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2章.学園祭
新キャラ登場、羊族のネムノちゃん
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学園祭1週間前の今日。私は数人のクラスメイトと一緒にエプロンを着て家庭科室にいた。
「それではこれからクッキーの作り方を皆さんに教えますので、一緒に作りましょう」
「「おぉー!」」
み、みんな気合い入ってるね…。
クラス対抗行事の補欠も最低1回は出場しなくてはいけないというルールらしく、その間クッキーを作れる人がいないということで、6人ほどクッキーを作る係を決めてローテーションで回していくことになった。
今日はそのクッキー作りを教えることになっている。
「それじゃあみなさん、こちらにレシピを…」
「あ、あの…」
私がレシピをだそうとすると女の子が手をあげながら話しかけてきた。
「えっと…たしか、ネムノさん?」
「は、はい…ネムノ・メープといいます。アイリスさんは私たちと同じクラスなんだから…その…敬語じゃなくてもいいと思います…私達が教えていただける立場ですし…。敬語の私が言うのも説得力がないですけど…」
ネムノさんがそんなことを言うとは珍しい。私のイメージではとてもおとなし可愛い女の子という雰囲気だったから。
羊族のネムノさんは羊の毛みたいにふわふわの髪とちょこっとついた耳と尻尾が特徴でいつもは何かの本を端で読んでいるタイプだった。
まさか…あの私のモフりたい衝動を掻き立てる女の子ランキング1位のネムノちゃんが話しかけてくれるなんて!これを気に仲良くなればいつかはモf…。
「アイリスさん?」
「あ…う、うん!それじゃあ普通に話させてもらうね!みんなも普通に話していいから!」
私がそう言うと他の人も笑ってよろしくねとかお願いしまーすなど返してくれたので、クッキー作りの指導に入ることにした。
「それじゃあ、このレシピにそって調理のやり方を教えるね。まずは…」
私は昨日作ってきたレシピをみんなに配ってから説明をしていった。
説明の後に実際にみんなで作ってみる。
みんな最初は恐る恐るという感じで作業をするが、だんだん上手くなっていった。
みんなの作業を見ていてネムノさんがレシピにない黒い粉を入れているのが見えた。
「ネムノさん?」
「ひゃい!?」
急に話しかけたからびっくりしたのか声が大きいし裏返っていてちょっと可愛かった。
「急に話しかけてごめんね。でもその粉に見覚えがなかったから…」
「あ、これは…簡単に言うとオーカの実を砕いて粉状にしたものなんですけど…普段はお湯に混ぜて飲むそうです。私は苦いからあんまり好きじゃないですけど…でもクッキーなら甘いし混ぜたら美味しいかなって持ってきてみたんです。」
「そうなんだ…少し味見してもいい?」
「え?いいですけど…苦いですよ?」
「大丈夫大丈夫!」
私は黒い粉を見て少し手に取って匂いを嗅いでから少し舐めてみた。
「これ…ココアパウダー!?」
匂いも味も前世のココアパウダーそっくりだった。
「ここあぱうだー?」
「あ、なんでもないの…こっちの話」
まさかココアパウダーがこの世に存在するとは…もしかしたらあれが作れるかもしれない…。
「あの、ネムノさん。このオーカってどこにでも売ってるの?」
「え?はい。市場にいけば普通に…」
「市場…ってどこにあったっけ?」
私は普段学校から家まで基本的に馬車移動なのでそこら辺の地理に全く詳しくなかった。
「あの…よかったら私が案内しましょうか?」
「ほんとに!?いいの!?」
私が困った表情をしているとネムノちゃんからのありがたいお誘い!これは乗るしかない!
私がネムノちゃんの手を握るとネムノちゃんは顔を赤くしながら俯いた。
恥ずかしがり屋さんなのかなぁ。私も人のこと言えないけど。
「は、はい…それで…アイリスさんにお願いがあって…」
「私のことも普通に話していいよ?私もネムノちゃんって呼ぶね」
「え…う、うん…アイリス…ちゃん」
か、可愛い!ネムノちゃんの顔真っ赤!
「それでお願いって?」
「えっと…それは市場でいうね」
「…?うん」
私は明日の放課後ネムノちゃんと買い物に行く約束をしてみんなの作業を見るのに戻った。
「それではこれからクッキーの作り方を皆さんに教えますので、一緒に作りましょう」
「「おぉー!」」
み、みんな気合い入ってるね…。
クラス対抗行事の補欠も最低1回は出場しなくてはいけないというルールらしく、その間クッキーを作れる人がいないということで、6人ほどクッキーを作る係を決めてローテーションで回していくことになった。
今日はそのクッキー作りを教えることになっている。
「それじゃあみなさん、こちらにレシピを…」
「あ、あの…」
私がレシピをだそうとすると女の子が手をあげながら話しかけてきた。
「えっと…たしか、ネムノさん?」
「は、はい…ネムノ・メープといいます。アイリスさんは私たちと同じクラスなんだから…その…敬語じゃなくてもいいと思います…私達が教えていただける立場ですし…。敬語の私が言うのも説得力がないですけど…」
ネムノさんがそんなことを言うとは珍しい。私のイメージではとてもおとなし可愛い女の子という雰囲気だったから。
羊族のネムノさんは羊の毛みたいにふわふわの髪とちょこっとついた耳と尻尾が特徴でいつもは何かの本を端で読んでいるタイプだった。
まさか…あの私のモフりたい衝動を掻き立てる女の子ランキング1位のネムノちゃんが話しかけてくれるなんて!これを気に仲良くなればいつかはモf…。
「アイリスさん?」
「あ…う、うん!それじゃあ普通に話させてもらうね!みんなも普通に話していいから!」
私がそう言うと他の人も笑ってよろしくねとかお願いしまーすなど返してくれたので、クッキー作りの指導に入ることにした。
「それじゃあ、このレシピにそって調理のやり方を教えるね。まずは…」
私は昨日作ってきたレシピをみんなに配ってから説明をしていった。
説明の後に実際にみんなで作ってみる。
みんな最初は恐る恐るという感じで作業をするが、だんだん上手くなっていった。
みんなの作業を見ていてネムノさんがレシピにない黒い粉を入れているのが見えた。
「ネムノさん?」
「ひゃい!?」
急に話しかけたからびっくりしたのか声が大きいし裏返っていてちょっと可愛かった。
「急に話しかけてごめんね。でもその粉に見覚えがなかったから…」
「あ、これは…簡単に言うとオーカの実を砕いて粉状にしたものなんですけど…普段はお湯に混ぜて飲むそうです。私は苦いからあんまり好きじゃないですけど…でもクッキーなら甘いし混ぜたら美味しいかなって持ってきてみたんです。」
「そうなんだ…少し味見してもいい?」
「え?いいですけど…苦いですよ?」
「大丈夫大丈夫!」
私は黒い粉を見て少し手に取って匂いを嗅いでから少し舐めてみた。
「これ…ココアパウダー!?」
匂いも味も前世のココアパウダーそっくりだった。
「ここあぱうだー?」
「あ、なんでもないの…こっちの話」
まさかココアパウダーがこの世に存在するとは…もしかしたらあれが作れるかもしれない…。
「あの、ネムノさん。このオーカってどこにでも売ってるの?」
「え?はい。市場にいけば普通に…」
「市場…ってどこにあったっけ?」
私は普段学校から家まで基本的に馬車移動なのでそこら辺の地理に全く詳しくなかった。
「あの…よかったら私が案内しましょうか?」
「ほんとに!?いいの!?」
私が困った表情をしているとネムノちゃんからのありがたいお誘い!これは乗るしかない!
私がネムノちゃんの手を握るとネムノちゃんは顔を赤くしながら俯いた。
恥ずかしがり屋さんなのかなぁ。私も人のこと言えないけど。
「は、はい…それで…アイリスさんにお願いがあって…」
「私のことも普通に話していいよ?私もネムノちゃんって呼ぶね」
「え…う、うん…アイリス…ちゃん」
か、可愛い!ネムノちゃんの顔真っ赤!
「それでお願いって?」
「えっと…それは市場でいうね」
「…?うん」
私は明日の放課後ネムノちゃんと買い物に行く約束をしてみんなの作業を見るのに戻った。
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