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「気分はどうです? 水です、飲んでください」
いらないと首を振れば、薬の影響かくらりと頭が重く、もう一度頭突きを食らわせてやることもできなかった。
窓に目を向ければ知った景色に、懐かしさと、エンリを思い出して視界が滲んだ。
懐かしい我が家についた、馬車から降りるとき、ハイヤードさんに手を差し出され、一瞬、紳士だ、とか思いつつも無視して飛び降りた。この人は敵。
一ヶ月ぶりだと云うのにホコリっぽさはなく、見渡せば、エンリの指示で定期的に掃除がされていたのだと聞かされた。
私とエンリの家を、掃除のためとはいえ人に触られたのかと思うと、あまり気持ちが良くない。
「エンリ様に起こったことを知る限り、全てお話しします」
そう言われれば敵とはいえ、追い返すことはできないからお茶の用意するためお湯を沸かした。棚を覗き茶葉がまだ使えることを確認し、カップにと、手を伸ばして止まる。並ぶエンリと私のお揃いのマグカップ。『ロナぁー』もう一年も聞いてないのに耳に残るエンリの声。
今にもガチャバターン! 『ロナぁー!』と帰って来るのではないかと……。
ガチャバターン!
「ロナぁー!!」
「…………」
玄関には両手を広げたエンリ。
「う、うっく、ロナぁ」
ボタボタと涙を流し、顎に梅干しのような皺を作ったエンリ。
「…………」
「うっ、お、おかえりって、おかえりって言ってぇ……」
本物?
「…………」
シンプルなシャツにズボン。あの、厚く重たそうな高級な装いではない、いつもの、よく知るエンリ。
「う、うぇっ、ロナぁ……、ぎゅーしてぇ……」
そっとエンリの頬に触れてみた。
「ロナぁぁー! うわぁぁーん! ちゅーもしてぇー!!」
ぎゅうぅと抱きしめられ、そのまま触れて確かめてみた。
「あったかい……本物?」
生きてる。死んだってのは嘘で?
「うん、うん、そぉーだよぉー、会いたかった、ロナ、ロナぁ……ちゅー」
なんでそんな嘘を?
「うわぁぁーん! ロナロナロナぁぁー」
「なんで?」
「説明いたします」
「うっく、ハイヤード邪魔、あっち行け、しっしっ」
私の首すじに顔を埋めたエンリ。
「僕らの家に入ってくんな」
「エンリ待って」
説明してほしい、この状況を、詳しく。
「ハイヤードさん、説明し「ロナぁー」エンリうるさい」
「ハイヤー「ハイヤード、家の中で二人きりとかなるなよ、外で待てって言ったよねー」」
ぷち。
「二人きり以上のことをしてきたエンリが言うな!」
「っ!!」
うわぁぁぁーん! うわーん! と泣き出すエンリ。
「ロナさん、バッサリ切りますね」
「いいから状況説明をして」
「はい……」
お腹に縋り服をびしゃびしゃにしてくれるほど泣き続け、剥がれないエンリを引きずりソファーへ移動した。
動けなくなった私に代わって、ハイヤードさんがお茶を入れてくれた。
「まず、死んだのは“エンリ・ロウノック”という戸籍です」
「戸籍?」
「エンリ様は王の承認の元、ロウノック家の当主として就かれましたから、正当な理由なく当主を譲ることも難しいのです。戸籍上のエンリ様のお子が「エンリッ!」あ、待っ」
パァーンッ!
引き剥がし、エンリの頬に平手打ちをくらわせた。
戸籍上死んだことにしたですって!?
「子供がいるのに! なに、放り出してんの! あんた、父親で「エンリ様のお子ではありません」はぁっ!?」
重なったハイヤードの声に振り返り、慌ててエンリを見れば、頬に手を当て、涙いっぱいの瞳は大きくキラキラと、口元もなぜか嬉しそうに緩んでいた。「ロナに叩かれたの、久しぶりだぁ」なぜ喜ぶ。
「お子は、エンリ様の叔父にあたる、シアン様のお子です」
もともと、エンリ様の妻となったセルリーナ様は前当主の実弟、シアン様の婚約者だったこと。
前当主の後継の早逝、次当主となるはずっだったシアン様から、魔力差で庶子のエンリの名が挙がったと、身勝手な貴族のお家事情を語られた。
「エンリ様は、その魔力を継ぐ子を成すために選ばれました」
エンリは再び私のお腹に顔を埋めてぐずぐずしていた。柔らかい髪をそっと撫でる。
「エンリ様は、母親と、あなたの命を盾に取られ、離縁書を書かれたのです」
「ごめんなさい、ロナぁ、ごめんなさい……僕がもっと早く気づいていたら……」
気づいても、エンリにはどうしようもなかったことだろう……。エンリのせいじゃない、でも。
「エンリ、なんで私を愛人なんてしたの?」
知りたかった。抱きもせず、ただあの屋敷に囲われた意味を。
「そんなのっ!」
ガバッと顔を上げて叫ぶ、
「離れたら、すぐに再婚しちゃうだろ!」
「……は?」
「鍛冶屋のカイオスも、八百屋のエイジも、牛飼いのナナオも、食堂のザグも! みんなロナのこと狙ってたんだよ!」
「……待って。カイ兄も、エイジさんも、ナナオ君も、ザグも、みんな私より先に結婚してるでしょ」
「そんなの! 僕が薬盛って既成事実作らせたからに決まってるでしょ!!」
「はぁっ!?」
無言に音まで消えた空気の中、そぉっと、また私の腹に顔を埋めるエンリ。
「エンリ? あんた、今何言った?」
「んーん、何も、ロナの、気の、せい、だよ」
「……そう、よね」
何かとんでもないことを聞いた気がしたけど。
「ロナさん、そこ流せるんですね……」
「ハイヤードうるさい」
気のせいにしたい。
再婚させないために、愛人にしたのなら、なんで……。
散々聞かされた、エンリとセルリーナ様の仲睦まじい様子。ひと時も離す様子ないと。毎朝遅くまで一緒に過ごしていると。それに……、『他の人を抱いたの?』と問うた時の、見せたエンリの顔。
「じゃあ、なんで、会いに来てくれなかったのよ」
「師匠がっ! 部屋から出してくれなかったんだよぉっ!!」
「は?」
声が出たのはハイヤードさんだった。
――師匠?
「エンリ様? 師匠とは? どなたのことですか? まさか」
「セルリーナだよ!」
え? セルリーナさんが師匠?
「怖かった! まじ鬼畜! あれが淑女!? 貴族怖い!」
「待って下さい、セルリーナ様が何ですと?」
「エンリの師匠なの? え、どういうこと!?」
「エンリ様! どういうことですか! あの一緒に過ごされた三週間は、何をしていたんですか!?」
夫婦がどうして師弟関係!? もしかして、何もなかったの!?
私とハイヤードさんに詰め寄られ、エンリは震えながら話しはじめた。
夫婦となった初夜。セルリーナ様はシアン様の妻になるはずだったが、ロウノック家当主の妻として、エンリを受け入れる気持ちだったこと。お互いに気持ちはなくても後継をと望まれ、初夜に臨んだのだと。
「やっぱり、したの?」
「ちがっ! いや、えっと、……最後までは、してない……」
途中までは、ってこと?
「あの、途中で、訳が分からなくなって、思わず“ロナ”って、言っちゃって……、平手打ちされた……」
途中まででも二人は一緒にベッドにいたことを、想像してしまって、ぐぅっと苦しくなった。
「最後まではしてない、けど、触れた……ごめんなさい、ごめんなさい、ロナ、僕を嫌いにならないでぇ……」
ポタポタと泣き出すエンリをそっと胸に抱き、柔らかい髪を撫でた。
「許すよ、エンリ、もう、許すから……」
エンリも苦しんだ。脅されて、好きでもない人と結婚させられて……。
「嫌いになんてならないよ」
「ふぇ、ロナぁぁー……」
抱きしめ、エンリの背中を撫でてるところで、
「エ ン リ さ ま、続き、早く、お願いします。師匠という説明をっ」
そうだった、師匠になった理由を聞きたかったんだ。
いらないと首を振れば、薬の影響かくらりと頭が重く、もう一度頭突きを食らわせてやることもできなかった。
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懐かしい我が家についた、馬車から降りるとき、ハイヤードさんに手を差し出され、一瞬、紳士だ、とか思いつつも無視して飛び降りた。この人は敵。
一ヶ月ぶりだと云うのにホコリっぽさはなく、見渡せば、エンリの指示で定期的に掃除がされていたのだと聞かされた。
私とエンリの家を、掃除のためとはいえ人に触られたのかと思うと、あまり気持ちが良くない。
「エンリ様に起こったことを知る限り、全てお話しします」
そう言われれば敵とはいえ、追い返すことはできないからお茶の用意するためお湯を沸かした。棚を覗き茶葉がまだ使えることを確認し、カップにと、手を伸ばして止まる。並ぶエンリと私のお揃いのマグカップ。『ロナぁー』もう一年も聞いてないのに耳に残るエンリの声。
今にもガチャバターン! 『ロナぁー!』と帰って来るのではないかと……。
ガチャバターン!
「ロナぁー!!」
「…………」
玄関には両手を広げたエンリ。
「う、うっく、ロナぁ」
ボタボタと涙を流し、顎に梅干しのような皺を作ったエンリ。
「…………」
「うっ、お、おかえりって、おかえりって言ってぇ……」
本物?
「…………」
シンプルなシャツにズボン。あの、厚く重たそうな高級な装いではない、いつもの、よく知るエンリ。
「う、うぇっ、ロナぁ……、ぎゅーしてぇ……」
そっとエンリの頬に触れてみた。
「ロナぁぁー! うわぁぁーん! ちゅーもしてぇー!!」
ぎゅうぅと抱きしめられ、そのまま触れて確かめてみた。
「あったかい……本物?」
生きてる。死んだってのは嘘で?
「うん、うん、そぉーだよぉー、会いたかった、ロナ、ロナぁ……ちゅー」
なんでそんな嘘を?
「うわぁぁーん! ロナロナロナぁぁー」
「なんで?」
「説明いたします」
「うっく、ハイヤード邪魔、あっち行け、しっしっ」
私の首すじに顔を埋めたエンリ。
「僕らの家に入ってくんな」
「エンリ待って」
説明してほしい、この状況を、詳しく。
「ハイヤードさん、説明し「ロナぁー」エンリうるさい」
「ハイヤー「ハイヤード、家の中で二人きりとかなるなよ、外で待てって言ったよねー」」
ぷち。
「二人きり以上のことをしてきたエンリが言うな!」
「っ!!」
うわぁぁぁーん! うわーん! と泣き出すエンリ。
「ロナさん、バッサリ切りますね」
「いいから状況説明をして」
「はい……」
お腹に縋り服をびしゃびしゃにしてくれるほど泣き続け、剥がれないエンリを引きずりソファーへ移動した。
動けなくなった私に代わって、ハイヤードさんがお茶を入れてくれた。
「まず、死んだのは“エンリ・ロウノック”という戸籍です」
「戸籍?」
「エンリ様は王の承認の元、ロウノック家の当主として就かれましたから、正当な理由なく当主を譲ることも難しいのです。戸籍上のエンリ様のお子が「エンリッ!」あ、待っ」
パァーンッ!
引き剥がし、エンリの頬に平手打ちをくらわせた。
戸籍上死んだことにしたですって!?
「子供がいるのに! なに、放り出してんの! あんた、父親で「エンリ様のお子ではありません」はぁっ!?」
重なったハイヤードの声に振り返り、慌ててエンリを見れば、頬に手を当て、涙いっぱいの瞳は大きくキラキラと、口元もなぜか嬉しそうに緩んでいた。「ロナに叩かれたの、久しぶりだぁ」なぜ喜ぶ。
「お子は、エンリ様の叔父にあたる、シアン様のお子です」
もともと、エンリ様の妻となったセルリーナ様は前当主の実弟、シアン様の婚約者だったこと。
前当主の後継の早逝、次当主となるはずっだったシアン様から、魔力差で庶子のエンリの名が挙がったと、身勝手な貴族のお家事情を語られた。
「エンリ様は、その魔力を継ぐ子を成すために選ばれました」
エンリは再び私のお腹に顔を埋めてぐずぐずしていた。柔らかい髪をそっと撫でる。
「エンリ様は、母親と、あなたの命を盾に取られ、離縁書を書かれたのです」
「ごめんなさい、ロナぁ、ごめんなさい……僕がもっと早く気づいていたら……」
気づいても、エンリにはどうしようもなかったことだろう……。エンリのせいじゃない、でも。
「エンリ、なんで私を愛人なんてしたの?」
知りたかった。抱きもせず、ただあの屋敷に囲われた意味を。
「そんなのっ!」
ガバッと顔を上げて叫ぶ、
「離れたら、すぐに再婚しちゃうだろ!」
「……は?」
「鍛冶屋のカイオスも、八百屋のエイジも、牛飼いのナナオも、食堂のザグも! みんなロナのこと狙ってたんだよ!」
「……待って。カイ兄も、エイジさんも、ナナオ君も、ザグも、みんな私より先に結婚してるでしょ」
「そんなの! 僕が薬盛って既成事実作らせたからに決まってるでしょ!!」
「はぁっ!?」
無言に音まで消えた空気の中、そぉっと、また私の腹に顔を埋めるエンリ。
「エンリ? あんた、今何言った?」
「んーん、何も、ロナの、気の、せい、だよ」
「……そう、よね」
何かとんでもないことを聞いた気がしたけど。
「ロナさん、そこ流せるんですね……」
「ハイヤードうるさい」
気のせいにしたい。
再婚させないために、愛人にしたのなら、なんで……。
散々聞かされた、エンリとセルリーナ様の仲睦まじい様子。ひと時も離す様子ないと。毎朝遅くまで一緒に過ごしていると。それに……、『他の人を抱いたの?』と問うた時の、見せたエンリの顔。
「じゃあ、なんで、会いに来てくれなかったのよ」
「師匠がっ! 部屋から出してくれなかったんだよぉっ!!」
「は?」
声が出たのはハイヤードさんだった。
――師匠?
「エンリ様? 師匠とは? どなたのことですか? まさか」
「セルリーナだよ!」
え? セルリーナさんが師匠?
「怖かった! まじ鬼畜! あれが淑女!? 貴族怖い!」
「待って下さい、セルリーナ様が何ですと?」
「エンリの師匠なの? え、どういうこと!?」
「エンリ様! どういうことですか! あの一緒に過ごされた三週間は、何をしていたんですか!?」
夫婦がどうして師弟関係!? もしかして、何もなかったの!?
私とハイヤードさんに詰め寄られ、エンリは震えながら話しはじめた。
夫婦となった初夜。セルリーナ様はシアン様の妻になるはずだったが、ロウノック家当主の妻として、エンリを受け入れる気持ちだったこと。お互いに気持ちはなくても後継をと望まれ、初夜に臨んだのだと。
「やっぱり、したの?」
「ちがっ! いや、えっと、……最後までは、してない……」
途中までは、ってこと?
「あの、途中で、訳が分からなくなって、思わず“ロナ”って、言っちゃって……、平手打ちされた……」
途中まででも二人は一緒にベッドにいたことを、想像してしまって、ぐぅっと苦しくなった。
「最後まではしてない、けど、触れた……ごめんなさい、ごめんなさい、ロナ、僕を嫌いにならないでぇ……」
ポタポタと泣き出すエンリをそっと胸に抱き、柔らかい髪を撫でた。
「許すよ、エンリ、もう、許すから……」
エンリも苦しんだ。脅されて、好きでもない人と結婚させられて……。
「嫌いになんてならないよ」
「ふぇ、ロナぁぁー……」
抱きしめ、エンリの背中を撫でてるところで、
「エ ン リ さ ま、続き、早く、お願いします。師匠という説明をっ」
そうだった、師匠になった理由を聞きたかったんだ。
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