温泉の風物詩みたいなので楽しいかと思いますが」
鞠子は「私も一度、行ってみたかったんです。そのかまくら祭に麗が以前行ったことがあり、
凄く感動するからいって見るといいですよと言われていました」
「そうだったんですか。それなら誘いがいがありますね。2月の始めにいきましょうか?」
「そうですね、予定を開けておきますね」と鞠子さんは言った。
ワインも大分飲んで体が暖まったところで店を後にした。
帰りに酔いを冷ましに公園を散歩した。
二人がベンチに座って休みかけたときに、圭は鞠子の唇に口づけをした。鞠子は何も言わずにそれを受け入れて、二人は抱き合った。
二人の静かな時間だけが過ぎていった。
冷たい風が体に当たり、圭は「うちに来ませんか?」と言ったら、鞠子さんは「はい」と返事をして
「今日は圭さんと一緒にいたい」と言って抱きついた。
圭は肩を抱いて、通りに出て、タクシーを止めて、圭のマンションに向かった。
エレベーターに乗り10階の左の部屋の鍵を開けて中に入った。
部屋の中はひんやりしていたので、エアコンのスイッチを入れて温かくした。
鞠子さんを居間に移動させて、軽い摘まみとビール缶を用意して圭は持ってきた。
二人は乾杯をして、ビールを飲み干した。
圭は鞠子を抱き締めて口づけをしていくと、鞠子はそれを受け入れた。圭は鞠子さんの服を脱がそうとしたら「少し待ってください。
シャワーを浴びたいので」と言って立ち上がった。
圭は「わかりました」と言ってバスタオルを鞠子さんに渡して浴室に向かった。
5分もしたら浴室からシャワーの音が聞こえ、圭がバスローブに着替えていたら、鞠子さんがバスタオルを胸に巻いて出てきた。
入れ替わりに圭が入って、シャワーを頭から浴びて、その日の汗を流して、浴室から出てきた。
鞠子さんは缶ビールの残りを飲み干して、テレビを見ていた。
圭は鞠子さんを誘ってベッドのある部屋に移動した。
二人はそこで裸になり、抱き合って口づけをした。鞠子の乳房が圭の胸に触れ、その暖かさを体で感じた。
圭は指先を乳首に触れて、お互いの気持ちを高めていった。
お互いの気持ちが高ぶったときに最高の興奮を味わった。鞠子は今までに味わったことのない快感に身を投じた。
そして、二人は疲れ果ててベッドに横になり、圭は天井を眺めていた。
鞠子は大きく息をして圭にしなだれた。
何もしない時間が過ぎた。
圭が浴室に向かうとその後を鞠子も着いて行き、二人で頭からシャワーを浴びてからバスタオルで体を拭くと、
そのままベッドで圭の腕まくらで静かに眠りに着いた。
圭が朝、目が覚めたら鞠子が近くのコンビニエンスストアで朝食を買ってきて準備をしていた。
「おはよう」と言ったら「おはよう」と答えてくれた、圭はそんな一言が何とも言えないくらいに嬉しかった。
圭は起きてそのままシャワーを浴びて、スッキリした気分で朝食を食べることにした。
浴室から出るとコーヒーの香りがしてきた。
バスローブを着て居間に行くと鞠子さんはすべて朝食の準備を終わらせて待っていてくれた。
圭はコーヒーを飲みながら食事をし、湯西川温泉に予約を入れてから鞠子はひとまず家に帰った。
それから2週間が過ぎ、予定の湯西川温泉にバスで出掛けた。
夕方前にはホテルに着いた。ちょうど湯西川温泉ではかまくら祭が開かれていて、雪の中に小さなかまくらがいくつも作られていた。
夜に食事を終わらせてから、この風景を見たら、青白く光る風景は幻想的だった。
鞠子さんもこの幻想的な風景には心を奪われていた。
そして、わずかに香る香水に圭も癒された。
外から帰ってきて、鞠子さんに「前にも聞いたことがありますが、すごく気に入ってしまいこの香水に興味を持ちました」
「凄く香りがよく気持ちいいです」そう言われ、
鞠子は「これは、NIVALISの雪の香りと言います。冬の朝の冷たさに雪解けを感じるような香水です」
「1年ぐらい前からこの香水を使い始めました。圭さんが気に入ってくれて良かったです」
「私も使い初めてから凄く気に入りました」
「外から帰ったばかりで寒いのでこれから温泉に行きませんか?」
「時間も遅かったのでこのホテルにある薬師の湯に入りませんか?」
「ここは確か家族風呂なので誰も来ないので、、」
鞠子は「私も寒かったので入りましょう」そういってタオルをもって、二人で浴室に入った。
浴室は少し薄暗く、外ではちらほらと雪が降っていた。
心身と寒さが伝わる中で温泉の中だけはその寒さを防いでくれた。
二人は湯の中に入り、手足を伸ばしてゆっくりした。
鞠子の体は温泉の湯を弾いてその暖かさで肌の色をより鮮やかにした。圭は後ろから鞠子を抱きしめて軽く口づけをした。
圭は「温泉に行けて良かった、、、鞠子さんとこういう時間も楽しい時間ですよ」そう言われ、鞠子は赤い顔でうつむいた。
体が暖まったところで湯から出て、バスタオルで拭いて浴衣を着て部屋に戻った。
冷蔵庫からビールを持ってきて、二人でそれを分けあって飲み干し、そのまま布団に横になった。
部屋の中はちょうどいい具合に暖まっていて、圭は鞠子の浴衣の紐を解いた。二人は裸になり、そこにはさっきまで見ていた二人の体があった。
圭は鞠子を抱き締めて口づけをして、お互いの暖かさを胸で感じ激しく鞠子を求めた。
圭にとって鞠子を抱くということはお互いが一つになり、そして大きな存在になって行くことだった。
ふっと、鞠子の体からあの香水の香りがした。
そして、何とも言えない心地よい気持ちになった。この香りが鞠子の存在を明らかにした。
二人は裸のまま夜を過ごし、いつの間にか寝てしまった。
翌朝、目を覚まして窓の外を見たら昨日より雪が降っていた。
窓を開けたら冷たい風と共に雪が部屋の中まで入ってきた。その寒さで圭も目を覚ました。
圭は「鞠子さんお風呂に入りませんか?」そう言われ「そうですね」と言って、二人はタオルを持って家族風呂に向かった。
朝、早かったのか誰も使っていなかったので、名札を変えて二人で入った。
裸になって中に入り、湯を体に濡らして中に入ると、その暖かさが体に染みた。
圭は「こうやって鞠子さんを見ていると凄くスリムな女性だと気がついた」湯の中で抱きしめると鞠子は「恥ずかしい」と言って圭から離れた。
体が暖まったのでバスタオルで体を拭いて浴室を後にした。途中、鞠子さんは先に部屋に戻り、圭はラウンジに新聞を見に来た。
新聞を手にして空いてる席に座ろうとしたら、何処かで見たことのあるような女性がメールを打っていた。
お互い目が合い「あぁ、、、立花さんですか?」そう言われ
「はい、貴女はもしかして佐伯理名さんですよね」
「お久しぶり」
「どうしてここに、、、」
「会社の女友達とかまくら祭見に来ました」
「立花さんは?」
「ちょっと知り合いとここに来ています」
「そうですか、、、高校卒業以来ですね」
「もう結婚したんですか?」そう言われ
圭は「まだまだですよ」
「佐伯さんは?」
「私もまだです。なかなかいい人が見つからなくて、、」
そこに浴衣を着た二人連れの女性が来たので「立花さんちょっと待ってください」と言われ、
フロントから紙とペンを借りて、連絡先を書いた紙を渡して「暇なときに電話下さい」と言って二人連れの女性の所に合流した。
圭は新聞を一通り目を通して部屋に戻った。
部屋では鞠子さんがテレビを見ていて、朝食を待っていた。さっそく鞠子さんとレストランに出かけ朝食を取った。
朝はバイキングだったのでお互い好きなものを集めて朝食にした。
圭はご飯を主に、鞠子さんはパンを主に揃えて食べた。最後にコーヒーを飲んでレストランを後にした。
午前中は部屋でゆっくりして、午後からかまくら祭を散策した。いろんなところを回り夕方になってしまった。
体が冷えていたので温泉で体を暖めてから夕食にした。
たまにはということで地元の日本酒を飲んで夕食を食べた。
ところが鞠子さんは思った以上に酔ってしまい、少し早めに布団に入って休んでしまった。
圭はしばらくはテレビを見ていたが、そこに携帯が鳴り、出て見ると理名さんからだった。
「二人の女性が出かけてしまい今は一人でいるの、久しぶりに会えたので、もし良かったら話したいなと思い電話しました」
圭もちょうど時間が空いたので「フロント横のロビーで会いましょう」そういって10分後にロビーで会った。
「佐伯さんに久々に会えて懐かしい思いがします。高校の時は憧れていたんです」
圭も「私もです。なんか懐かしいですね」
「そうですね」
「そう言えば圭さんここには誰と着たんですか?」
「私の友人の結婚式の時に出会った人とここに来ています」
「その人女性ですか?」
「はい、、、今、お酒に酔って先に休んでいます」
「やることがなく風呂にいこうかと思っているところに理名さんから電話がありました」
「私もやることがなくそれで電話しました」
「どうせなら温泉に行きませんか?」
「ここ混浴もあるので、一緒に入りませんか?」
「えぇ、、混浴あるんですか?」
「はい、、、理名さんはいいんですか?」
「混浴、、はい、いいですよ」そういって
「では、用意をして竹の湯の前で待っています」10分後に竹の湯の前に行くと理名さんが先に待っていた。
二人で中に入り、浴衣を脱いで浴室に入った。
圭は高校時代に憧れていた理名さんとこうやって入れたことで興奮をしてしまった。理名さんも興奮したのか、顔が赤くなっていた。
ふっと、圭は理名を抱き締めた。二人は口づけをして、高校時代の時の思いを今実現した気持ちになれた。
湯の中でも乳房を揉みながら指先で乳首を刺激した。理名は切ない声を出しながら、悶えだした。二人はお湯の中で激しく求め合った。
湯が激しく揺れて一つになった時にそのまま体を湯に浸した。一時の癒しが現実から離れて、憧れの時に時間を戻してくれた。
そして、二人は何も言わず浴室を出て部屋に戻った。
部屋に戻ると鞠子さんは一人テレビを見ていた、圭は「風呂に行っていた、いい湯だったよ」
「鞠子さんも入ってきなさい」と言った。
鞠子は「私は明日の朝に入ります」と言って、見ていたテレビをそのまま見た。
圭は何も言わずに鞠子いているテレビを見た。
11時を過ぎ、そろそろ寝ようとした時に鞠子が圭の布団の中に潜ってきて、圭の浴衣を脱がしたが、
圭は湯疲れして「今日はこのまま寝たい」と言って背中を向けて寝てしまった。
鞠子は風呂には朝入る予定だったが気が変わりタオルを持ってそのまま浴室に出かけてしまった。
鞠子は一人温泉に入り湯に浸かっていた。
そこに二人連れの女性客が入って来て、少し賑やかになった。
話している内に気が合って二人の女性はもう一人一緒に来ている女性のことを話していた。
「ここで高校時代のクラスメートに会ったんだって、珍しいことで喜んでいたんです、、、」それを聞いて、そういうこともあるんだなと感心した。
鞠子は「その女性の方、一緒になれたらいいですね」そう話したら、二人の女性は「そうですね」と話した。
鞠子は湯に入りすぎたので一足早くそこを離れて部屋に戻った。そして、そのまま寝た。
翌朝、レストランに行くと昨日の女性ともう一人の女性に出会った。その時、圭さんの態度も変わった。
二人の女性は「高校のクラスメートて鞠子さんの連れの方ですか?」圭は「理名さんのクラスメートです」と話した。
二人の女性は「私達食事後にここを離れます」
「鞠子さん達は?」そう聞かれ
「私達も食事後にお土産を買って帰る予定です」
二人の女性は「圭さんにとってはいい思い出でしたね。なかなかこんな偶然ありませんから、、、」
圭は「そうですね」
「理名さんも元気でいてくださいね」そういって別れた。
鞠子は「こんな偶然もあるんですね。なんかドラマみたいですよ」そういって朝食にした。
その後にお土産を買って二人はホテルを後にした。
帰りのバスでは何となく話すこともなく、東京に戻った。
あれから3日後に電話で理名さんから「先日はどうもありがとう。今日暇でしたらお会いできませんか?」
そう言われ圭は「仕事の後なら」と言うことで夕方、渋谷で会うことにした。
居酒屋で待ち合わせて、食事をしながらお酒を飲んだ。
よもやま話で学生時代のことで盛り上がり終電を乗り越してしまい、やむなくホテルに泊まることにした。
なだれ込むようにホテルに入り、二人は抱き合って口づけをした。
その瞬間に燃え上がり、着ている物を脱いで熱く抱き合った。
この先に行こうかとしたら理名は「シャワーを浴びて来たいの」と言って浴室に消えた。
しばらくして、シャワーの音が聞こえたので圭もその中に加わり、二人できゃあきゃあ言いながら身体中にシャワーを浴びてから浴室を出た。
そのままベッドにも連れ合うように倒れて、二人は抱き合った。
高校時代には初々しかった理名も丸みを帯びた大人になっていた。そして、すべてを解放したように一つになった。
理名は「もう離れたくない」と言った。
圭は、静かにこの言葉を噛み締めた。
その週の木曜日に鞠子から電話があり「週末に圭の部屋に遊びに行きたい」ことを話したら、
圭から「仕事が立て込んでいて遅くなるので、ポストに鍵を入れて置くから先に入ってください」と言われ、
金曜日の夕方に夕食の材料を買って部屋の中に入った。
圭の部屋は質素な部屋で余り物がなかった。鞠子は家から持ってきたエプロンでシチューを作ることにした。
完成して圭の帰りを待っていたが時を過ぎても連絡がなく、待ちわびていた。9時頃になって、やっと、連絡が来たがどうも誰かと一緒の感じがした。
圭は仕事が6時頃に終わり、帰ろうとした頃に理名さんから電話があり、話があると言われ、
そのまま会いに行ってしまいその流れでホテルまで来てしまった。
そこで電話を掛けたことから、鞠子は「もしかしてと、、そこに誰かいますか?」と聞いてみたら、、奥で女性の声が聞こえ、、
圭は「誰もいないです。これから帰ります」と言って電話を切った。
鞠子は一通の手紙を置いて部屋を出ていった。
11時を過ぎた頃にやっと、部屋に帰り中に入ると鞠子はもう居なかった。
机の上に料理が置かれてその横に手紙が置かれていた。中を見たら、
圭さんへ
あのかまくら祭の時から何か異変を感じていました。
やはりその時出会った。理名さんと会っていたんですね。
もう私の手の届かないところに行ってしまったんですね。
寂しい限りです。
私もこれを気に実家に帰ることにします。
鞠子
手紙の中には節々に涙で濡れた後が残っていた。
そして、あのパフュームの香りがした。
圭はすぐに鞠子に電話を掛けたがもう、鞠子の声が聞けることはなかった。
自分の浅はかな行動に初めて気づき瞼に涙した。
新婦の友人ということで隣のテーブル席にいた。
何処と無く妖艶な感じがする女性だった。
一通り式が終わり、新郎の祐輔から近くのレストランでの2次会へ誘われて、その時隣の席に座ったのが鞠子との出会いだった。
隣の席に座ると何処と無く爽やかな香りが漂っていた。
2次会の乾杯をして「いい香りですね」そう言うと
「雪の香りという香水なんです。初めて使ってみました」
「私は新婦の麗さんの友人の宮脇鞠子といいます。よろしくね」そう言われ
「私は、新郎の祐輔の従弟の立花圭と言います。よろしくお願いします」
圭は「この香水、私は好きですよ。何となく気持ちが休まります」
鞠子は「良かったです。そう言われると、、初めて使うときは凄く気になるんです。回りにどんな反応があるか気になって、
圭さんからそう言われて安心しました」
レストランは貸しきりにしてあったことから、カラオケで盛り上がっていた。
二人で話していると、祐輔が来て「お二人さん仲良いですね」そう言われて鞠子さんは顔を赤くしていた。
圭は「まだ出会ったばかりですから冷やかさないで下さい。祐輔さん」
「招待されて良かったです。鞠子さんに出会えたんですから、、、」
祐輔は「まぁ、仲良くね、、、」と言って、新婦の麗さんの席に戻った。
一通りカラオケも終わり、2次会も打ち上げの頃になり、お開きとなった。
圭は「鞠子さんにまた会いたいですね、良かったら連絡先交換しませんか?」そう言われ、
鞠子さんは「そうですね、またお会いしたいですね」
「今度は二人だけで」と言われ、圭は「そうですね」といい、連絡先を交換した。
二人は新郎新婦に挨拶をしてレストランを後にした。
駅までは一緒に行き、そこで鞠子さんと別れて家に帰った。
帰ってから一風呂浴びていると携帯が鳴り、出てみると鞠子さんからで「今日はありがとうございました。次回会うのが楽しみです。
もし、よろしければ、今度の週末にでもお会いしましょう」そう言われ、
早くも鞠子さんからの電話が来たことに驚き同時に嬉しかった。
圭は「そうですね。週末の夕方に電話しますのでその頃に会いましょう」そういって電話を切った。
圭は翌日からは鞠子さんに会えることばかり考えて気分が明るくなっていた。
そして、週末になり、仕事を終わらせてから鞠子さんに電話をして6時頃に渋谷で待ち合わせて、レストランに向かった。
この店はピザの美味しい店で圭は以前にも何度か足を運んだことがある店だった。
ワインをグラスについでもらい再会の乾杯をした。
鞠子さんは結婚式とは違うエレガントな服装で来てくれた。ワインを飲みながら、お互いのことを語り合った。
「そういえば麗から昨日、新婚旅行から帰ってきてお土産もらいました。なんか羨ましいです。
二人とも南の島で過ごしていたので肌も大分焼けていました」
圭は「昨日帰っていたんですか?」
「仲のいい二人で羨ましいですよね。私もそろそろ結婚しろと親から言われています」
「鞠子さんはいくつですか?」
「私は26ですが圭さんは」
「28です。お互いいい年ですね」そう言われて鞠子さんは笑った。
「私も父親から早く嫁にいけと言われていますが、何しろ相手が居ないので…。
それを親に言うと見合いしろと言われるので父親には会わないようにしています」
「そうでしたか」
圭は「鞠子さん今月末に温泉に行きませんか?」
「湯西川温泉でかまくら祭をやっているので、湯西川温泉の風物詩みたいなので楽しいかと思いますが」
鞠子は「私も一度、行ってみたかったんです。そのかまくら祭に麗が以前行ったことがあり、
凄く感動するからいって見るといいですよと言われていました」
「そうだったんですか。それなら誘いがいがありますね。2月の始めにいきましょうか?」
「そうですね、予定を開けておきますね」と鞠子さんは言った。
ワインも大分飲んで体が暖まったところで店を後にした。
帰りに酔いを冷ましに公園を散歩した。
二人がベンチに座って休みかけたときに、圭は鞠子の唇に口づけをした。鞠子は何も言わずにそれを受け入れて、二人は抱き合った。
二人の静かな時間だけが過ぎていった。
冷たい風が体に当たり、圭は「うちに来ませんか?」と言ったら、鞠子さんは「はい」と返事をして
「今日は圭さんと一緒にいたい」と言って抱きついた。
圭は肩を抱いて、通りに出て、タクシーを止めて、圭のマンションに向かった。
エレベーターに乗り10階の左の部屋の鍵を開けて中に入った。
部屋の中はひんやりしていたので、エアコンのスイッチを入れて温かくした。
鞠子さんを居間に移動させて、軽い摘まみとビール缶を用意して圭は持ってきた。
二人は乾杯をして、ビールを飲み干した。
圭は鞠子を抱き締めて口づけをしていくと、鞠子はそれを受け入れた。圭は鞠子さんの服を脱がそうとしたら「少し待ってください。
シャワーを浴びたいので」と言って立ち上がった。
圭は「わかりました」と言ってバスタオルを鞠子さんに渡して浴室に向かった。
5分もしたら浴室からシャワーの音が聞こえ、圭がバスローブに着替えていたら、鞠子さんがバスタオルを胸に巻いて出てきた。
入れ替わりに圭が入って、シャワーを頭から浴びて、その日の汗を流して、浴室から出てきた。
鞠子さんは缶ビールの残りを飲み干して、テレビを見ていた。
圭は鞠子さんを誘ってベッドのある部屋に移動した。
二人はそこで裸になり、抱き合って口づけをした。鞠子の乳房が圭の胸に触れ、その暖かさを体で感じた。
圭は指先を乳首に触れて、お互いの気持ちを高めていった。
お互いの気持ちが高ぶったときに最高の興奮を味わった。鞠子は今までに味わったことのない快感に身を投じた。
そして、二人は疲れ果ててベッドに横になり、圭は天井を眺めていた。
鞠子は大きく息をして圭にしなだれた。
何もしない時間が過ぎた。
圭が浴室に向かうとその後を鞠子も着いて行き、二人で頭からシャワーを浴びてからバスタオルで体を拭くと、
そのままベッドで圭の腕まくらで静かに眠りに着いた。
圭が朝、目が覚めたら鞠子が近くのコンビニエンスストアで朝食を買ってきて準備をしていた。
「おはよう」と言ったら「おはよう」と答えてくれた、圭はそんな一言が何とも言えないくらいに嬉しかった。
圭は起きてそのままシャワーを浴びて、スッキリした気分で朝食を食べることにした。
浴室から出るとコーヒーの香りがしてきた。
バスローブを着て居間に行くと鞠子さんはすべて朝食の準備を終わらせて待っていてくれた。
圭はコーヒーを飲みながら食事をし、湯西川温泉に予約を入れてから鞠子はひとまず家に帰った。
それから2週間が過ぎ、予定の湯西川温泉にバスで出掛けた。
夕方前にはホテルに着いた。ちょうど湯西川温泉ではかまくら祭が開かれていて、雪の中に小さなかまくらがいくつも作られていた。
夜に食事を終わらせてから、この風景を見たら、青白く光る風景は幻想的だった。
鞠子さんもこの幻想的な風景には心を奪われていた。
そして、わずかに香る香水に圭も癒された。
外から帰ってきて、鞠子さんに「前にも聞いたことがありますが、すごく気に入ってしまいこの香水に興味を持ちました」
「凄く香りがよく気持ちいいです」そう言われ、
鞠子は「これは、NIVALISの雪の香りと言います。冬の朝の冷たさに雪解けを感じるような香水です」
「1年ぐらい前からこの香水を使い始めました。圭さんが気に入ってくれて良かったです」
「私も使い初めてから凄く気に入りました」
「外から帰ったばかりで寒いのでこれから温泉に行きませんか?」
「時間も遅かったのでこのホテルにある薬師の湯に入りませんか?」
「ここは確か家族風呂なので誰も来ないので、、」
鞠子は「私も寒かったので入りましょう」そういってタオルをもって、二人で浴室に入った。
浴室は少し薄暗く、外ではちらほらと雪が降っていた。
心身と寒さが伝わる中で温泉の中だけはその寒さを防いでくれた。
二人は湯の中に入り、手足を伸ばしてゆっくりした。
鞠子の体は温泉の湯を弾いてその暖かさで肌の色をより鮮やかにした。圭は後ろから鞠子を抱きしめて軽く口づけをした。
圭は「温泉に行けて良かった、、、鞠子さんとこういう時間も楽しい時間ですよ」そう言われ、鞠子は赤い顔でうつむいた。
体が暖まったところで湯から出て、バスタオルで拭いて浴衣を着て部屋に戻った。
冷蔵庫からビールを持ってきて、二人でそれを分けあって飲み干し、そのまま布団に横になった。
部屋の中はちょうどいい具合に暖まっていて、圭は鞠子の浴衣の紐を解いた。二人は裸になり、そこにはさっきまで見ていた二人の体があった。
圭は鞠子を抱き締めて口づけをして、お互いの暖かさを胸で感じ激しく鞠子を求めた。
圭にとって鞠子を抱くということはお互いが一つになり、そして大きな存在になって行くことだった。
ふっと、鞠子の体からあの香水の香りがした。
そして、何とも言えない心地よい気持ちになった。この香りが鞠子の存在を明らかにした。
二人は裸のまま夜を過ごし、いつの間にか寝てしまった。
翌朝、目を覚まして窓の外を見たら昨日より雪が降っていた。
窓を開けたら冷たい風と共に雪が部屋の中まで入ってきた。その寒さで圭も目を覚ました。
圭は「鞠子さんお風呂に入りませんか?」そう言われ「そうですね」と言って、二人はタオルを持って家族風呂に向かった。
朝、早かったのか誰も使っていなかったので、名札を変えて二人で入った。
裸になって中に入り、湯を体に濡らして中に入ると、その暖かさが体に染みた。
圭は「こうやって鞠子さんを見ていると凄くスリムな女性だと気がついた」湯の中で抱きしめると鞠子は「恥ずかしい」と言って圭から離れた。
体が暖まったのでバスタオルで体を拭いて浴室を後にした。途中、鞠子さんは先に部屋に戻り、圭はラウンジに新聞を見に来た。
新聞を手にして空いてる席に座ろうとしたら、何処かで見たことのあるような女性がメールを打っていた。
お互い目が合い「あぁ、、、立花さんですか?」そう言われ
「はい、貴女はもしかして佐伯理名さんですよね」
「お久しぶり」
「どうしてここに、、、」
「会社の女友達とかまくら祭見に来ました」
「立花さんは?」
「ちょっと知り合いとここに来ています」
「そうですか、、、高校卒業以来ですね」
「もう結婚したんですか?」そう言われ
圭は「まだまだですよ」
「佐伯さんは?」
「私もまだです。なかなかいい人が見つからなくて、、」
そこに浴衣を着た二人連れの女性が来たので「立花さんちょっと待ってください」と言われ、
フロントから紙とペンを借りて、連絡先を書いた紙を渡して「暇なときに電話下さい」と言って二人連れの女性の所に合流した。
圭は新聞を一通り目を通して部屋に戻った。
部屋では鞠子さんがテレビを見ていて、朝食を待っていた。さっそく鞠子さんとレストランに出かけ朝食を取った。
朝はバイキングだったのでお互い好きなものを集めて朝食にした。
圭はご飯を主に、鞠子さんはパンを主に揃えて食べた。最後にコーヒーを飲んでレストランを後にした。
午前中は部屋でゆっくりして、午後からかまくら祭を散策した。いろんなところを回り夕方になってしまった。
体が冷えていたので温泉で体を暖めてから夕食にした。
たまにはということで地元の日本酒を飲んで夕食を食べた。
ところが鞠子さんは思った以上に酔ってしまい、少し早めに布団に入って休んでしまった。
圭はしばらくはテレビを見ていたが、そこに携帯が鳴り、出て見ると理名さんからだった。
「二人の女性が出かけてしまい今は一人でいるの、久しぶりに会えたので、もし良かったら話したいなと思い電話しました」
圭もちょうど時間が空いたので「フロント横のロビーで会いましょう」そういって10分後にロビーで会った。
「佐伯さんに久々に会えて懐かしい思いがします。高校の時は憧れていたんです」
圭も「私もです。なんか懐かしいですね」
「そうですね」
「そう言えば圭さんここには誰と着たんですか?」
「私の友人の結婚式の時に出会った人とここに来ています」
「その人女性ですか?」
「はい、、、今、お酒に酔って先に休んでいます」
「やることがなく風呂にいこうかと思っているところに理名さんから電話がありました」
「私もやることがなくそれで電話しました」
「どうせなら温泉に行きませんか?」
「ここ混浴もあるので、一緒に入りませんか?」
「えぇ、、混浴あるんですか?」
「はい、、、理名さんはいいんですか?」
「混浴、、はい、いいですよ」そういって
「では、用意をして竹の湯の前で待っています」10分後に竹の湯の前に行くと理名さんが先に待っていた。
二人で中に入り、浴衣を脱いで浴室に入った。
圭は高校時代に憧れていた理名さんとこうやって入れたことで興奮をしてしまった。理名さんも興奮したのか、顔が赤くなっていた。
ふっと、圭は理名を抱き締めた。二人は口づけをして、高校時代の時の思いを今実現した気持ちになれた。
湯の中でも乳房を揉みながら指先で乳首を刺激した。理名は切ない声を出しながら、悶えだした。二人はお湯の中で激しく求め合った。
湯が激しく揺れて一つになった時にそのまま体を湯に浸した。一時の癒しが現実から離れて、憧れの時に時間を戻してくれた。
そして、二人は何も言わず浴室を出て部屋に戻った。
部屋に戻ると鞠子さんは一人テレビを見ていた、圭は「風呂に行っていた、いい湯だったよ」
「鞠子さんも入ってきなさい」と言った。
鞠子は「私は明日の朝に入ります」と言って、見ていたテレビをそのまま見た。
圭は何も言わずに鞠子いているテレビを見た。
11時を過ぎ、そろそろ寝ようとした時に鞠子が圭の布団の中に潜ってきて、圭の浴衣を脱がしたが、
圭は湯疲れして「今日はこのまま寝たい」と言って背中を向けて寝てしまった。
鞠子は風呂には朝入る予定だったが気が変わりタオルを持ってそのまま浴室に出かけてしまった。
鞠子は一人温泉に入り湯に浸かっていた。
そこに二人連れの女性客が入って来て、少し賑やかになった。
話している内に気が合って二人の女性はもう一人一緒に来ている女性のことを話していた。
「ここで高校時代のクラスメートに会ったんだって、珍しいことで喜んでいたんです、、、」それを聞いて、そういうこともあるんだなと感心した。
鞠子は「その女性の方、一緒になれたらいいですね」そう話したら、二人の女性は「そうですね」と話した。
鞠子は湯に入りすぎたので一足早くそこを離れて部屋に戻った。そして、そのまま寝た。
翌朝、レストランに行くと昨日の女性ともう一人の女性に出会った。その時、圭さんの態度も変わった。
二人の女性は「高校のクラスメートて鞠子さんの連れの方ですか?」圭は「理名さんのクラスメートです」と話した。
二人の女性は「私達食事後にここを離れます」
「鞠子さん達は?」そう聞かれ
「私達も食事後にお土産を買って帰る予定です」
二人の女性は「圭さんにとってはいい思い出でしたね。なかなかこんな偶然ありませんから、、、」
圭は「そうですね」
「理名さんも元気でいてくださいね」そういって別れた。
鞠子は「こんな偶然もあるんですね。なんかドラマみたいですよ」そういって朝食にした。
その後にお土産を買って二人はホテルを後にした。
帰りのバスでは何となく話すこともなく、東京に戻った。
あれから3日後に電話で理名さんから「先日はどうもありがとう。今日暇でしたらお会いできませんか?」
そう言われ圭は「仕事の後なら」と言うことで夕方、渋谷で会うことにした。
居酒屋で待ち合わせて、食事をしながらお酒を飲んだ。
よもやま話で学生時代のことで盛り上がり終電を乗り越してしまい、やむなくホテルに泊まることにした。
なだれ込むようにホテルに入り、二人は抱き合って口づけをした。
その瞬間に燃え上がり、着ている物を脱いで熱く抱き合った。
この先に行こうかとしたら理名は「シャワーを浴びて来たいの」と言って浴室に消えた。
しばらくして、シャワーの音が聞こえたので圭もその中に加わり、二人できゃあきゃあ言いながら身体中にシャワーを浴びてから浴室を出た。
そのままベッドにも連れ合うように倒れて、二人は抱き合った。
高校時代には初々しかった理名も丸みを帯びた大人になっていた。そして、すべてを解放したように一つになった。
理名は「もう離れたくない」と言った。
圭は、静かにこの言葉を噛み締めた。
その週の木曜日に鞠子から電話があり「週末に圭の部屋に遊びに行きたい」ことを話したら、
圭から「仕事が立て込んでいて遅くなるので、ポストに鍵を入れて置くから先に入ってください」と言われ、
金曜日の夕方に夕食の材料を買って部屋の中に入った。
圭の部屋は質素な部屋で余り物がなかった。鞠子は家から持ってきたエプロンでシチューを作ることにした。
完成して圭の帰りを待っていたが時を過ぎても連絡がなく、待ちわびていた。9時頃になって、やっと、連絡が来たがどうも誰かと一緒の感じがした。
圭は仕事が6時頃に終わり、帰ろうとした頃に理名さんから電話があり、話があると言われ、
そのまま会いに行ってしまいその流れでホテルまで来てしまった。
そこで電話を掛けたことから、鞠子は「もしかしてと、、そこに誰かいますか?」と聞いてみたら、、奥で女性の声が聞こえ、、
圭は「誰もいないです。これから帰ります」と言って電話を切った。
鞠子は一通の手紙を置いて部屋を出ていった。
11時を過ぎた頃にやっと、部屋に帰り中に入ると鞠子はもう居なかった。
机の上に料理が置かれてその横に手紙が置かれていた。中を見たら、
圭さんへ
あのかまくら祭の時から何か異変を感じていました。
やはりその時出会った。理名さんと会っていたんですね。
もう私の手の届かないところに行ってしまったんですね。
寂しい限りです。
私もこれを気に実家に帰ることにします。
鞠子
手紙の中には節々に涙で濡れた後が残っていた。
そして、あのパフュームの香りがした。
圭はすぐに鞠子に電話を掛けたがもう、鞠子の声が聞けることはなかった。
自分の浅はかな行動に初めて気づき瞼に涙した。
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