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第四章
私の王子様
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エアが私の目の前まで歩いてくると、私の首を掴み体を持ち上げた。
「う……けほっ……」
「あぁ、いいぞ。その表情、もっと見せてくれ」
「スノウを離せ! この変態鳥!」
「野蛮狼は黙っていろ」
「きゃっ!」
檻の中からウルルが叫ぶが、私を掴んでいない方の手をエアが向けると、風が起こりウルルが檻の奥の壁に叩きつけられた。
「私の異能はそこで死にかけてる無様な前王も手を焼いていたな。あれもかなりの見ものだったよ」
「黙れ……その三獣士とかいう三人でなんとか手錠をつけて檻に入れたって聞いたわよ……あんた一人じゃ何もできてないくせに偉そうにするな」
「黙るのは貴様だ、生意気な小娘め! そういう貴様はフレア一人に何もできなかっただろう? つまり、私一人でも貴様に負けることはないということだ」
「いいからスノウを離せ!」
「この娘は貴様にとって相当大切なようだな。この娘は貴様と違って素直でいい。ちょうどいい、お前の目の前で可愛がってやろう」
「やめなさい! くそっ! この手錠がなかったらあんたなんて……」
「ふん……だから貴様が異能を使えたとしても私が遅れをとることなどあり得んと言っているだろう」
「くそっ! くそっ! 壊れろ! 壊れろ!」
ウルルはそう言って地面に手錠をガンガンとぶつけ始めた。
ウルルの腕からは血が滲んでいるが、それでもやめないウルルをエアがバカにするように笑う。
「無駄だ。その手錠は装着者の異能を封じるだけでなく、かなり頑丈な鉱石で作られている。異能のない貴様なぞ、ただの小娘同然よ」
「ウ……ルル……」
「こんな状況でも他人の心配とは、よほど余裕のようだな!」
エアは片手で私の服の胸元を破いた。
私の控えめな胸を見て最初こそ気持ちの悪い笑みを浮かべていたエアの表情がどんどん驚きに変わっていく。
「……!? 貴様、この刻印は……」
まずい……他の人に私の白の星の刻印を見せちゃいけないって……言われてたのに。
私はなんとか胸元を両手で覆い隠そうとしたが、エアは私の首から両腕に掴み直し、私は腕でぶら下がる形になる。
「ゲホ……ケホっ……」
咳き込む私を気にも止めずにエアは私の刻印を見つめる。
どうしよう……私じゃもう何もできない……ライラだって頑張って私のこと守ってくれたのに……。
助けてリーシャ……ミラさん……。
「まさか貴様が女神の……」
エアが何かを言いかけたとき、足場が揺れるほどの大きな音が聞こえた。
「なんだ!?」
突然のことで動揺するエア。
音がおさまった瞬間、私の腕を掴むエアの腕に矢が通りすぎるとエアは私の腕を離し、警戒してか距離をとった。
私はそのまま地面に落ちるが、そんな私を誰かが抱き留めた。
よかった……私のおまじないは……ちゃんと発動したみたい。
「スノウ、大丈夫?」
「はい」
「怖かっただろう? もう少し待っていてくれ」
いつかの時を思い出し、私は安心で涙を浮かべながら、私の王子様にコクリとうなづいた。
「う……けほっ……」
「あぁ、いいぞ。その表情、もっと見せてくれ」
「スノウを離せ! この変態鳥!」
「野蛮狼は黙っていろ」
「きゃっ!」
檻の中からウルルが叫ぶが、私を掴んでいない方の手をエアが向けると、風が起こりウルルが檻の奥の壁に叩きつけられた。
「私の異能はそこで死にかけてる無様な前王も手を焼いていたな。あれもかなりの見ものだったよ」
「黙れ……その三獣士とかいう三人でなんとか手錠をつけて檻に入れたって聞いたわよ……あんた一人じゃ何もできてないくせに偉そうにするな」
「黙るのは貴様だ、生意気な小娘め! そういう貴様はフレア一人に何もできなかっただろう? つまり、私一人でも貴様に負けることはないということだ」
「いいからスノウを離せ!」
「この娘は貴様にとって相当大切なようだな。この娘は貴様と違って素直でいい。ちょうどいい、お前の目の前で可愛がってやろう」
「やめなさい! くそっ! この手錠がなかったらあんたなんて……」
「ふん……だから貴様が異能を使えたとしても私が遅れをとることなどあり得んと言っているだろう」
「くそっ! くそっ! 壊れろ! 壊れろ!」
ウルルはそう言って地面に手錠をガンガンとぶつけ始めた。
ウルルの腕からは血が滲んでいるが、それでもやめないウルルをエアがバカにするように笑う。
「無駄だ。その手錠は装着者の異能を封じるだけでなく、かなり頑丈な鉱石で作られている。異能のない貴様なぞ、ただの小娘同然よ」
「ウ……ルル……」
「こんな状況でも他人の心配とは、よほど余裕のようだな!」
エアは片手で私の服の胸元を破いた。
私の控えめな胸を見て最初こそ気持ちの悪い笑みを浮かべていたエアの表情がどんどん驚きに変わっていく。
「……!? 貴様、この刻印は……」
まずい……他の人に私の白の星の刻印を見せちゃいけないって……言われてたのに。
私はなんとか胸元を両手で覆い隠そうとしたが、エアは私の首から両腕に掴み直し、私は腕でぶら下がる形になる。
「ゲホ……ケホっ……」
咳き込む私を気にも止めずにエアは私の刻印を見つめる。
どうしよう……私じゃもう何もできない……ライラだって頑張って私のこと守ってくれたのに……。
助けてリーシャ……ミラさん……。
「まさか貴様が女神の……」
エアが何かを言いかけたとき、足場が揺れるほどの大きな音が聞こえた。
「なんだ!?」
突然のことで動揺するエア。
音がおさまった瞬間、私の腕を掴むエアの腕に矢が通りすぎるとエアは私の腕を離し、警戒してか距離をとった。
私はそのまま地面に落ちるが、そんな私を誰かが抱き留めた。
よかった……私のおまじないは……ちゃんと発動したみたい。
「スノウ、大丈夫?」
「はい」
「怖かっただろう? もう少し待っていてくれ」
いつかの時を思い出し、私は安心で涙を浮かべながら、私の王子様にコクリとうなづいた。
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