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二一八話
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投降再開します。
ストックが底を突いたので、書き溜めていました。
更新は月・水・金を予定しています。
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名称・グランタス。
カメに似た魔獣で、一般的なサイズは全長1メートル前後、体重100キログラムほど。大型の個体でも、全長2メートル、体重200キログラムほどとなる。
性格は極めて温厚で、彼らから進んで他の生物を襲うことはないという。
神秘学研究会が保有する、ノールデン王国の正式な調査資料によれば、ここ一〇〇年でグランタスに襲われたとされる被害報告はゼロ件であるらしい。
勿論、ビームも吐かない。
カメに酷似していることからも想像出来るが、その動きは非常に緩慢で遅い。
反面、足腰が丈夫で力が非常に強い、という側面も併せ持っている。
なんでも、自身の体重の一〇倍の重さの荷物を運搬することが可能なのだとか。
一般サイズで大体100キログラムほどだということなので、一頭で1000キログラム、つまり1トンまでの荷物が運べるということになる。
確かに、そりゃ力持ちだ。
そのため、大きな石材や大量の木材といった、主に建材に使われる様な大型物資を専門に運搬する荷運び用の家畜として、広く飼育もされているのだとか。
人間が数百人掛かりで運ぶような物も、彼らならニ、三頭いるだけで余裕で運べるそうで、一度での運搬量が大きいために、いくら歩みは遅くても、馬などで小分けにして運ぶよりは結果速いらしい。
で、そんなグランタスの飼育下での主食は野菜などの植物で、野生下では木の根や木の皮などを食べているとのことだった。
好物は甘い物。甘みが強い果物や砂糖水、ハチミツなんかを見せると凄い勢いで近づいて来るのだとか。
ちなみに、水や、好物である砂糖水やハチミツといった液状のものは、なんと鼻から啜って飲むのだとか。
と、いうのがセレスから教えられたグランタスの基本知識である。
そして肝心の、何故そんな温厚で無害そうなグランタスが魔獣として扱われていか、についてだが……
「拒絶の壁?」
「そう。拒絶の壁。
グランタスはその体の周囲に、物理的、魔術的を問わず、外界からの干渉を一切許さない特集な空間を、魔術的に作り上げているの。それも常に、ね。
その空間を、私達は“拒絶の壁”と呼んでいるわ。
この“拒絶の壁”の前では、如何なる攻撃も意味がなく、一説には、火山の噴火で溢れ出した溶岩に飲まれても、底を歩いて普通に出て来た、なんて話もあるくらいで、一部の学者達の間では、現存する魔獣の中では最強種ではないかという意見も出ているくらいなの。
ただ、グランタス自身に攻撃手段は一切ないから、グランタスが勝てる相手もいないんだけどね。
そこで付いた字が“無勝の皇帝”よ」
誰にも勝てない代わりに、絶対に倒れない。故に“無勝”でも“皇帝”なのか。
強いんだか弱いんだか分からんな……とも最初は思ったが、すぐに間違いなくそいつらは勝者だろうな考えを改めた。
自身の生存と種の存続こそが、生物の絶対的勝利条件である。
更にグラタスの場合、主食が植物だから無理して誰かと戦う必要もない。
ならば、むしろ誰にも捕食されない、というのはある意味食物連鎖の頂点にいるようなものだ。
まぁ、植物とグランタスというたった二階層しかないヒエラルキーではあるが……
これも進化の選択ってやつなんだろうな。
戦っても勝てないから、ならいっそのこと攻撃は捨てて防御に全振りする道を選んだ……その結果なのだろう。
セレスの更に詳しい話しによれば、昔、グランタスが自力では出られない様な、深い穴を掘り、そこにグランタスを落とし身動きが取れない状態にした上で、ひたすら魔術攻撃を繰り返し、どれだけグランタスが耐えられるか、という実験をした記録が残っているらしい。
その結果たるや、累計千人にも及ぶ魔術師が三日三晩に及び絶えず上級魔術を撃ち続けたのだが、総計三万発にも及ぶ魔術を打ち込んでもびくともしなかったらしい。
ちなみに、実験に協力してくれたグランタス君は、実験後、好物であるハチミツを沢山与えられたあと、無事自然に返されたとかなんとか。
ただ、実験方法は一人ひとりが代わる代わる一発ずつ魔術を打ち込む、というスタイルで行われた様で、セレス曰く「千人が一斉に魔術を打ち込んでいたらどうっていたかは分からないわね」と補足してくれた。
更に余談として、偶然か、寿命か、それとも病気か、とにかく何かしらの理由によって死んだグランタスの死体を発見した際の研究報告によれば、グランタス自身は甲羅も含めてそれ程驚異的な強度はなかった、とも教えてくれた。
あくまで、魔術的に展開している“拒絶の壁”が硬い、ということだ。
なんにしても……やべぇな、グランタス。
「そんな壁を作り出すことが出来るから、グランタスは魔獣に分類されているのよ」
最後に、セレスがそう言って説明を終えた。
なるほど。“拒絶の壁”ね……
渾身の龍滅咆を防がれたことからも、何かしらの特殊な方法で防御したのだろう、とは思ってはいたが……これは厄介だな。
奴がグランタス、もしくはその近縁種で、本当にその“拒絶の壁”を使っているのかどうかは分からないが、フルチャージの龍滅咆の直撃を受けて無傷な辺り、使っている、と考えた方が納得は出来る。
さて、以上を踏まえてどう対応するかだが……
なんてセレス先生から悠長に講義を聞き、対応策を考えていると、待つのに痺れを切らしたか、不意にベルへモス(仮)の口元がチカチカと青白く輝き出し、例のビームが放たれた。
「よっ、と」
しかし、それを難なく回避。
さっきは土煙が目隠しとなり対応が遅れ回避がギリギリになってしまったが、こうして丸見えの状態なら、回避など余裕である。
にしても、発射直前に口元で起こっていた発光現象だが、見ようによっては放電現象にも見えなくもなかった。
もしかすると、あれはビームではなく荷電粒子砲の類なのかもしれないな。
まぁ、どちらでもいい話しではあるが……
とにかく、どうやら口から直線状にしか攻撃出来ない様なので、ちょっと射線軸をズラせばこの通り、もう当たらない。
あの姿だからな。頭の、というか首の可動範囲はあまり広くないのだろう。
なんならずっと背後に居るだけで、ベルへモス(仮)からはもう攻撃不可能になる。
それにあの図体にして、想像通りの旋回性能だからな。背後を取り続ければ文字通り手も足も出せないというわけだ。
カメだけに。
それが分かってしまえば、どうということもない相手、ではあるのだが……
ついでに、こちらからも速射連射モードのノンチャージ龍滅咆、十数発を瞬間で打ち返してやったが、結果は余裕で弾かれ、焼け石に水、核シェルターに小石であった。
問題はこの防御能力の高さだよなぁ……
こういう防御特化タイプは、攻撃の瞬間に防御機能が弱まったり無くなったりするのがセオリーなのだが……空気を読まないカメである。
こうなると、完全に千日手だ。
向こうからの攻撃は、こちらの機動力が圧倒的に上回っているためまず当たらない。が、こちらの攻撃もまた、あの防御能力の前ではウレタンボールを投げつけているようなもので、まったく有効打にならない。
さて、どうしたものか……
一応、先ほどこちらから一撃を打ち込んだ時に、スキル効果を十倍に跳ね上げられるスキル【蟷螂之斧】を発動準備状態にはしておいた。
なので、このまま定期的に攻撃をして戦闘状態をキープすれば、十分後には発動可能にはなる。だがなぁ……
なんか【蟷螂之斧】を使ったところで、あのアホみたいな防御力を突破出来るような気がしないんだよなぁ……
というか、【蟷螂之斧】はMP消費率がバカ高いので、使うにしてもそれは最後の手段だ。
【傀儡操作】と違い、消費MPが対象によって変化する、ということはないが、現状、マキナバハムートのような超大型人形を使っている状態で、かつ【潜在開放】を使い、その上【蟷螂之斧】まで重ね掛けしたら、俺のMPがマックスだとしても五分と保てないからな。
使うのは、勝ちを確信した時だけだ。
ちなみに、ワールドボスと戦う時は、スキルを総動員して、かつ、“世界樹の雫”という、一〇分間だけなら如何なるMP消費でもゼロにしてくれる特殊なアイテムを、バカスカ消費してゴリ押しで倒している。
一応、手元にはその特殊アイテムである“世界樹の雫”があるにはあるが、これはプレーヤーが制作出来ない特殊アイテムであり、数も少ないので出来ることなら使いたくはないのが本音だ。
それらを踏まえて勘案するに……
まずは、あの“拒絶の壁”の正体を知ることが先決ではないか? という結論に至った。
そこで、俺はある方法を試してみることにした。
有効かどうかは分からないが、まぁ、何事もトライ・アンド・エラー。試してみないことには始まらない。
まぁ、このままお互いに牽制し合っているだけでは、こちらがじり貧だからな。
いくら回復アイテムを多く用意しているとはいえ、それとて無限ではないのだ。長引けば長引いただけ、こちらが不利になって行くのは目に見えていた。
が、それを行うに当り、まずは二人に確認を取ることにした。
「二人とも、少し聞いてくれ」
「どうした?」
「何かしら?」
俺の言葉に、二人からそう返事があった。
「今からちょっと思いついた方法を試そうと思うんだが、その為には奴に接近戦を挑む必要があるんだ。
勿論、負けるつもりはないが、近づく分、今まで以上に何が起きるとも分からない。
だから二人を……」
一度、王都に連れて帰る。と、そう言おうとしたのだが……
「帰れと言うのならお断りだぞ? ここでおめおめ帰るくらいなら、初めからこの場には居ない」
「そうですね。それに、折角の貴重な情報を収集する滅多にない機会を、みすみす棒に振るなんて学者として出来るわけないじゃない?」
と、二人に機先を制されてしまった。
まったく、キモの座ったお嬢さん方なことで。
「分かった。ならこのまま突っ込むから、確り掴まってろよっ!」
そう言うと、俺はマキナバハムートの頭をベルへモス(仮)へと向け、機体を一気に加速させその間合いを一瞬で詰めたのだった。
ストックが底を突いたので、書き溜めていました。
更新は月・水・金を予定しています。
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名称・グランタス。
カメに似た魔獣で、一般的なサイズは全長1メートル前後、体重100キログラムほど。大型の個体でも、全長2メートル、体重200キログラムほどとなる。
性格は極めて温厚で、彼らから進んで他の生物を襲うことはないという。
神秘学研究会が保有する、ノールデン王国の正式な調査資料によれば、ここ一〇〇年でグランタスに襲われたとされる被害報告はゼロ件であるらしい。
勿論、ビームも吐かない。
カメに酷似していることからも想像出来るが、その動きは非常に緩慢で遅い。
反面、足腰が丈夫で力が非常に強い、という側面も併せ持っている。
なんでも、自身の体重の一〇倍の重さの荷物を運搬することが可能なのだとか。
一般サイズで大体100キログラムほどだということなので、一頭で1000キログラム、つまり1トンまでの荷物が運べるということになる。
確かに、そりゃ力持ちだ。
そのため、大きな石材や大量の木材といった、主に建材に使われる様な大型物資を専門に運搬する荷運び用の家畜として、広く飼育もされているのだとか。
人間が数百人掛かりで運ぶような物も、彼らならニ、三頭いるだけで余裕で運べるそうで、一度での運搬量が大きいために、いくら歩みは遅くても、馬などで小分けにして運ぶよりは結果速いらしい。
で、そんなグランタスの飼育下での主食は野菜などの植物で、野生下では木の根や木の皮などを食べているとのことだった。
好物は甘い物。甘みが強い果物や砂糖水、ハチミツなんかを見せると凄い勢いで近づいて来るのだとか。
ちなみに、水や、好物である砂糖水やハチミツといった液状のものは、なんと鼻から啜って飲むのだとか。
と、いうのがセレスから教えられたグランタスの基本知識である。
そして肝心の、何故そんな温厚で無害そうなグランタスが魔獣として扱われていか、についてだが……
「拒絶の壁?」
「そう。拒絶の壁。
グランタスはその体の周囲に、物理的、魔術的を問わず、外界からの干渉を一切許さない特集な空間を、魔術的に作り上げているの。それも常に、ね。
その空間を、私達は“拒絶の壁”と呼んでいるわ。
この“拒絶の壁”の前では、如何なる攻撃も意味がなく、一説には、火山の噴火で溢れ出した溶岩に飲まれても、底を歩いて普通に出て来た、なんて話もあるくらいで、一部の学者達の間では、現存する魔獣の中では最強種ではないかという意見も出ているくらいなの。
ただ、グランタス自身に攻撃手段は一切ないから、グランタスが勝てる相手もいないんだけどね。
そこで付いた字が“無勝の皇帝”よ」
誰にも勝てない代わりに、絶対に倒れない。故に“無勝”でも“皇帝”なのか。
強いんだか弱いんだか分からんな……とも最初は思ったが、すぐに間違いなくそいつらは勝者だろうな考えを改めた。
自身の生存と種の存続こそが、生物の絶対的勝利条件である。
更にグラタスの場合、主食が植物だから無理して誰かと戦う必要もない。
ならば、むしろ誰にも捕食されない、というのはある意味食物連鎖の頂点にいるようなものだ。
まぁ、植物とグランタスというたった二階層しかないヒエラルキーではあるが……
これも進化の選択ってやつなんだろうな。
戦っても勝てないから、ならいっそのこと攻撃は捨てて防御に全振りする道を選んだ……その結果なのだろう。
セレスの更に詳しい話しによれば、昔、グランタスが自力では出られない様な、深い穴を掘り、そこにグランタスを落とし身動きが取れない状態にした上で、ひたすら魔術攻撃を繰り返し、どれだけグランタスが耐えられるか、という実験をした記録が残っているらしい。
その結果たるや、累計千人にも及ぶ魔術師が三日三晩に及び絶えず上級魔術を撃ち続けたのだが、総計三万発にも及ぶ魔術を打ち込んでもびくともしなかったらしい。
ちなみに、実験に協力してくれたグランタス君は、実験後、好物であるハチミツを沢山与えられたあと、無事自然に返されたとかなんとか。
ただ、実験方法は一人ひとりが代わる代わる一発ずつ魔術を打ち込む、というスタイルで行われた様で、セレス曰く「千人が一斉に魔術を打ち込んでいたらどうっていたかは分からないわね」と補足してくれた。
更に余談として、偶然か、寿命か、それとも病気か、とにかく何かしらの理由によって死んだグランタスの死体を発見した際の研究報告によれば、グランタス自身は甲羅も含めてそれ程驚異的な強度はなかった、とも教えてくれた。
あくまで、魔術的に展開している“拒絶の壁”が硬い、ということだ。
なんにしても……やべぇな、グランタス。
「そんな壁を作り出すことが出来るから、グランタスは魔獣に分類されているのよ」
最後に、セレスがそう言って説明を終えた。
なるほど。“拒絶の壁”ね……
渾身の龍滅咆を防がれたことからも、何かしらの特殊な方法で防御したのだろう、とは思ってはいたが……これは厄介だな。
奴がグランタス、もしくはその近縁種で、本当にその“拒絶の壁”を使っているのかどうかは分からないが、フルチャージの龍滅咆の直撃を受けて無傷な辺り、使っている、と考えた方が納得は出来る。
さて、以上を踏まえてどう対応するかだが……
なんてセレス先生から悠長に講義を聞き、対応策を考えていると、待つのに痺れを切らしたか、不意にベルへモス(仮)の口元がチカチカと青白く輝き出し、例のビームが放たれた。
「よっ、と」
しかし、それを難なく回避。
さっきは土煙が目隠しとなり対応が遅れ回避がギリギリになってしまったが、こうして丸見えの状態なら、回避など余裕である。
にしても、発射直前に口元で起こっていた発光現象だが、見ようによっては放電現象にも見えなくもなかった。
もしかすると、あれはビームではなく荷電粒子砲の類なのかもしれないな。
まぁ、どちらでもいい話しではあるが……
とにかく、どうやら口から直線状にしか攻撃出来ない様なので、ちょっと射線軸をズラせばこの通り、もう当たらない。
あの姿だからな。頭の、というか首の可動範囲はあまり広くないのだろう。
なんならずっと背後に居るだけで、ベルへモス(仮)からはもう攻撃不可能になる。
それにあの図体にして、想像通りの旋回性能だからな。背後を取り続ければ文字通り手も足も出せないというわけだ。
カメだけに。
それが分かってしまえば、どうということもない相手、ではあるのだが……
ついでに、こちらからも速射連射モードのノンチャージ龍滅咆、十数発を瞬間で打ち返してやったが、結果は余裕で弾かれ、焼け石に水、核シェルターに小石であった。
問題はこの防御能力の高さだよなぁ……
こういう防御特化タイプは、攻撃の瞬間に防御機能が弱まったり無くなったりするのがセオリーなのだが……空気を読まないカメである。
こうなると、完全に千日手だ。
向こうからの攻撃は、こちらの機動力が圧倒的に上回っているためまず当たらない。が、こちらの攻撃もまた、あの防御能力の前ではウレタンボールを投げつけているようなもので、まったく有効打にならない。
さて、どうしたものか……
一応、先ほどこちらから一撃を打ち込んだ時に、スキル効果を十倍に跳ね上げられるスキル【蟷螂之斧】を発動準備状態にはしておいた。
なので、このまま定期的に攻撃をして戦闘状態をキープすれば、十分後には発動可能にはなる。だがなぁ……
なんか【蟷螂之斧】を使ったところで、あのアホみたいな防御力を突破出来るような気がしないんだよなぁ……
というか、【蟷螂之斧】はMP消費率がバカ高いので、使うにしてもそれは最後の手段だ。
【傀儡操作】と違い、消費MPが対象によって変化する、ということはないが、現状、マキナバハムートのような超大型人形を使っている状態で、かつ【潜在開放】を使い、その上【蟷螂之斧】まで重ね掛けしたら、俺のMPがマックスだとしても五分と保てないからな。
使うのは、勝ちを確信した時だけだ。
ちなみに、ワールドボスと戦う時は、スキルを総動員して、かつ、“世界樹の雫”という、一〇分間だけなら如何なるMP消費でもゼロにしてくれる特殊なアイテムを、バカスカ消費してゴリ押しで倒している。
一応、手元にはその特殊アイテムである“世界樹の雫”があるにはあるが、これはプレーヤーが制作出来ない特殊アイテムであり、数も少ないので出来ることなら使いたくはないのが本音だ。
それらを踏まえて勘案するに……
まずは、あの“拒絶の壁”の正体を知ることが先決ではないか? という結論に至った。
そこで、俺はある方法を試してみることにした。
有効かどうかは分からないが、まぁ、何事もトライ・アンド・エラー。試してみないことには始まらない。
まぁ、このままお互いに牽制し合っているだけでは、こちらがじり貧だからな。
いくら回復アイテムを多く用意しているとはいえ、それとて無限ではないのだ。長引けば長引いただけ、こちらが不利になって行くのは目に見えていた。
が、それを行うに当り、まずは二人に確認を取ることにした。
「二人とも、少し聞いてくれ」
「どうした?」
「何かしら?」
俺の言葉に、二人からそう返事があった。
「今からちょっと思いついた方法を試そうと思うんだが、その為には奴に接近戦を挑む必要があるんだ。
勿論、負けるつもりはないが、近づく分、今まで以上に何が起きるとも分からない。
だから二人を……」
一度、王都に連れて帰る。と、そう言おうとしたのだが……
「帰れと言うのならお断りだぞ? ここでおめおめ帰るくらいなら、初めからこの場には居ない」
「そうですね。それに、折角の貴重な情報を収集する滅多にない機会を、みすみす棒に振るなんて学者として出来るわけないじゃない?」
と、二人に機先を制されてしまった。
まったく、キモの座ったお嬢さん方なことで。
「分かった。ならこのまま突っ込むから、確り掴まってろよっ!」
そう言うと、俺はマキナバハムートの頭をベルへモス(仮)へと向け、機体を一気に加速させその間合いを一瞬で詰めたのだった。
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