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第1章
私の武器を作ります
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食事を終えて、次は街の案内をされながら武器と防具を探すことになった。
ちなみに、お金はパーティのみんなに少しずつ出してもらうことになった。
申し訳ないと思ったけど、私のパーティ加入祝いだとか。
私達は武器屋についた。
中に入ると、ファンタジーの映画とかにあった、両手持ちの剣や槍などが壁にかけてある、ザ・武器屋って感じだ。
「親父さん!いるか!」
ガラムさんが叫ぶと奥から背の低いがっしりした男の人が出てきた。
「おう、ガラムじゃねーか。今日はどうした?この前に手入れしたばかりじゃねーか」
「今日はこの子の武器を探しにな」
ガラムさんが私のほうを向いたので、私は親父さんと呼ばれた人に頭を下げた。
「きょ、今日からガラムさんのパーティに入らせていただきました。モモです」
「なんでぇ、次はこんなちっこいやつを入れたのか?相変わらずもの好きだな」
ちっこい!?まぁ…たしかに背は低めだと思うけど…。
「たしかに見た目からは分からないだろうけど、モモが噂のギガンテス殺しだよ」
「なんだって?こいつが?」
そう言って親父さんがじーと私を見る。
「そんな風には見えねーが、お前が嘘を言うわけはねーな。嬢ちゃん、俺はドッデルド・ルード。ドワーフだ。ガラムが駆け出しの時から武器の面倒を見てる。名前はノーマからすりゃ呼びづらいらしいから、みんな親父と呼んでる。嬢ちゃんも好きに呼んでいいぞ」
「はい。よろしくお願いします。親父さん」
「おう!それで、今日はこれから選定がしてーってとこか?」
「あぁ、頼む」
「選定?」
「そう。その人に一番ぴったりの武器を選ぶ儀式のことよ。ドワーフにだけ使える魔法で、私達もそれで武器を作ったの。私は弓だったわ」
「私は杖よ」
「俺は剣と盾だったな」
「ふーん…」
便利な魔法があるんだなぁ。
私は親父さんに呼ばれて奥の部屋に一緒に入った。
案内された部屋は変わっていて、大きな魔法陣が真ん中に1つ、たくさんの鉱石の前に小さな魔法陣が1つある部屋。
「嬢ちゃん、まずはその小さい方の魔法陣に立ちな」
「は、はい」
私は言われるままに魔法陣に立つ。
「今からこの魔石の中から嬢ちゃんに合う魔石を選ぶ。目を閉じて、何かを感じたら両手を手に出して掴みな」
「え?掴む?」
「まぁ、やってみりゃわかる」
「は、はい…」
私は目を閉じた。
「そのままゆっくりと息をしな。それで、自分の魔力を感じるんだ」
私の体に流れる魔力。
私は魔力を色でわけて感じている。
癒しの緑、変化の白、結界の青。
それを感じるとそれらが固まっていく。
そして、小さな光が私の前にあるように感じる。
目を閉じているから分からないけど、何かがある。
きっとこれのことだ。私は手を伸ばして、その光を掴む。
すると、何もないはずの私の手には、ラグビーボールをゴツゴツさせたような鉱石があった。
色は透き通ったライトグリーン。私の魔力のイメージ色を混ぜ合わせるとこんな感じな色かなと思う。
「ほう…純度の高い鉱石だ。その年でそんな鉱石が掴めるたぁ、大したもんだ」
「ありがとうございます」
「次はそれを持ってそっちの大きい魔法陣に立ちな」
「はい」
私は大きな魔法陣に立って、親父さんを見る。
「今からその魔石が嬢ちゃんの武器に変わる。また、目を閉じて俺の質問に答えな。正直にだぞ?」
「はい」
私は目を閉じた。
「嬢ちゃんは体は頑丈か?」
「いいえ、きっとみんなよりも弱いです」
「嬢ちゃんは敵の近くで戦えるか?」
「いいえ」
「どうしてだ?」
「怖いからです」
「何が怖い?」
「敵に傷つけられるのが怖い。敵を傷つけるのが怖い」
「仲間が襲われそうでも、怖いか?」
「怖い…でも、仲間が傷つく方が怖い…と思います」
「これが最後の質問だ。敵が最愛の仲間を襲っている。お前の手には武器がある。どうする?」
武器…私は剣も振れないし、槍の扱いもわからない。
魔法だって攻撃向きじゃない。
何ができる…?
もし、この世界にあるかはわからないけど…すぐに敵を倒せるとすれば…私なら…。
「私は…敵に迷わず引き金を引きます」
「……目を開けな」
ゆっくり目を開けると、私の手にあった鉱石は、イメージしていた銃へと姿を変えていた。
ちなみに、お金はパーティのみんなに少しずつ出してもらうことになった。
申し訳ないと思ったけど、私のパーティ加入祝いだとか。
私達は武器屋についた。
中に入ると、ファンタジーの映画とかにあった、両手持ちの剣や槍などが壁にかけてある、ザ・武器屋って感じだ。
「親父さん!いるか!」
ガラムさんが叫ぶと奥から背の低いがっしりした男の人が出てきた。
「おう、ガラムじゃねーか。今日はどうした?この前に手入れしたばかりじゃねーか」
「今日はこの子の武器を探しにな」
ガラムさんが私のほうを向いたので、私は親父さんと呼ばれた人に頭を下げた。
「きょ、今日からガラムさんのパーティに入らせていただきました。モモです」
「なんでぇ、次はこんなちっこいやつを入れたのか?相変わらずもの好きだな」
ちっこい!?まぁ…たしかに背は低めだと思うけど…。
「たしかに見た目からは分からないだろうけど、モモが噂のギガンテス殺しだよ」
「なんだって?こいつが?」
そう言って親父さんがじーと私を見る。
「そんな風には見えねーが、お前が嘘を言うわけはねーな。嬢ちゃん、俺はドッデルド・ルード。ドワーフだ。ガラムが駆け出しの時から武器の面倒を見てる。名前はノーマからすりゃ呼びづらいらしいから、みんな親父と呼んでる。嬢ちゃんも好きに呼んでいいぞ」
「はい。よろしくお願いします。親父さん」
「おう!それで、今日はこれから選定がしてーってとこか?」
「あぁ、頼む」
「選定?」
「そう。その人に一番ぴったりの武器を選ぶ儀式のことよ。ドワーフにだけ使える魔法で、私達もそれで武器を作ったの。私は弓だったわ」
「私は杖よ」
「俺は剣と盾だったな」
「ふーん…」
便利な魔法があるんだなぁ。
私は親父さんに呼ばれて奥の部屋に一緒に入った。
案内された部屋は変わっていて、大きな魔法陣が真ん中に1つ、たくさんの鉱石の前に小さな魔法陣が1つある部屋。
「嬢ちゃん、まずはその小さい方の魔法陣に立ちな」
「は、はい」
私は言われるままに魔法陣に立つ。
「今からこの魔石の中から嬢ちゃんに合う魔石を選ぶ。目を閉じて、何かを感じたら両手を手に出して掴みな」
「え?掴む?」
「まぁ、やってみりゃわかる」
「は、はい…」
私は目を閉じた。
「そのままゆっくりと息をしな。それで、自分の魔力を感じるんだ」
私の体に流れる魔力。
私は魔力を色でわけて感じている。
癒しの緑、変化の白、結界の青。
それを感じるとそれらが固まっていく。
そして、小さな光が私の前にあるように感じる。
目を閉じているから分からないけど、何かがある。
きっとこれのことだ。私は手を伸ばして、その光を掴む。
すると、何もないはずの私の手には、ラグビーボールをゴツゴツさせたような鉱石があった。
色は透き通ったライトグリーン。私の魔力のイメージ色を混ぜ合わせるとこんな感じな色かなと思う。
「ほう…純度の高い鉱石だ。その年でそんな鉱石が掴めるたぁ、大したもんだ」
「ありがとうございます」
「次はそれを持ってそっちの大きい魔法陣に立ちな」
「はい」
私は大きな魔法陣に立って、親父さんを見る。
「今からその魔石が嬢ちゃんの武器に変わる。また、目を閉じて俺の質問に答えな。正直にだぞ?」
「はい」
私は目を閉じた。
「嬢ちゃんは体は頑丈か?」
「いいえ、きっとみんなよりも弱いです」
「嬢ちゃんは敵の近くで戦えるか?」
「いいえ」
「どうしてだ?」
「怖いからです」
「何が怖い?」
「敵に傷つけられるのが怖い。敵を傷つけるのが怖い」
「仲間が襲われそうでも、怖いか?」
「怖い…でも、仲間が傷つく方が怖い…と思います」
「これが最後の質問だ。敵が最愛の仲間を襲っている。お前の手には武器がある。どうする?」
武器…私は剣も振れないし、槍の扱いもわからない。
魔法だって攻撃向きじゃない。
何ができる…?
もし、この世界にあるかはわからないけど…すぐに敵を倒せるとすれば…私なら…。
「私は…敵に迷わず引き金を引きます」
「……目を開けな」
ゆっくり目を開けると、私の手にあった鉱石は、イメージしていた銃へと姿を変えていた。
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