わが友ヒトラー

名無ナナシ

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ウィーン編

モテるアドルフ

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劇場
彡(^)(^)「やっぱりワーグナーは最高や!」

(`-ω-´)「リンツの劇場でも何回も見たけど…」
(´^ω^`)「やっぱり都会のものは格が違うね!」

彡(-)(-)「ワイはいつかドイツ民族の巡礼の地・バイロイトに訪れるで…」
彡(゚)(゚)「ヴァーンフリート館を見て、ワーグナーの墓参りをするんや…」

彡(゚)(゚)/「そしてワーグナー自身が作った劇場でワーグナーの作品を見る!」
彡(>)(<)「くぅ~夢が広がるで!」

(´・ω・`) .。oO(まーた始まった……)
バイロイトで行われるワーグナーの劇は
成功者の中でもさらに一握りの選ばれた人しか見る事ができない
立ち見席が常連のボクたちには夢のまた夢の話だ
とは言いつつ……口にはだせないけど
ボクもアドルフと同様に夢見る住人の一人だったりする

|⌔•..)チラ……チラ…

(´・ω・`) .。oO(なんだ、視線を感じる)
向こうの女性がこっちを見てる……?

|⌔•..)チラ……チラ…

(。゚ω゚) .。oO(え!もしかして……ボクのことを……)
(,,>ω<,,)ドキドキ

|⌔•..)チラ……チラ…           彡(゚)(゚)

( ´-ω-` ) .。oO(違う…)
この視線はアドルフに向けられたものだ……

彡(゚)(゚)←コレは質素な服装で素っ気ない控え目な態度……
ボクと大して変わらないのに……
一体どこに差があるんだろう?

(´・ω・`) .。oO(確かに、アドルフには謎の魅力がある)
あの婦人なんて振り返ってまでアドルフを見つめている
劇場で振り返るのはマナー違反だって誰でも知っているのに…

彡(`)(´)「なんや 今日は客層が悪いな!行くでクビツェク」
(´・ω・`)「う、うん」

(´・ω・`)……
アドルフはなにも朴念仁でなければ天然ジゴロでもない
ちゃんと彼女たちの熱意をキャッチしているし
思わせぶりな態度なんて絶対に取らない

J(„❛⌄❛„)を好きなようにノンケ、同性愛者でもない
なのにアドルフは何もしなかった

彡(゚)(゚)「全く、なっとらん、なっとらんなぁ」

 外
(´・ω・`)「アドルフってモテるよね?」
彡(゚)(゚)「ん……なんのことや? それより来週の公演は~」

(´・ω・`)……
アドルフは強い女運を持っている
なのに、その幸運を利用しようとしない

恋人でもいれば……
自分で『犬のような生活』と呼んでいる惨めな生活も
少しは美しく彩られることになるだろうに

魅力だけじゃない、彼には……
読書で知り得た膨大な知識
スケッチや演説といった技
そして何にでも真剣に取り組む情熱
アドルフには普通の人にはないたくさんの才能があった
でも彼は頑なにチャンスを掴もうとしない

行動力がないわけでもない…
有りすぎるくらいだ
それなのに何も起きない
本当に不思議だ……
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