最弱で最強な人形使いの異世界譚

大樹寺(だいじゅうじ) ひばごん

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二四七話

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 間取りは非常にシンプルで2ルームだ。
 元は何にするつもりの部屋をだったのかは分からないが、扉を開いて一部屋、そこから奥へと続く扉でもう一部屋。どちらも一五畳ほどの広さがあった。
 一部屋目を応接室にして、二部屋目を寝室にするのがいいかな? と思っている。

 扉を開けて即寝室だと、色々と事故が起きそうだからな……
 きゃー! の〇太さんエッチぃー! みたいなことになっても、俺としては一向に構わんが、開けた方がそれで気まずくなっても困るという話しだ。

 取り敢えず、照明の設置から始まり、玄関や廊下同様、石が剥き出しになっている床に絨毯を敷く。
 要領は玄関や廊下と同じだ。

 色はシックに濃いめのグレーを選択。赤のままでもよかったのだが、派手過ぎるのもどうかと思い落ち着いた色を使うことにした。

 ちなみに、このグレーの絨毯は休憩中に制作していた物で、色もグレーだけでなく他の色もいくつか用意していた。
 用意しておけば、何処かで使う機会もあるだろう。

 絨毯が敷き終わったところで、俺は部屋の中央にテーブルを一つ、それに向かい合うようにソファーを二つ、それと窓際にちょっとした作業が出来るような大きめの机を一つと椅子を一脚、そして壁際にカウンターとしても使える中型の食器棚を1セット、それらを亜空間倉庫から取り出し配置していく。
 最後に、窓にカーテンを取り付けて完了。カーテンはレースと遮光用の二種類を用意している。

 うむ。これでそれなりの部屋が一つ出来上がったな。
 とはいえ、部屋はもう一部屋あるので次はそっちだ。

 というわけで、隣の部屋へと移動。
 こちらは寝室にするつもりなので、部屋の中央よりにキングサイズのベッドをドンと置く。
 大は小を兼ねるともいうので、大きめの物を選ぶことにした。 
 一応、近くに着替えを入れる為の衣装ダンスなども設置はする。
 が、俺にはシステムによる衣装の一括変更機能が備わっているので、この衣装ダンスが必要かというと微妙なのだが、まぁ、一応な、一応。
 こちらも最後にカーテンを取り付けて完成だ。 
 家具がベッドとタンスしかないので、ぱっと見は実に殺風景ではあるが、こういってはなんだが、所詮は寝るだけの場所なのでこれで十分といえば十分だ。
 
 なんなら、キャリッジホームの私室の様に、壁に何か掛けて飾ってもいいかもだが、それは追々でいいだろう。
 
「はい、以上、終了!」
「ビックリするぐらい簡単に終わったわね」

 作業時間にして三〇分くらいだっただろうか?
 作業内容の割に、短時間で終わったことに対してセレスがそんな感想を口にした。

「まぁ、作り置きを置いて回っただけだからな、こんなもんだろ」

 しかも、作業内容の八、九割くらいは照明の設置と絨毯を敷く作業だったからな。家具に関しては、本当に置いて行くだけの作業だった。
 これらの家具は、事前に作っておいた物で、クラフトボックスで作った物もあれば、俺が手作りした物もある。

「にしても、レースのカーテンまで付けるなんて……
 こんなの余程位の高い貴族のお屋敷でしか見ないわよ? やっぱりスグミって、結構良い身分の出自だってりするんじゃないの?」

 そう言うと、セレスが窓辺へと寄り、カーテンへと手を伸ばす。

「別にそんなことはないぞ? 極々普通な一市民だ」

 嘘は言っていない。ただこの世界とは別の、というだけである。

「ふ~ん、一般市民ね……
 一般市民はカーテンにレースなんて高級品を使う、なんて考えがまずないと思うのだけどれ……まぁ、いいわ」

 セレスの様子からして、俺の答えに納得していない感丸出しではあったが、取り敢えずはそれ以上言及はしないようだった。

「さて、じゃ次はミラちゃん達の部屋だな」
「イエーイ!」

 はしゃぐミラちゃんを先頭に、俺達は部屋を出ると、少し離れた場所へと移動する。

「今日からここを私のお部屋としますっ!」
「イースさんも居るんだから、せめて私達の、って言いなさい」

 そう言って、意気揚々とミラちゃんが入って行った部屋は、屋敷の一番奥に当たる部屋だった。
 間取りは単純な1ルームではあるが、広さはなかなかのものだ。
 大体、俺が選んだ部屋の一部屋分よりやや広いが、二部屋分よりは小さい、と、そんな感じだな。

 二人で使うにはやや広いような気もするが、別に他に使う予定もないのでよしとしていた。
 ただこの部屋、部屋こそなんの変哲もない1ルームなのだが、少し変わった特徴がある部屋だった。
 その特徴というのが、三つある扉だ。
 一つは屋敷内の廊下に繋がる扉。これが今、俺達が入って来た扉だな。
 一つは隣の厨房へと繋がる扉。
 そして、最後の一つが屋敷の外へと通じている扉だ。

 つまり、この部屋から三ヶ所の異なった場所へと移動出来るような作りになっている、というわけだ。
 セレスの話しでは、こういう作りはこの国でも珍しいそうなのだが、セレスの見解では、おそらくこの部屋は使用人を住まわす為の大部屋を想定して作られた部屋で、各自持ち場に移動しやすいように、こういう作りにしたのではないか? という見立てだった。

 実際、この部屋から何処でも行ける、ということでミラちゃんも「凄い便利っ!」だと絶賛していた。
 勿論、この部屋に決めたのはミラちゃんの独断と偏見だけではなく、イースさんの意見も十分に取り入れてのことである。
 とはいえ、イースさん自身からはまだ俺のところで働く、という明確な答えは聞けていないので、ひょっとすると用意するだけ用意して使わない、という可能性もあるのだが……
 まぁ、何時でも使えるような部屋を一つくらい用意しておけば、いざという時には役立つので、完全に無駄になる、ということにはなるまいて。

 ということで、早速内装に取り掛かることに。

 手順としては俺の部屋でやったことと同じである。
 まずは照明関係を取り付け、絨毯を敷く。
 絨毯の色は玄関廊下と同じ赤。これはミラちゃんが譲らなかったからだ。もしかすると、ミラちゃんは赤が好きなのかもしれないな。

 で、ベッドを二つと衣装ダンスを二つ。テーブルに椅子、それと簡単な食器棚……といっても、俺の部屋に置いたものより一回り程大きなやつだが……それと中サイズの多目的タンスを一つ、それぞれをミラちゃんの指示の下で置いて行く。
 そして、二ヶ所ある窓にカーテンを取り付けて、作業は終了。
 カーテンは勿論、俺の部屋同様、遮光とレースの二枚使用である。

 この家具も事前に用意しておいたものだが、俺が勝手に用意してもそこは好みがあるので、製作にはミラちゃんやイースさんの意見も参考に制作している。
 で、

「おおー……すげー……これが私の部屋……」
「私達、な」

 一通り完成した室内を見て、ミラちゃんがそう言葉を零す。
 てか、この子ちょいちょい自分は母親のこと忘れてねぇか?

「よしっ! 今日は私、ここに泊まりますっ!」
「いや帰るからな?」

 建物自体は古いが、内装は新築同然であり、それが新しい自分の部屋だとなれば、早く住んでみたい、というミラちゃんの逸る気持ちも分からなくはない。
 が、まだこの屋敷に住むには色々と不便なところもあるので、俺は無情にもミラちゃんに却下を下す。

「え~、何でダメなんですかぁ~!」

 そう言う俺に、ミラちゃんが懇願するように俺にしがみ付いて来たのだが、それをベリっと剥がしてポイっとする。

「何でもクソもない。こんな何もないような森の中に、女の子一人残して行けるわけがないだろ?」

 扉や窓にはそれなりの強化が施してあるので、確り戸締りさえしていれば余程のことがない限り安全だとは思うが、もしも、ということもある。

「それに、まだトイレも風呂も作ってないんだぞ? 茂みに隠れて用を足すか?」
「それは嫌かも……」

 その様子を思い浮かべたのか、心底嫌そうな顔でミラちゃんがそう言った。

「はい。なら今日は帰る」
「うい~」

 残念そうではあったが、俺の説得が功を奏し、ミラちゃんも納得してくれたようだった。
 ちなみに、作業中にトイレに行きたくなった時は、キャリッジホームに設置されているトイレを利用している。
 しかもウォシュレット式で、二人からは概ね好評である。初めて使った時は、二人共凄く驚いていたがな。
 
「ねぇ、スグミ? トイレは分かるけど、お風呂も作る気なの?」

 と、俺が発した何気ない一言に、そう問いかけて来たのはセレスだった。
 そこは日本人の性とでもいうのか、毎日風呂に入らないと落ち着かないからな。
 これでも、王都に来てからというもの、毎日大衆浴場へと足繫く通っていた。
 そういえば以前、俺持ちでミラちゃんとイースさんも誘って浴場へと行ったこともあったな、なんてことを思い出す。

「ああ、ここから王都の浴場まで通うのは流石に面倒だからな。
 だったら屋敷の中に作った方が早いだろ?」
「はぁ!? 屋敷の中に浴場を作る気なのっ!!」

 そんな俺的には何気ない答えに、急にトーンを爆上げして驚くセレス。その所為で、耳がキーンとなる。
 
 というのも、どうやらセレスの話しでは、浴場を住居の中に設置するなど、まず有り得ないことなのだと教えてくれた。
 一応、王宮には務めている社員? 従業騎士? 達の福利厚生のために、サウナ室が設置されているようだが、それとて異例中の異例なのだとか。

 どんな大貴族も大富豪も、基本、浴場は住居とは別に造るのが基本らしい。

「でも、お風呂なんてどうやって作るつもりなのよ? 建物が完成してしまっていると、今から手なんて入れられないわよ?
 水を加熱する竃だって作らないといけないし、そもそも水だって引かないと……って、水はあのふざけた井戸があるから何とかなるか……」

 一人憤慨するセレスだが、途中で厨房に設置した井戸のことを思い出したのだろう。勝手に一人納得していた。

「それでも、加熱用の竃は必須よね? そこはどうするつもりなのよ?」

 確かに、セレスの言う通り、風呂を沸かす、と一言に言っても、ボタン一つで風呂に入れるような近代機器がないことを考えると、かなり手間なことであった。
 水を用意し温める。
 たったこれだけのことではあるが、そもそもその水はどうやって確保するのか? どうやって加熱するのか? そのための燃料は? と、考えなくてはいけないことは事の方多いのである。

 この世界での風呂とは、浸かるタイプではなくスチームサウナ的なものが一般的なので、水を溜めなくてもいい分、いくらか浸かるタイプよりかは楽ではあるかもしれないが、程度の問題なのでやっていること自体にそう違いはない。
 
 ちなみにだが、この世界での銭湯は、水を沸かすために薪を燃やす、ということはしない。
 では、どうやって熱エネルギーを確保しているかというと、魔術士が炎熱系の魔術を使うことによって生まれる熱エネルギーで、水を沸かしているらしいのだ。
 薪を使わない分エコともいえるが、聞いた限りでは、水を沸騰するまで魔術で長時間加熱し続ける、というのはそれはそれで相当な重労働なのだという話しだ。

 これは更なる余談だが、この国において魔術士というのは資格制であり、基本的に魔術士になるためには国営の専門学校に通う必要があるらしい。
 また、魔術自体も無暗に使用してはならず、喩え使えたとしても魔術士の資格がない者が魔術を使うことは違法とされているのだとか。

 見つかると憲兵に捕まる、というのはセレスの談だ。しかも、罰則が結構重いという……
 有資格者でも、目的もなく魔術を使うと罰則だというので、魔術に対する取り締まりというのは結構厳しいみたいだな。
 
 例えるなら、車の運転免許がなくても、車を運転する技能があるから車を運転していいよね? みたいなことは、絶対に認められないということだろう。

 何処かの豆腐屋の息子の様なことは絶対にダメだ、ってまぁ、当たり前の話しか。
 それが魔術という、ある意味、兵器にもなり得る物となれば尚更だ。

 んで、専門学校を卒業した魔術士達は、晴れて従軍魔術士、要は軍人としてお国に務めることになるそうなのだが……
 とはいえ、やっぱり全員が全員優秀なわけではなく、中には卒業は許されたが軍人になれるほど優秀ではなかった者達が、風呂屋などの一般企業に就職して働いている、ということのようだ。

 ちなみに、俗に生活魔術と呼ばれる小規模程度の魔術なら、わざわざ専門学校に行かなくても資格の取得は可能なのだとか。
 自由騎士組合で定期的に生活魔術の講習と資格の発行をしているので、多少費用は掛かるが、そちらに参加すれば一〇日くらいで取得出来るみたいだ。

 で、セレスはそんな手間暇かかる風呂を、どうやってこんな場所で作るのか? と、そう聞いているのである。

 というわけで、ならば論より証拠、説明するより見せた方が早いと、早速、風呂の建設に着手することにしたのだった。
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