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第四章
異能の戦い
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「スノウ、大丈夫かい?」
「はい……ミラさん、ありがとうございます」
「なに、スノウを助けに来たんだから当然さ。そのために私とリーシャの転移位置が違ったんだろう?」
「そうですね……私のことだから失敗しちゃったらきっとウルルと一緒に捕まってるかなって……」
「……なるほど。確かにスノウならやっちゃいそうだ」
「自分で言うのはいいけど、人に言われたらなんか嫌ですね……」
「そんなことより」
「そんなこと!?」
「ライラの様子は?」
「私なら大丈夫です。先ほどお嬢様のお菓子をいただきました」
ミラさんが戦っている間に、リーシャが応急処置をして目を覚ましたので金平糖を食べてもらった。
「それなら大丈夫だな」
「そんなのほほんとしてないで早くこっちに!」
ウルルに言われてハッとした私たちはミラさんに檻と手錠を斬ってもらって久しぶりにウルルと再開し、思わず私はウルルに抱きついた。
「よかった……ウルル……」
「スノウ……スノウの控えめなお胸、可愛いわね」
ウルルに言われて私は自分の服が破かれていたのを思い出しばっと離れて胸元を押さえた。
この緊張感のない姫様たちなんなの!?
「うぅ~……早くこれパパに食べさせてあげて! 私はあっちで着替えるから」
私は金平糖の入った袋をウルルに渡して、創造でいつもと同じ服を出し、リーシャとライラに補助されながら着替えた。
気を失っているガルル王の手錠もミラさんに斬ってもらい、リーシャが応急処置をしている間、私はミラさんとお話をする。
「ミラさん、さっきの戦いかっこよかったです」
「そうかい? あの程度の敵は割と戦いやすいよ。異能に頼りきって戦闘というものがお粗末になっているからね」
「でも、ライラは手も足も出なかったのに、あっさり倒しちゃうから」
「うぅ……お嬢様は戦闘経験が浅いからそういう考えになるんです……」
「ははっ。たしかにね」
「どういうことですか?」
「戦闘において、重要なことはたくさんある。武器の有無、種類、相手の力量、身体能力上げればキリが無いけど、最も重要なのは異能の相性だ」
「異能の相性?」
「あぁ。たとえばさっきのエアという男の能力は風の操作と、自らの体を風へと変質させる。そして、ライラの異能大地の鍛治職人は衝撃を起こしたり土を少し操作したりするといった大地の加護を得ている武具を取り出し、その力を行使する異能だ。ここまででわかるかい?」
「うーん……さっぱりです」
「スノウ。異能の勝負はイメージが重要だよ。スノウが仮にライラの異能を使えたとして、風になれる異能を相手に何ができる?」
「……あ」
ミラさんのたとえで理解した。私がルリちゃんと勝負をするのとは違う。あれは剣と剣の戦いでそこにあるのは純粋な技量比べだ。
だが、先ほどのライラやミラさんの戦いは違う。殺し合いなのだ。
そして、異能というのはどんなに強力であっても、どんなに使いこなしていても、どうしようもない相性の壁があるのだ。
さっきの言いぶりからして、ライラはそれを理解した上で私を守るために戦ったのだ。
「そっか……ごめんね、ライラ。私のために無茶させちゃったね」
「そんな! それが私の役目です! 私の役目はお嬢様を守ることであり、あいつを倒すことではありません。こうしてお嬢様が無事なので、私は負けていないのです」
そんなことを言うライラは、頼りになって、私を本当に想ってくれていて、でもどこか心配で……私はそんなライラを抱きしめた。
「ライラ、ありがとう。これからは私も、ライラたちに無理をさせないようにもっと考えて動くね」
「お嬢様……このライラ、感動で涙が溢れそうです!」
ライラは私のことをギュッと抱きしめ返した。
ライラの温もりを感じながら、やっぱり私ももっとこの世界のことを学んでいかないとなと思った。
「はい……ミラさん、ありがとうございます」
「なに、スノウを助けに来たんだから当然さ。そのために私とリーシャの転移位置が違ったんだろう?」
「そうですね……私のことだから失敗しちゃったらきっとウルルと一緒に捕まってるかなって……」
「……なるほど。確かにスノウならやっちゃいそうだ」
「自分で言うのはいいけど、人に言われたらなんか嫌ですね……」
「そんなことより」
「そんなこと!?」
「ライラの様子は?」
「私なら大丈夫です。先ほどお嬢様のお菓子をいただきました」
ミラさんが戦っている間に、リーシャが応急処置をして目を覚ましたので金平糖を食べてもらった。
「それなら大丈夫だな」
「そんなのほほんとしてないで早くこっちに!」
ウルルに言われてハッとした私たちはミラさんに檻と手錠を斬ってもらって久しぶりにウルルと再開し、思わず私はウルルに抱きついた。
「よかった……ウルル……」
「スノウ……スノウの控えめなお胸、可愛いわね」
ウルルに言われて私は自分の服が破かれていたのを思い出しばっと離れて胸元を押さえた。
この緊張感のない姫様たちなんなの!?
「うぅ~……早くこれパパに食べさせてあげて! 私はあっちで着替えるから」
私は金平糖の入った袋をウルルに渡して、創造でいつもと同じ服を出し、リーシャとライラに補助されながら着替えた。
気を失っているガルル王の手錠もミラさんに斬ってもらい、リーシャが応急処置をしている間、私はミラさんとお話をする。
「ミラさん、さっきの戦いかっこよかったです」
「そうかい? あの程度の敵は割と戦いやすいよ。異能に頼りきって戦闘というものがお粗末になっているからね」
「でも、ライラは手も足も出なかったのに、あっさり倒しちゃうから」
「うぅ……お嬢様は戦闘経験が浅いからそういう考えになるんです……」
「ははっ。たしかにね」
「どういうことですか?」
「戦闘において、重要なことはたくさんある。武器の有無、種類、相手の力量、身体能力上げればキリが無いけど、最も重要なのは異能の相性だ」
「異能の相性?」
「あぁ。たとえばさっきのエアという男の能力は風の操作と、自らの体を風へと変質させる。そして、ライラの異能大地の鍛治職人は衝撃を起こしたり土を少し操作したりするといった大地の加護を得ている武具を取り出し、その力を行使する異能だ。ここまででわかるかい?」
「うーん……さっぱりです」
「スノウ。異能の勝負はイメージが重要だよ。スノウが仮にライラの異能を使えたとして、風になれる異能を相手に何ができる?」
「……あ」
ミラさんのたとえで理解した。私がルリちゃんと勝負をするのとは違う。あれは剣と剣の戦いでそこにあるのは純粋な技量比べだ。
だが、先ほどのライラやミラさんの戦いは違う。殺し合いなのだ。
そして、異能というのはどんなに強力であっても、どんなに使いこなしていても、どうしようもない相性の壁があるのだ。
さっきの言いぶりからして、ライラはそれを理解した上で私を守るために戦ったのだ。
「そっか……ごめんね、ライラ。私のために無茶させちゃったね」
「そんな! それが私の役目です! 私の役目はお嬢様を守ることであり、あいつを倒すことではありません。こうしてお嬢様が無事なので、私は負けていないのです」
そんなことを言うライラは、頼りになって、私を本当に想ってくれていて、でもどこか心配で……私はそんなライラを抱きしめた。
「ライラ、ありがとう。これからは私も、ライラたちに無理をさせないようにもっと考えて動くね」
「お嬢様……このライラ、感動で涙が溢れそうです!」
ライラは私のことをギュッと抱きしめ返した。
ライラの温もりを感じながら、やっぱり私ももっとこの世界のことを学んでいかないとなと思った。
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